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言葉の意味と使い方

「承る」と「賜る」の違いは?ビジネスでの注文・キャンセル・伝言などはどちらになるか?

「承る」と「賜る」の違いは?ビジネスでの注文・キャンセル・伝言などはどちらになるか?

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「では、私○○がご伝言を……」

この後に続くのは「承る」でしょうか?「賜る」でしょうか?

「承る」と「賜る」は、なんとなく似ている言葉なので、どっちをどのような状況で使えばよいのか迷いがちな言葉です。

ビジネスシーンでは、電話応対や接客、営業などでしょっちゅう「承る」「賜る」ようなことを言う機会があると思います。

この二つは意味やニュアンスは結構違う言葉なので、間違えて使ってしまわないようにぜひ確認しておきましょう。

今回は、「承る」と「賜る」の違いは?ビジネスでの注文・キャンセル・伝言などはどちらになるか?についてご説明いたします!

「承る」の意味は?

「承る」は「つつしんで受ける」「つつしんで聞く。拝聴する」「つつしんで引き受ける」と言う意味です。

「うけたまわる」と読みます。

簡単なようですが、「承」の一文字で「うけたまわ」と長い読みになりますので、意外と読み方がわからないと言う人もいるようです。

「承る」は「受ける」「聞く」「引き受ける」といった言葉の謙譲語です。

「承」は身を屈める人と両手、手の象形からできた漢字で、「受ける」「継ぐ」などの意味があります。

日本に入ってきて、「うけたまわる」という意味で使われるようになったそうです。

「賜る」の意味は?

「賜る」は「目上の人からいただく」「目上の人が物などをくださる」などの意味です。

「たまわる」と読みます。

こちらは「もらう」の謙譲語、「与える」の尊敬語です。

「賜」は貝、つまり昔の貨幣の象形と、右側はトカゲの象形でできている字です。

このトカゲには腕を突き出すと言う意味があるそうで、この二つで「お金を押しやって与える」ということから「目上から目下へ金品を与える」、そして「いただく」「くださる」といった意味になったそうです。

実際に形あるものを「いただく」「くださる」場合や、厚意などを受ける場合に使う言葉です。

「承る」と「賜る」の違いは?

「承る」と「賜る」はどちらもビジネスシーンではしばしば使われる言葉です。

音も似ているので、混同してしまう人もいるようですから違いを確認しておきましょう。

まとめると

  • 「承る」は「聞く」「受ける」の謙譲語
  • 「賜る」は「もらう」の謙譲語、「与える」の尊敬語

ということになります。

どちらも謙譲語ですので、目上の人やお客様、外部の人などに対して使うような言葉です。

まずざっくりと説明すると、謙譲語としては、何かを聞いたり、引き受けたりしたときは「承る」、何か物をもらったときは「賜る」を使うと言えるでしょう。

ただし「賜る」も「ご愛顧を賜る」「ご指導ご鞭撻を賜る」というように、必ずしも形のあるものだけに使うわけではありません。

「承る」は「お聞きする」「お引き受けする」ようなこと、「賜る」は「いただく」(物をもらったり恩恵を受ける)ようなことに使うという風に考えるとよいでしょう。

また、「賜る」には尊敬語「くださる」の意味のある点が違いますね。

こちらの意味では天皇陛下や偉い人などの「お言葉を賜る」という使い方もあります。

ビジネスでの注文・キャンセル・伝言などはどちらになるか?

「承る」と「賜る」の違いがわかりましたね。

ビジネスシーンでよく迷ってしまうのが、注文やキャンセルの応対をするときや、伝言を聞く時に「承る」と「賜る」のどちらを使うかと言うことだと思います。

「ご注文を承ります」なのか「ご注文を賜ります」なのか……などということですね。

この場合、「承る」を使うのが正解です。

「承る」は「聞く」「引き受ける」といったことの謙譲表現です。

ですから、「注文を承る」=「注文をお聞きする」、「伝言を承る」=「伝言をお聞きする」ということになります。

一方「賜る」の方は謙譲語として使う場合、主にものや恩恵を「もらう」という意味になります。

「賜る」で「お話を賜る」ということもありますが、偉い人からありがたい話を拝聴するというようなニュアンスですので、普段のビジネスシーンで注文や伝言などを聞く際にはあまり使いません。

「承る」と「賜る」の例文

「承る」と「賜る」の意味の違いなどがお分かりいただけたかと思います。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【「承る」の例文】

  1. では、以上の内容でご注文を承ります。
  2. この度のご注文につきましては、商品発送後でございましたのでキャンセルを承ることができません。
  3. A様からB様へのご伝言を承りました。
  4. よろしければ私がご用件を承ります。

【「賜る」の例文】

  1. 先生から記念の品を賜りました。
  2. このような素晴らしい賞を賜り、感謝の気持ちでいっぱいです。
  3. 今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願いいたします。
  4. 天皇陛下からお言葉を賜る。

まとめ

「承る」と「賜る」は、音は似ているけれどニュアンスは結構違う言葉でしたね。

「賜る」はかなりかしこまった場面で使うような、敬意の高い言葉ですので、ビジネスシーンでは「承る」の方が出番は多そうですね。

混同している人も多い言葉なので、ぜひこの機会にしっかり違いを理解して使い分けてみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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