言葉の意味と使い方

「暫定的」の意味と使い方!「一時的」との違いは?【類義語・対義語】 

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「暫定的に営業を再開する」

「暫定的な見解を示した」

このような使われ方をする「暫定的」という言葉があります。

ビジネスシーンやニュースではしばしば見聞きすることがありますが、日常の気軽な会話の中では使わないような言葉ですね。

意味や使い方、もしかしたら読み方もわからないという人もいるかもしれません。

この「暫定的」という言葉は「一時的」という言葉と似ていて、同じように使われることがあります。

「一時的」の方がなじみのある言葉かと思います。

ですが、この二つは似ているけれど意味の違いがあるんです。

ぜひこの機会に確認しておきましょう。

今回は、「暫定的」の意味と使い方!「一時的」との違いは?【類義語・対義語】についてご説明いたします!

「暫定的」の意味

「暫定的」は「確定するまでの間、一時的にそうしておくさま」と言う意味です。

「ざんていてき」と読みます。

「暫定」は「正式に決定するまでに、仮に定めること」という意味です。

「暫」は音読みでは「ザン」、訓読みでは「しばら(く)」「しば(し)」と読みます。

意味も訓読み通り、「しばらく」や「仮に。仮の」といった意味になります。

「定」は「定める」ですよね。

ですから「暫定」は「仮に」「定める」ということで、きちんと最終的に物事が決まるまでの間、仮にそうしておくという意味になるわけです。

「的」は「○○的」と言う風に名詞につけて、「そのような性質を持ったもの」「そのような様子の」といった意味を付加する接尾語ですね。

まとめると「暫定的」は「正式に決まるまでの間仮にそうしておくようなさま」ということになるわけです。

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「暫定的」の使い方

「暫定的」は「一時的な措置」「仮に定めておく」というような意味で使います。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【例文】

  1. 彼の下にいた新人が辞めてしまったので、暫定的に業務を引き継いだ。
  2. 店舗の老朽化による建て替えのため、暫定的にプレハブを立てて営業している。
  3. 新規プロジェクトを立ち上げることになったが、まだメンバーは暫定的です。
  4. JR西日本は、○○線の不通区間の運転を暫定的に再開すると発表した。

「一時的」との違いは?

さて、「暫定的」は「確定するまでの間の一時的な措置」という意味だということでした。

では、「暫定的」と「一時的」とは同じなのでしょうか?

実は「暫定的」と「一時的」には少し違いがあります。

「一時的」は「その場限り、しばらくの間だけであるさま」と言う意味です。

「いちじてき」と読みます。

この二つの違いは、

  • 「暫定的」は「正式に決まるまでの間、仮の判断でそうしておくこと」
  • 「一時的」は「しばらくの間だけで長く続かないこと」

となります。

つまり、「暫定」は後で正式なものに置き換えるが、それまでの間仮に決めておくと言うことです。

「暫」と「定」の文字通り、「仮に定めておく」という意味が強調された言葉です。

仮にそうしておく期間は決まっていなくて、また、暫定的に決めておいたことが、そのまま正式決定になることもあります。

一方、「一時的」はそのまま「少しの間そうしておく」という短い時間の方に重点を置いた言葉です。

少しの時間そうしておいて、その後変化、変更があるということを表します。

同じように使われることも多い「暫定的」と「一時的」ですが、このようなニュアンスの違いがあるわけです。

【例文】

  1. 今日は良いスコアを出したので暫定的にトップに立った。(最終的な順位は決まっていないが今はトップ)
  2. 会長が亡くなり、暫定的に現社長が兼任することになった。(正式決定までの間社長が兼任する)
  3. この薬品を入れると発泡することがありますが、一時的な現象です。(発泡するが少ししたらおさまる)
  4. サーバートラブルにより、一時的に当サイトへのアクセスがしづらい状況が発生しておりました。(少しの間アクセスしづらかったが元に戻った)
  5. 一時的な怒りにまかせて行動するのは良くない。(少し経ったら怒りがおさまる)

1、2番目の例文は、正式に決まるまでの間の仮の判断という意味の「暫定的」の例文です。

3、4、5番目の例文は、少しの時間だけそうなるという意味の「一時的」の例文です。

例えばこの例文で「一時的」の代わりに「暫定的」を入れると「暫定的な現象」「暫定的な怒り」など、おかしくなるということがわかると思います。

二つの言葉の違いを確認しておいてくださいね。

「暫定的」の類義語

「暫定的」の類義語には次のようなものがあります。

  • 一時的
  • 仮の(本来のものではないこと、間に合わせであること)
  • 当座の(さしあたり。その場限りの)
  • 当面の(さしあたり)
  • 暫時の(しばらくの間の)
  • 短期的(短い期間の)
  • とりあえず(ほかのことはさしおいて)
  • 試験的(試しに行ってみるさま)
  • 臨時(一時的であること)

どれも一時的のような意味の言葉ですが、それぞれに意味合いや細かいニュアンスが違ってきますよね。

場面に応じて適切な言葉を選べるように、いくつか覚えておくと良いでしょう。

「暫定的」の対義語

「暫定的」の対義語には次のようなものがあります。

  • 恒常的(変化がなく常に一定であるさま)
  • 恒久的(いつまでもその状態が続くさま)

まとめ

「暫定的」は確定するまでの間仮にそうしておくということでしたね。

「一時的」や「しばらく」といった言葉と同じように使っていた人も多いかもしれません。

「暫定的」はほぼ決まりかけているようなことにも使いますが、「仮の」というニュアンスが強い言葉であることを意識して使い分けてみましょう。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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