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季語としても使われている「薄雪」ですが、言葉自体の意味をご存じでしょうか。
今回は「薄雪」について意味や読み方など基本的な事からしっかりとご説明していきます。
「薄雪」はいつの季語なのか、という事はもちろん、「薄雪」を使った俳句もご紹介いたします。
「薄雪」の意味と読み方
「薄雪」とは、外気温が高くなった冬の終わりごろに薄く降り積もっている雪を指す言葉です。
気温が高いのですぐに溶けてしまいますが、うっすらと春先に積もっている雪を表現する日本ならではの美しく繊細な言葉ですね。
「薄雪」は「うすゆき」と読みます。
季語としての言葉以外にも薄雪饅頭や薄雪せんべいなど、お菓子の名前にも使われているので一度は聞いたことがあるという方も多いかもしれません。
「薄雪」はいつの季語?
「雪」という言葉が使われているので冬の季語だと思いがちですが、実は「春
」の季語なんです。
俳句で使う際には春の情景を思い浮かべるような言葉と一緒に使うのがおすすめです。
「薄雪」と「新雪」の違い
「新雪」はその冬に積もったばかりのきらきらした雪を表現する言葉であり「薄雪」とは情景こそ似ていますが全く異なる言葉となります。
「薄雪」は冬の終わりごろ、雪解けも進む中で薄く積もる雪を表現しているので、初冬と晩冬・初春で時期が異なっています。
もちろん季語としても「新雪」は冬の季語であり、「薄雪」は春の季語なんですよ。
「薄雪草」とは
同じ「薄雪」という言葉が使われていますが、実はこの「薄雪草」は春の季語ではなく7月の季語です。
薄雪草はアジアやヨーロッパを原産とする植物で、日本には10種類近くの仲間が育っていると言われています。
高山植物の一種であり、あまり人目につかないことからあまり季語としては使われておらず、俳句や短歌に使われる事もほとんどないんですよ。
ヨーロッパでは「エーデルワイス」と呼ばれる種類の薄雪草があり、この名前は歌の名前としても聞きなじみがありますよね。
「薄雪」を使った俳句
薄雪の狐の痕や厚氷
(うすゆきの きつねのあとや あつごおり)
会津八一
薄雪のやがて跡なし宵の雛
(うすゆきの やがてあとなし よいのひな)
林原耒井
薄雪の笹にすがりて雫かな
(うすゆきの ささにすがりて しずくかな)
成美
まとめ
雪を表現する言葉だけでも数多くあり、日本人の表現力の高さと感受性の高さが垣間見えますね。
春の訪れを喜びながらもどこかで冬が去ってしまう名残惜しい気持ちを抱いているという、とても繊細な表現が特徴的な言葉です。
漢字を見るだけで雪がどのような状況かわかりやすい言葉でもありますので、ぜひ使ってみてはいかがでしょうか。