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言葉の意味と使い方

「たらしめる」の意味と使い方!「たらしめる所以」とは?【言い換え・例文】

「たらしめる」の意味と使い方!「たらしめる所以」とは?【言い換え・例文】

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「たらしめる」は「人間たらしめる」「王たらしめる」などと使われます。

古風で難しい印象ですね。

なんとなく前後の文脈から解釈しているけれど、しっかりと意味を調べたことはないという人が多い言葉なのではないでしょうか。

ぜひ意味や使い方を正しく知っておきましょう。

今回は、「たらしめる」の意味と使い方!「たらしめる所以」とは?【言い換え・例文】についてご説明いたします!

「たらしめる」の意味

「たらしめる」は「○○であるようにする」「○○させる」という意味の言葉です。

「人間たらしめる」であれば、「人間であるようにする」という意味になるわけですね。

「たらしめる」は連語で、「たら」と「しめる」に分けて考えることができます。

「たら」は助動詞の「たり」の未然形で、「~である」という断定の意を表します。

「しめる」は使役の助動詞「しめる」の終止形です。

もともとは使役の助動詞「しむ」と完了・継続の助動詞「り」がくっついたもので、「しめる」で使役の意を表します。

この「たり」と「しめる」からなる「たらしめる」で、「~であるようにさせる」という意味になります。

なお、使役の「しむ」は漢文などでは「使ム」などと書きますが、「たらしめる」は漢字ではなくひらがなで書きます。

「たらしめる」の使い方

「たらしめる」は、「~であるようにさせる」などの意味で使います。

使役の動詞なので、「~を」という目的語がつきます。

「たら」と「しめる」からなる連語で、もともとは古語・文語ですが、話し言葉としても普通に使われています。

物事や人の特性などを、そのように決定づけている要因について使います。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【例文】

  1. 人間を人間たらしめるものとは一体なんであろうか。
  2. 彼をスターたらしめるのは日々の地道な努力なのだ。
  3. 我が社を業界1位たらしめているのは社長の独自の経営方針である。
  4. 彼女はその突飛な言動で世間を唖然たらしめた。

「たらしめる所以」とは?

「たらしめる」の使い方に、「たらしめる所以」というものがあります。

気軽なシーンの日常会話で使うには少し難しい表現ですが、文章の中やかしこまった場、ビジネスシーンなどではよく見聞きする言葉です。

この「たらしめる所以」というのは、「~であるようにさせる理由・根拠」ということです。

「所以」は、「わけ。いわれ。理由」という意味です。

漢文を習うとかならず出てきたと思いますが、理由、手段、根拠などの意味を表す名詞ですね。

「○○たらしめる、その根拠である」「○○たらしめる、そのわけである」とでも言えるでしょう。

【例文】

  1. 日々の地道な努力こそが彼をスターたらしめる所以なのだ。
  2. 社長の独自の経営方針が、我が社を業界1位たらしめる所以である。
  3. 彼を彼たらしめた所以は、これまでの作品からうかがい知ることができる。

「たらしめる」の言い換え表現

「たらしめる」の言い換え表現には次のようなものがあります。

  • ~のようにさせる
  • ~にさせる
  • ~の状態にする

また、「彼を天才たらしめる所以」であれば「彼が天才である所以」という風に

  • ○○が○○である
  • ○○が○○であるのは○○の結果だ

などと言い換えても自然です。

【例文】

  1. 人間が人間であるようにさせるものとは一体なんであろうか。
  2. 彼がスターであるのは日々の地道な努力の結果だ。
  3. 我が社が業界1位であるのは社長の独自の経営方針による。
  4. 彼女はその突飛な言動で世間を唖然とさせた。

このような言い換え表現を使うことで、平易で理解しやすくなります。

気軽な場面では「たらしめる」よりも「○○である」などとした方が自然ですね。

ですが、「たらしめる」はそのかたいイメージが適している場面では好んで使われます。

文語調で重々しい響きの言葉を使うことで、インパクトが生まれて伝えたいことを印象付けることができます。

小説や随筆、講演、スピーチ、政治家や経営者、文化人などのコメントなどで、あえてメッセージを強調するために使われています。

こうした場面ではかえって「~にさせる」とか「○○である」といった簡単な言葉に置き換えてしまうと印象が変わってしまいます。

その場に適した言葉、自分が伝えたい言葉を選んで使うことが大切ですね。

まとめ

「たらしめる」は「あることが要因で○○になる」「○○にさせる」といった意味で使う言葉でしたね。

昔の言葉そのままで現代語としても使われているわけですが、だからこそ重みや深みがあり、強く伝えたい時には適した言葉ですね。

ぜひ理解して適切な場面で使ってみてください。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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