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「責任転嫁」は、本来は自分の責任であるようなことを他人のせいにして罪をなすりつけるというような意味で、いろいろな場面で使いますよね。
この「責任転嫁」、よく見ると「嫁」という字が使われています。
悪い意味の言葉に「嫁」という字が入っているのはなぜだろうと疑問に思ったり、嫁の立場である(嫁になる可能性がある)女性にとっては嫌な気持ちになったりするかもしれませんね。
今回は、「転嫁」の意味と使い方!「責任転嫁」はなぜ嫁なの?語源も解説についてご説明いたします!
「責任転嫁」はなぜ嫁なの?
「責任転嫁」は、間違いや罪など、自分の責任になることを他人になすりつけるということですよね。
よくない意味の言葉ですが、ビジネスシーンでも使いますし、何かと日常でも使う機会はあるかもしれません。
ところで、この「責任転嫁」ですが、なぜ「嫁」を「転がす(転がる)」と書くのでしょうか?
実は、この「嫁」という字には、「よめ」や「とつぐ」という意味のほか、「罪や責任をなすりつける」という意味があるのです。
「責任」を「他になすりつける」という意味だから、「責任転嫁」と書きます。
お嫁さんを転がすという意味ではなくてよかったですね(笑)。
この「転嫁」という言葉について、さらに詳しく調べてみました。
>>「所為」の読み方や意味は?「人の所為」とは?【類語・例文】
「転嫁」の意味
「転嫁」は「罪・責任などを他人になすりつけること」という意味です。
「てんか」と読みます。
自分の罪や、自分の責任になるようなことを、他人のせいだとして押し付けるということです。
「責任転嫁」という言葉でよく使われますが、「転嫁」だけでも罪や責任を人になすりつける、責任逃れをするという意味を持っています。
「転嫁」の語源
さて、先に述べた通り、「転嫁」の意味は「嫁を転がす」わけではなく、「他になすりつける」という意味です。
「転嫁」の語源は、もともと「転嫁」は「再度嫁入りすること」という意味だったのです。
二度目の嫁入り、再婚ということですね。
再度嫁入りして他の家にうつるといった意味で、「転嫁」と言いました。
それが転じて、「転嫁」は「他に移す」ということを表すようになりました。
だから「責任転嫁」は「責任」を「ほかに移す」ということで、「責任を他人になすりつける」という意味なのですね。
さらに、昔は一度嫁入りをしたら一生添い遂げるのが普通でした。
ですから一度嫁入りをした相手が再度他の人に嫁入りをするということは、本来ならば一生守るはずの結婚の誓いを他の人に守らせるということになります。
それで、「転嫁」のみでも罪や責任を他の者になすりつけるという意味で一般的に使われるようになりました。
>>「確信犯」の本当の意味は?実は誤用が多い?使い方を解説|言い換え
「転嫁」の使い方
「転嫁」はほかに移すということが語源ですが、主に責任や罪を他の者になすりつけるという意味で使われます。
「責任転嫁」が主な使い方です。
ほかにも「責任を転嫁する」「罪を転嫁する」といった言い方もします。
- 責任を転嫁する
- 罪を転嫁する
- 消費税の転嫁
- 価格転嫁
ニュースや新聞などでは消費税などの「転嫁」というものもよく出てきます。
「消費税の転嫁」とは、商品やサービスなどに消費税が上乗せされるということです。
私たちが毎日の買い物でしていることですが、税金が価格に上乗せされていて、買う時にその税金分を含めた金額を払うことで、消費者が税金を負担するということになりますよね。
「転嫁」が「罪や責任をなすりつける」という意味であると解釈するとちょっとなすりつけられているようで嫌かもしれませんが(笑)、こうした使い方もありますのでぜひ覚えておきましょう。
【例文】
- 彼はいつも自分のミスの責任を周囲の人に転嫁しようとする。
- 彼女は責任転嫁して自分は知らん顔をしている。
- 彼は自国の罪を相手国へ転嫁しようとしている。
- 消費税は価格への転嫁によって消費者が負担する税である。
「責任転換」は「責任転嫁」の誤りです。
いかにも「責任」の向く方向を「転換」するといったイメージで合っていそうなのですが、これは誤用ですので気をつけましょう。
「転嫁」の類義語
「転嫁(転嫁する)」の類義語には次のようなものがあります。
- 他人のせいにする
- なすりつける(過失などを他人に押し付ける)
- 責任を押し付ける
- 責任逃れする
- 負担させる
- 濡れ衣を着せる(無実の罪を背負わせる)
まとめ
「転嫁」や「責任転嫁」の意味と使い方はお分かりいただけたでしょうか。
「嫁」という字が入っており、語源には嫁入りが関係していますが、「転嫁」という言葉自体はお嫁さんとは関係なく使う言葉です。
自分が負うべき責任や罪を、他の人になすりつけることという意味ですので、いい意味ではないですが、ビジネスシーンなどでもしばしば使われますのでぜひ覚えておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!