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仕事をしていると、相手の意見や要望などを聞いて同意する、しないなどという場面がよくあると思います。
そうしたときに使うのが「承服」や「承諾」、「納得」といった言葉です。
いずれも相手の言うことをOKするというような意味で使う言葉ですよね。
同じような使い方をする言葉ですので、あまり意味の違いを意識せずに使っている人が多いと思います。
特にビジネスシーンでは多用する言葉ですから、誤った使い方をしていらぬ誤解をされてしまうようなことがないように気をつけたいですね。
ぜひこの機会に意味の違いや使い方を確認しておきましょう。
今回は、「承服・承諾・納得」の違いは?意味と使い方!【類語・対義語・例文つき】についてご説明いたします!
「承服」の意味と使い方
「承服」は「相手の言うことを承知してそれに従うこと」と言う意味です。
「しょうふく」と読みます。
相手の主張や説得といった、言われたことに対してもっともだと思い、それに従うという意味です。
普段の会話の中で使うような言葉ではなく、文語的な言葉です。
ビジネスシーンでも「承服しました」と口に出していうことは少なく、主に文書やメールの中で使うことが多いでしょう。
また、「承服」は肯定系ではなく否定形で使われることが多い言葉です。
相手の言うことに賛同できないとき、認められないときなどに「承服できない」「承服しかねる」などの形で、承知できず従うことはできないと言う意味を表します。
【例文】
- 先生のご意見を皆承服するに違いない。
- とても承服しかねる条件だ。
- 契約資料を拝見しましたが、この条件は承服しがたいです。
「承諾」の意味と使い方
「承諾」は「(願いや要求を)聞き入れること」という意味です。
「しょうだく」と読みます。
相手の意見や希望、要求などを聞いて、OKですよと聞き入れる、受け入れるという言葉です。
「諾」の字がやや難しいですが、「ダク」は「うべなう」とも読み、「人からの依頼を素直に引き受ける」という意味のある漢字です。
「承諾」はビジネスシーンでも非常によく使われる言葉です。
【例文】
- 先方の承諾を得てから進める。
- 相手からの依頼を承諾する。
- 入社承諾書を提出する。
「納得」の意味と使い方
「納得」は「他人の考えや行いを理解し、もっともだと認めること」という意味です。
「なっとく」と読みます。
文章中やビジネスシーンで使う以外にも、気軽な口語としてもお馴染みの言葉ですね。
相手の言うことを聞いたり、やっていることを見たりして「うんうん、なるほど」と理解して得心することです。
【例文】
- 詳しい説明を聞いて納得した。
- 納得のいかない話でモヤモヤする。
- みんなが納得のいく結果を出して欲しい。
「承服・承諾・納得」の違い
「承服・承諾・納得」はいずれも「人の言うことを認める」という意味は共通していますよね。
ではこの三つの違いはなんでしょうか。
まず、「承服」がほかの二つと違う点は、相手の言うことに「従う」という意味を持つということです。
「従う」という意味を表したいとき、強調したいときは「承服」を使うのがよいでしょう。
「承諾」は相手の依頼や要求を「引き受ける」と言う意味になります。
相手の要望を引き受けるということですから、返答するときに使う言葉とも言えるでしょう。
「納得」は相手の言動などを「認める」ということですから、「従う」「引き受ける」といった意味はありません。
「OKだよ」「言うことを聞きますよ」という意味ではなく、単に「なるほどそういうことか」と話を理解した、という意味です。
簡単にまとめると
- 「承服」は「相手の言うことに従うこと」
- 「承諾」は「相手の要望を引き受けること」
- 「納得」は「相手の言動を理解すること」
ということになります。
このような違いがありますので、「納得したが承諾はしない」というような状況もあるかもしれませんね。
例文で違いや使い方を確認しましょう。
【例文】
- その条件には承服しかねる。(その条件に従うことはできない)
- 出演を承諾する。(出演を引き受ける)
- あなたの言葉に納得した。(あなたの言葉をもっともだと認めた)
- あなたの言うことに納得はできるが承服はしかねる。(あなたの言うことを理解したが従うことはできない)
- あなたの説明を聞いて納得はしたが、その件は承諾できない。(理解はできるけれど引き受けることはできない)
「承服・承諾・納得」の類語
「承服・承諾・納得」のその他の類語には次のようなものがあります。
【同意する意】
- 賛成
- 賛同
- 同意
【受け入れる意】
- 聞き入れる
- 受け入れる
- 受容
- 受諾
- 認容
- 承認
【理解する意】
- 了解
- 会得
- 合点
「承服・承諾・納得」の対義語
「承服・承諾・納得」の対義語は次のようなものです。
【「承服」の対義語】
- 不服(従う気になれないこと)
【「承諾」の対義語】
- 辞退(人の勧めを断って引き下がること)
- 固辞(かたく辞退し続けること)
- 拒絶(要求や頼みを断ること)
- 拒否(要求や提案を聞き入れないで断ること)
【「納得」の対義語】
- 不服(納得がいかず不満に思うこと)
- 反発(相手に従わずたてつくこと)
まとめ
「承服・承諾・納得」は似ているけれど意味の違いがある言葉でしたね。
「承服」と「承諾」では使い方が違いますし、「納得」は引き受けたり従ったりするわけではなく理解して認めるという意味でした。
自分が使うときは意識して使い分けたいところです。
また、相手がこれらの言葉を使ったときにも注意していれば、どういう意図で発言したのかを汲み取ることができるかもしれませんね。
ぜひ参考になさってください。
最後までお読みくださりありがとうございました!