言葉の意味と使い方

「草案・素案・原案」の意味と違いは?使い分け方を解説!【類義語・例文】

「草案・素案・原案」の意味と違いは?使い分け方を解説!【類義語・例文】

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

「草案」と「素案」と「原案」は、いずれも「案」がつく、似た印象の言葉ですね。

これらはいずれもビジネスシーンでよく使われる言葉です。

「草案を作成してください」とか、「素案を作って」、「原案を提出して」などと言われることもあるかもしれません。

「草案・素案・原案」それぞれの意味がわかっていないと、ちょっと困ってしまいそうです。

ぜひ確認しておきましょう。

今回は、「草案・素案・原案」の意味と違いは?使い分け方を解説!【類義語・例文】についてご説明いたします!

「草案」の意味

「草案」は「文章、特に規約などの下書き・原案のこと」という意味です。

「そうあん」と読みます。

「草」には地面に生える草のほかにも、「そまつな」「はじまり」などの意味があり、「文章の下書き」という意味もあります。

「草案」は文字どおり、案の下書きということになります。

「素案」の意味

「素案」は「検討のための素材として作られた案、考え」という意味です。

「そあん」と読みます。

「素」は「ありのまま」「もとになるもの」「簡単な」などの意味があり、「素案」はもとになるような案ということになりますね。

「原案」の意味

「原案」は「検討・討議のために作った最初の案」という意味です。

「げんあん」と読みます。

「原」は草原や原野のいわゆる「はら」だけでなく、「おおもと。はじめ」などの意味があります。

「原因」や「原始」の「原」ですね。

「原案」はもとになる、初めの案といういみになります。

議題として提出したりするために作る、最初の案ということです。

「草案・素案・原案」の違いは?

「草案・素案・原案」は、いずれも最初に作る案という点では共通していますね。

使い方も非常に似ていそうなこの三つの言葉の違いはどこにあるのでしょうか。

この「草案・素案・原案」の違いは、

  • 「草案」は「文章、特に規約、法律などの下書きのこと」
  • 「素案」は「原案になる前のおおもとの考え」
  • 「原案」は「検討・討議のために作った最初の案」

となります。

一言づつにざっくりまとめると、

「草案」が「文章の下書き」、「素案」が「大まかな考え」、「原案」が「最初の案」と言えます。

これらはそれぞれ意味が違っていて、順番に並べ替えるとしたら

「素案」→「草案」→「原案」となります。

「草案」と「原案」は大体同じ意味ではありますが、「原案」の方が「最終決定される一歩手前の案」「修正する前の案」といった意味があるので、「草案」よりも最終形に近い案であるといえるでしょう。

一つの企画を完成させるにあたっての「素案」「草案」「原案」とは何かを考えてみましょう。

「素案」は初期段階の案ですので、ざっくりとした考えを出すことです。

  • 大体の企画内容
  • いつごろから始めるか
  • 予算はいくらぐらいまで

程度でしょうか、おおまかな考えのことです。

「草案」はこうした「素案」をまとめて文章にしていきます。

「素案」よりも詳しく

  • 何をするのか
  • いつ開始するか
  • 予算は○○円とする

などといったことを書きます。

「原案」は最終案の一歩手前ということですから、きちんとした形で提出できるように文章なども整えて企画書の形にします。

こうして一つの案が議題として出せる状態になり、ここから修正案などを出して最終的な形に決定します。

「寄稿」と「投稿」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・例文つき】
「寄稿」と「投稿」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・例文つき】「新聞に寄稿する」 「新聞に投稿する」 どちらも文章などを書いて新聞に載せるために送るときに使う言葉ですよね。 文筆業...

「草案・素案・原案」の使い分け方

「草案・素案・原案」の違いはおわかりいただけたでしょうか。

使い分けとしては、言葉の意味どおり最初の案のことは「素案」、文章の下書きにしたものは「草案」、会議などで検討するための最初の案を「原案」と言います。

【例文】

  1. 社内の新プロジェクトのため草案を練る。
  2. 憲法改正草案が提案された。
  3. まだ素案レベルだが、新しい企画を考えている。
  4. 彼が出した素案をたたき台として企画を考えていこう。
  5. 原案どおり可決される。
  6. 提出された原案をチェックして修正を加える。

「草案・素案・原案」の類義語

「草案・素案・原案」の類義語には次のようなものがあります。

  • 下書き(清書する前に準備のために書くこと)
  • 草稿(文章の下書き)
  • 文案(文書の下書き)
  • 起稿(原稿を書き始めること)
  • 試案(検討の材料として試みに提出する案)
  • たたき台(検討のもととなるもの。試案)

「草案・素案・原案」の対義語

「草案・素案・原案」の対義語には次のようなものがあります。

  • 成案(出来上がった考えや文案)
  • 修正案(もとの案に修正を加えた議案)

「草案」や「素案」はまだ最初の方の考え始めや書き始めの案ということなので、「成案」が対義語になります。

「原案」は修正などして最終的な形にする前の案ということなので、「修正案」が対義語になります。

「閲覧」の意味と使い方!「観覧」との違いは?【類義語・例文つき】
「閲覧」の意味と使い方!「観覧」との違いは?【類義語・例文つき】「閲覧」は何かを見るような意味の言葉ですね。 「資料を閲覧する」とか、図書室の「閲覧室」などの言葉で、学生の頃からおなじみではない...

まとめ

「草案・素案・原案」のそれぞれの意味はおわかりいただけたでしょうか。

  • 初めの大まかな案が「素案」
  • それを具体的にして下書きにしたものが「草案」
  • 提案するため、最終案の一歩手前の形にしたものが「原案」

という違いで、流れに沿って企画などを練っていくとよいでしょう。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
error: Content is protected !!