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「梅雨寒」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「梅雨寒」について解説していきます。
「梅雨寒」について基本的な意味や由来はもちろん、いつの季語なの?といった疑問や「梅雨寒」を使った俳句もご紹介いたします。
「梅雨寒」の意味と読み方
「梅雨寒」とは、梅雨の最中に突然訪れる寒さを意味する言葉です。
読み方は「つゆざむ」です。
梅雨なので6月半ば頃であり、気温もさほど下がることは無い時期ではありますが、オホーツク海高気圧の強まりにより吹き込む冷たい空気により季節外れの寒気が舞い込んでくることがあります。
この寒気を「梅雨寒」と呼んでいます。
「梅雨寒」の由来
「梅雨寒」という言葉は、梅雨時期に突然寒くなる事から「梅雨寒」と呼ばれています。
漢字から由来を想像することが出来ますよね。
梅雨寒と呼ばれる基準の気温は20度前後と言われています。
6月の気温としては確かに低く、気温だけを見ると4月上旬頃のものとなりますので、つい冬物を出したくなってしまいますよね。
「梅雨寒」はいつの季語?
「梅雨寒」は俳句の季語としては「仲夏」という時期を表現するものとなります。
夏を通して使えるわけではなく、夏の半ば頃である6月上旬から7月上旬に使う事が出来る季語なんですね。
暦の上で芒種となる6月6日前後から、小暑と呼ばれる7月7日頃までの季語が「梅雨寒」です。
「梅雨寒」の使い方
「梅雨寒」という言葉は俳句の季語として使われるだけではなく、ビジネス文書などで使われる時候の挨拶としても使われています。
時候の挨拶としては6月初旬から梅雨が明けるまでの期間に使う事が出来ます。
予想もしていない寒さに対して、相手への気遣いの言葉と一緒に使われることが多い時候の挨拶なんですよ。
例文
- 拝啓 梅雨寒の候、ご一同様におかれましてはより一層のご清栄お喜び申し上げます。
- 拝啓 梅雨寒の候、貴社におかれましてはますますご多忙の事と拝察いたします。
- 梅雨寒の折、御社の皆様方におかれましてはどうぞくれぐれもご自愛ください。
「梅雨寒」を使った俳句
ふたりゐてものを噛む音梅雨寒き
(ふたりいて ものをかむおと つゆさむき)
斧田綾子
ありなしの月夜の町や梅雨寒き
(ありなしの つきよのまちや つゆさむき)
富田木歩
人形は軽く口開け梅雨寒し
(にんぎょうは かるくくちあけ つゆさむし)
対馬康子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。