言葉の意味と使い方

「務める・勤める・努める」 の意味と使い分け方!業務や職務、司会はどれになる?

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日本語には同じ発音で意味の違う言葉がいろいろありますね。

同音語、同音異義語と言います。

なかでも「つとめる」という言葉には「務める・勤める・努める」という漢字があります。

それぞれ身近でよく見聞きする、使う機会も多い言葉です。

それだけに、混同してしまっていつどの「つとめる」を使うのか?と困ってしまうこともありませんか?

非常に似ている「務める・勤める・努める」ですが、使い分け方をよく確認しておきましょう。

今回は、「務める・勤める・努める」の意味と使い分け方!業務や職務。司会はどれになる?についてご説明いたします!

「務める・勤める・努める」の違い

「務める・勤める・努める」の違いは、簡単にまとめると

  • 「務める」は役割や任務に当たること
  • 「勤める」は職場に勤務すること
  • 「努める」は努力すること

となります。

こうして文にしてみると、結構意味の違いがあることがわかりますね。

ですが、音も同じなので実際は使うときに混同してしまうことも多いようです。

それぞれの意味や使い方をしっかり確認していきましょう。

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「務める」の意味と使い方

まずは「務める」です。

「務める」は、「役割や任務に当たること」という意味です。

「務」という字は「任務」とか「事務」、「義務」など多くの熟語に使われていて、おなじみの漢字ですよね。

「務」は「一つのことに力を出して働く。また、力を出して当たるべき仕事や役目」という意味がある漢字です。

そこから考えてもわかるように、「務める」は会社の役職についているとか、劇で何かの役をするとか、与えられた役割や任務を果たすために力を出すという意味になります。

「務める」の例文

  1. 彼が今日の進行役を務めます。
  2. 娘が学芸会で主役を務めることになった。
  3. 今日の儀式で大切な役目を務める。
  4. 子供にきちんと生活習慣を身につけさせるのは親の務めだ。

「勤める」の意味

次は「勤める」です。

「勤める」は「仕事につく。勤務する」という意味です。

「勤」は「力を尽くしてつとめはげむ」「勤め先で仕事をする」という意味の漢字です。

一つ目の意味の場合、「務める」や「努める」との違いがわかりにくいですが、現代ではほぼ2番目の意味で使われます。

つまり、「勤める」は会社などに行って仕事をするということになります。

「勤務」「皆勤」「欠勤」「出勤」「退勤」「夜勤」など、「勤」の字が使われている熟語はたくさんあります。

今あげた熟語は、いずれも会社などに行って仕事をするという意味での使われ方をしています。

こうしたことからも、「勤める」=「会社などに仕事に行く」とイメージしやすいのではないかと思います。

「勤める」の例文

  1. 彼女は出版社に勤めている。
  2. 彼は数学教師として中学校に勤めている。
  3. 勤めていた会社が倒産した。
  4. どこにお勤めですか。

ちなみに「勤める」にはもうひとつ「仏道に励む」という意味もあります。

古文などではよく「仏道修行に励む」意で「勤む」というのが出てきますね。

お坊さんがお経を唱えるのを「お勤め」と言ったりします。

「努める」の意味

最後は「努める」です。

「努める」は「力を尽くす。努力する」という意味です。

まさに「努力」の「努」なので覚えやすいですね。

特に仕事に限らず、広くいろいろなことに対して使います。

力を尽くして、力の限り頑張るということですね。

「~に努める」という使い方が多いです。

「努める」の例文

  1. 勉学に努める。
  2. お客様第一でサービスの向上に努めます。
  3. ○○氏はインタビューに答え、信頼回復に努める姿勢を強調した。
  4. 御社で活躍できるよう努めてまいります。

業務や職務、司会はどれになる?

「務める・勤める・努める」の違いを見てきました。

では、「業務」「職務」「司会」……。

これらはどの「つとめる」を使うか、わかりますか?

正解は「務める」です。

「業務」は「日々行う仕事」のことで、「職務」は「担当している仕事」のことです。

また、「司会」はもちろん司会という役割ですね。

「務める」は与えられた役割や任務を果たすために力を出すという意味ですので、当てはまります。

「勤める」だと、会社などに働きに行くということになりますので、これは不適切です。

「努める」は困難なことを成し遂げるために努力するということですから、これも不適切でしょう。

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「務める・勤める・努める」の類義語

「務める・勤める・努める」の類義語はそれぞれ次のようなものです。

「務める」の類義語

  • 取り組む(熱心にことにあたる)
  • 遂行する(任務や仕事をやり遂げる)
  • 役目を果たす(与えられた仕事をやり遂げる)

「勤める」の類義語

  • 働く(仕事をする。労働する)
  • 勤務する(会社などに勤めて仕事をする)
  • 仕える(目上の人のそばにいて奉仕する。役所などに勤める)

「努める」の類義語

  • 努力する(ある物事に熱心に取り組む)
  • 挑む(ある対象に立ち向かっていく)
  • 尽くす(他の者のために精一杯働いたり努力したりする)

まとめ

「務める・勤める・努める」は似ている言葉ですが、違いはわかりましたか?

仕事を例にすると、役職などについています、というのが「務める」、会社などに属しています、というのが「勤める」、仕事を一生懸命やります、というのが「努める」です。

どれもしょっちゅう使う機会のある言葉です。

だからこそ、間違えないで使えるようにぜひ覚えておいてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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