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「梅が香」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「梅が香」について解説していきます。
「梅が香」について基本的な意味や読み方はもちろん、何月頃の季語なの?といった疑問や「梅が香」を使った俳句もご紹介いたします。
「梅が香」の意味と読み方
「梅が香」とは、その漢字が示す通り「梅の花から香ってくる花の匂い」という意味を持つ言葉です。
読み方は「うめがか」で、「うめがこう」「ばいがこう」などではありませんので覚える際はお気を付けください。
古くは万葉集の中でも梅の花の香りについて書かれており、春の到来を予感させる花の開花を喜ぶ日本人の心がひしひしと伝わってきますよね。
「梅が香」は何月頃の季語?
「梅が香」は俳句を作るうえで「春」の季語となっています。
春の中でも初め頃である「初春」を表現する際に使われる季語なんですよ。
初春の季語である「梅」の子季語として「梅が香」があり、同じ子季語には「好文木」「花の兄」「匂草」など草花にまつわる言葉がたくさんあります。
時期としては梅の花が2月から3月にかけて開花のピークを迎えるため、「梅が香」も2月から3月にかけて使われる季語です。
「梅が香」ってどんな香り?
梅の花の香りと言われてもあまりピンとこないという人も多いのではないでしょうか。
梅の花はジャスミンの花に似た、どこかフローラルな印象も感じさせる甘い香りが特徴的です。
甘い中にも華やかさを感じる事が出来る香りであり、「良い香り」という意味の「馥郁(ふくいく)」という言葉でも称されています。
「梅が香」を使った俳句
さむくとも梅か香くはる風のむき
(さむくとも うめがかくはる かぜのむき)
正岡子規
梅が香にのつと日の出る山路哉
(うめがかに のつとひのでる やまじかな)
松尾芭蕉
梅が香の脈々として伝はれり
(うめがかの みゃくみゃくとして つたわれり)
高浜虚子
梅が香に麦の出来をぞ祈るかな
(うめがかに むぎのできをぞ いのるかな)
野村喜舟
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。