言葉の意味と使い方

「よしなに」の意味や使い方!方言?ビジネスでは失礼?返し方はなんて言う?|例文

「よしなに」の意味や使い方!方言?ビジネスでは失礼?返し方はなんて言う?|例文

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「どうぞよしなに」

このような「よしなに」という言葉、使ったり見聞きしたりしたことはありますか?

若い人はあまり使わないかもしれませんが、昔から挨拶やお願いをするときなどによく使われている言葉です。

ぜひ意味や使い方を確認しておきましょう。

今回は、「よしなに」の意味や使い方!方言?ビジネスでは失礼?返し方はなんて言う?|例文についてご説明いたします!

「よしなに」の意味

「よしなに」は「よろしく」「よい具合になるように」という意味です。

漢字はなく、ひらがなで書きます。

もともと中国語などではなく、日本特有の大和言葉です。

よろしく、適切に、よいように、ということをやわらかく表せる言葉です。

「よしなに」の語源

「よしなに」の語源は古事記・日本神話に基づいていると言われています。

女神・木花佐久夜毘売(このはなさくやひめ)が三つ子を出産した際に、赤ん坊のへその緒を4人の信濃の県主が祀らせてほしいと申し出ました。

3つのへその緒を4人で分けるということになるので、もめないように、よいように取り計らってほしいという指示を出したことが由来とされています。

「4人の信濃に」→「よしなに」ということなんですね。

「よしなに」の使い方

「よしなに」は「よいように」「よい具合になるように」などという意味を表して使います。

今で言う「いい感じに」といったところでしょうか。

大和言葉が語源なので柔らかいイメージになり、古風・上品な印象の言葉ですので日常の生活で依頼や挨拶の言葉としてよく使われています。

  • よしなにお願いします(よい具合にお願いします)
  • よしなにお伝えください(よろしくお伝えください)
  • どうぞよしなに(よろしくお願いします)
  • よしなに頼む(よろしく頼む)

などと使います。

「よしなに」だけでは敬語ではありません。

「よしなに」でよい場合もありますが、目上の人などに丁寧に伝えたい時は「よしなにお願いいたします」などと敬語を加えて使いましょう。

「よしなに」の例文

  1. それでは、例の件はよしなにお願いいたします。
  2. 田中様によしなにお伝えください。
  3. これも何かのご縁ですので、今後ともよしなにお願います。
  4. こちらで準備は整えましたので、あとはよしなに。
  5. 鈴木と申します。どうぞよしなに。
  6. 私はあすから出張に出るけれど、よしなに頼むよ。

「よしなに」は方言?

「よしなに」は方言ではないかと言われることもあるようです。

しかし、「よしなに」は方言ではありません。

元々宮中などに使える女房が使っていた大和言葉に由来しますので、京都などの関西圏の言葉ではないかと思われることが多いようです。

ですが、特に京都弁などではなく江戸の草子や浄瑠璃のような文化でも使われてきた言葉で全国共通です。

ビジネスでは失礼?

「よしなに」はビジネスシーンに適さないというイメージもあるようです。

しかし、「よしなに」は特にビジネスシーンで失礼になる言葉ではありません。

「よしなにお願いいたします」「よしなにお伝えください」など、敬語を補って使うことで丁寧な印象になります。

ただし、ビジネスシーンで使うには注意が必要です。

「よしなに」は「よい具合に」ということなので、曖昧な言葉です。

「よしなにお願いします」などと言われても、「○○をしてください」と具体的に言われているわけではないので、誤解が生じる可能性もあります。

挨拶、社交としては上品なイメージで使いやすい言葉ですが、ビジネスなどにおいて曖昧では困るような場面では誤解を招かないように気をつけましょう

返し方はなんて言う?

「よしなに」と相手に言われたら、なんと答えればよいでしょうか。

「はい」ではそっけないですよね(笑)。

1、「どうぞよしなに」などと挨拶された場合

  • 「こちらこそ、よろしくお願いします」

3、「よしなにお願いします」などと依頼された場合

  • 「かしこまりました」
  • 「承知いたしました」

シンプルですが、「よろしくお願いします」などと言われているのと意味は同じなので、こうした返事でよいでしょう。

「よしなに」の類義語

「よしなに」の類義語には次のようなものがあります。

  • 適宜(状況によく合っていること)
  • 適切(よく当てはまってふさわしいこと)
  • 適当(ちょうどよく合う)
  • 好適(ふさわしいこと。好都合)
  • しかるべく(適切に。いいように)
  • よろしく(適当に。ほどよく)

まとめ

「よしなに」は「よろしく」「よい具合になるように」という意味です。

「どうぞよしなに」「よしなに頼む」などと使い、「よろしくお願いします」といった意味を表します。

挨拶や依頼の場面でよく使われます。

ただし、曖昧な表現なのでビジネスシーンなどで使う場合は、誤解を招くような場面では避けるなど使い方に気をつけましょう。

やわらかく上品な印象の言葉ではありますので、挨拶などでうまく使ってみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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