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「山眠る」という季語をご存じでしょうか。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「山眠る」について解説していきます。
「山眠る」について意味はもちろん、いつの季語なの?「山笑う」との違いは?といった疑問にもお答えしていきます。
「山眠る」を使った俳句もご紹介いたします。
「山眠る」の意味と読み方
「山眠る」とは冬ならではの情景を表現した言葉の1つです。
大きくそびえる「山」を擬人化した上で、雪に覆われ生き物の声も少なくなる冬の山が「眠っている」と表現したものが「山眠る」なんですね。
読み方は「やまねむる」です。
冬の「山眠る」だけではなく、四季それぞれの表現があり夏には「山滴る」、秋には「山粧ふ」などがあるんですよ。
これは元々中国の画論に描かれた「冬山惨淡として眠るがごとく」という文章が由来となっています。
「山眠る」はいつの季語?
「山眠る」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。
初冬や仲冬などの時期に関係なく、季節が冬であるという事を表現する際に使える「三冬」の季語です。
子季語には「眠る山」があります。
「山眠る」と「山笑う」の違い
山を擬人化した表現という点では同じですが、対象となる季節が全く異なります。
「山眠る」が冬の山を表現しているのに対し、「山笑う」は新芽や若葉など新しい命が芽吹き始めて少しずつにぎやかかつ華やかになってきた「春の山」を表現しています。
眠っていた動物や虫達も起き始め、その賑やかさに山が喜び笑っているように見えるという美しい表現なんですよ。
「山眠る」を使った俳句
山眠る中に貴船の鳥居かな
(やまねむる なかにきせんの とりいかな)
高浜虚子
山眠る大和の国に来て泊る
(やまねむる やまとのくにに きてとまる)
山口青邨
山眠る温泉のまちの人やさし
(やまねむる おんせんのまちの ひとやさし)
上村占魚
よく焼けしうなぎの肝や山眠る
(よくやけし うなぎのきもや やまねむる)
久保田万太郎
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。