言葉の意味と使い方

「うる覚え」と「うろ覚え」どっちが正しい?語源は?方言によって変わる?

「うる覚え」と「うろ覚え」どっちが正しい?語源は?方言によって変わる?

「うろ覚えだけど……」

日常的な会話の中でもよく使われているこの「うろ覚え」という言葉。

「うる覚え」という人も多いようです。

「うろ覚え」と「うる覚え」は同じ意味なのでしょうか?

それともどちらかが間違いなのでしょうか?

方言だと聞いたけれど……?

など、身近な言葉なだけにはっきりと正しい使い方を自信を持って説明できる人は少ないのではないでしょうか。

今回は、「うる覚え」と「うろ覚え」どっちが正しい?語源は?方言によって変わる?についてご説明いたします!

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「うる覚え」と「うろ覚え」どっちが正しい?

「うる覚え」と「うろ覚え」、どちらも使っている人は普通にいますよね。

どちらが正しいのかということですが、これは「うろ覚え」が正解です。

「うろ覚え」が、「うろ」と文字や音が似ている「うる」と混同され、置き換わって「うる覚え」が生じたのではないかと言われています。

SNSやネットの書き込みなど、いわゆるネットスラングとしてはあえて「うる覚え」と書かれていることもあるようです。

これは例えば「雰囲気」を「ふんいき」ではなくあえて「ふいんき」とちょっとふざけて書くような感じで、あくまでも誤記であることを承知で使うということです。

「うろ」より「うる」の方が発音しやすかったり、語呂が良いと感じたりすることがあるためかもしれませんね。

結論としては、正しくは「うろ覚え」ですから、ビジネスシーンはもちろん、人前で使うときは話し言葉も書き言葉も「うろ覚え」とするのが正しいということです。

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方言によって変わる?

「うる覚え」ではなく「うろ覚え」が正しい日本語です。

とはいえ、「うる覚え」はなまり、方言なんじゃないの?と思う人も多いようです。

実際に、「うる覚え」は茨城県の一部地域で使われる方言だとも言われています。

茨城県の人であれば「うる覚え」と言っても通じるのでしょうね。

ですが、やはり茨城県以外では「うる覚え」は間違いですし、茨城弁の「うる覚え」だって「うろ覚え」がなまったものが定着したと思われます。

ですから、よほどその地域の人同士で集まって話す時など以外はやはり正しい「うろ覚え」を使うのがよいでしょう。

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「うろ覚え」の意味

「うろ覚え」は「不確実な記憶」という意味です。

「うろおぼえ」と読みます。

ある事柄について、覚えているけれどその内容が曖昧だとか、なんとなくぼんやりと覚えてはいる、などということを表します。

あるいは、そのような状態で発言することも「うろ覚え」と言います。

記憶が曖昧で、確かではない時に「うろ覚え」と言います。

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「うろ覚え」の語源

中が空洞の木

さて、「うろ覚え」の「うろ」とは何でしょうか。

実は「うろ」という言葉があるんです。

「うろ」は、「空」「虚」「洞」などの字を書き、「内部が空になっているところ」を指します。

古木の幹にぽっかり穴が空いているのを「木のうろ」などと言います。

この「うろ」が「うろ覚え」の語源で、空洞というところから「ぼんやりと覚えている」という意味になったのです。

あるいは、「うろん」が語源であるという説もあります。

「うろん」は「胡乱」と書き、「確かでなくあやしいこと」という意味です。

怪しく疑わしい感じで覚えているということから「うろ覚え」、というわけです。

一般的には「うろ」が語源であると言われています。

「うろ覚え」の使い方

「うろ覚え」はある事柄についての記憶が確かでないこと、曖昧であることを指す言葉です。

ですので、そのような「知っていたはずだが正確には思い出せない」「詳しくは覚えていないけれどなんとなく覚えている」という時に使います。

ぼんやり覚えていることですから、もともと知らないことや聞いたり見たりしたことがないものについては使いません。

【例文】

  1. うろ覚えですが、確かあの人は○○さんの友人ではありませんか?
  2. この曲は知っているが、歌詞はうろ覚えだから歌う自信がない。
  3. 『カラマーゾフの兄弟』は、かなり前に読んだので内容はうろ覚えだ。
  4. うろ覚えで申し訳ありませんが、確かこの辺りに公衆電話があったと思います。
  5. うろ覚えの住所を頼りに彼を訪ねてみることにした。
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「うろ覚え」の類義語

「うろ覚え」の類義語には次のようなものがあります。

  • そら覚え(確かでない記憶)
  • 生覚え(記憶が確かでないこと)
  • おろ覚え(ぼんやりした記憶)
  • おぼろげな記憶(ぼんやりした記憶)
  • 記憶が曖昧(記憶がはっきりしない)
  • あやふや(はっきりせず不確か)

「うろ覚え」の対義語

「うろ覚え」の対義語は特にありません。

  • はっきり覚えている
  • しっかり記憶している
  • 明確な記憶
  • 脳裏に刻まれている

などといった言い回しで、よく記憶に残っているさまを表すことができますね。

まとめ

「うろ覚え」は、不確実な記憶、ぼんやりと覚えていることを表す言葉でした。

「うる覚え」だと思っていた人も多いかもしれません。

正しい「うろ覚え」という言葉と、使い方をしっかり覚えておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。