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「座視」という言葉をご存知でしょうか。
あまり日常会話では使わないかもしれませんね。
ですが、新聞やニュース記事などの文章中ではよく使われています。
「座視」とはどのような意味なのか、また「傍観」との違いなどについても調べて見ました。
今回は、「座視」の意味と使い方!「傍観」との違いは?|類義語・対義語・例文についてご説明いたします!
「座視」の意味
「座視」は「黙って見ているだけで、手出しをしないこと」という意味です。
「ざし」と読みます。
「坐視」と表記することもあります。
「座」は「座る」という身近な漢字ですよね。
これは「坐」の書きかえ字でもあり、「坐」と同じ意味を表すということになります。
「坐」には「すわる」のほか、「いながら。何もしないで」「なんとなく」「巻き添え」「いる、ある、いくなどの尊敬語」といった意味があります。
ここは「何もしないで」ということですね。
「視」は「見る」「みなす」といった意味です。
「座視」は、黙って見ている、手出ししないで見ているということを表します。
>>「静観」の意味と使い方!静観に徹する・静観の構えとは?|類義語・対義語
「座視」の使い方
「座視」は、黙って見ているだけでそのことに関係しようとしないことを表して使います。
「座視する」というのが基本的な形で、色々と変化して
- 「座視している」
- 「座視するわけにいかない」
- 「座視するに忍びない(座視しているのが耐えられない)」
などと使います。
「黙って何もしないで見ている」という意味で、あるいは否定形を伴って「何もしないで見ていることはできない」という意味で使われます。
かたい印象の言葉ですので、気軽な日常会話よりは文章中やニュース、新聞、ビジネスシーンといった場面で使われます。
「何もしないでただ見ているだけだ」という批判的な意味で使われることも多いですが、特に悪い意味の言葉ではありませんので、色々な文脈で使えます。
「座視」の例文
- 彼は騒動の間中ただ座視していた。
- 我々が座視しているだけではさらに被害者が増えてしまう。
- こんな卑劣な企みを知って座視しているわけにはいかない。
- 彼が危機に陥っているのを座視するに忍びない。
- 彼女が過ちを犯そうとするのを座視していることはできなかった。
「座視が高い」とは?
「座視」の使い方の一つとして、時々「座視が高い」という言葉を使っている人がいるようです。
この、「座視が高い」は誤用です。
「視座が高い」の間違いです。
「視座」は「物事を認識するときの立場」という意味です。
「視座が高い」は高い立場から物事を見るということになります。
より上の立場の人の目線で物事を捉える、より長期的に広い視野で物事を見るといったことを「視座が高い」と表し、ビジネスシーンやニュースで非常によく用いられる言葉です。
この「視座が高い」と間違えて「座視が高い」と言ってしまっているのでしょう。
「座視」は黙って見ているということなので、それが「高い」というのは意味が通りませんよね。
「座視が高い」は間違いなので、気をつけましょう。
「傍観」との違いは?
「座視」は何もしないで見ていることですね。
非常に似ている言葉に「傍観」があります。
「傍観」も、何もしないで見ている時に使われる言葉ですので同じように思えます。
>>「傍観する」「傍観者」の意味とは?「傍観」の使い方|類義語・対義語
この「座視」と「傍観」のそれぞれの意味は次のようになります。
- 「座視」は「黙って見ているだけで、そのことに関係しようとはしないこと」
- 「傍観」は「第三者として手を出さずにただそばで見ていること」
ほぼ同じ意味と言ってよいでしょう。
漢字の意味を考えると、
「座(坐)」は「なにもしないで」
「傍」は「かたわら。わき。そば」
という意味がありますので、「座視」は「何もしない」こと、「傍観」は「そばで見ている」ことを強調していると言えるでしょう。
このように、ニュアンスの違いはありますがほぼ同じ意味であり、「座視」と「傍観」は類義語関係であると言えます。
「座視」の類義語
「座視」の類義語には次のようなものがあります。
- 傍観(手を出さずにただそばで見ていること)
- 静観(成り行きを静かに見守ること)
- 黙視(黙って見守ること)
- 拱手傍観(何も手を下さないで脇で眺めていること)
- 手をこまねく(何もしないで傍観している)
- 高みの見物(第三者として傍観の姿勢をとること)
「座視」の対義語
「座視」の対義語には次のようなものがあります。
- 関与(そのことに関わりを持つこと)
- 干渉(他人のことに立ち入って自分の意思に従わせようとすること)
- 介入(事件・問題などに割り込むこと)
まとめ
「座視」は「黙って見ているだけで、手出しをしないこと」という意味です。
余計な手出しや口出しをせずに見守る。
自分では何もせずに見ているだけ。
良い意味でも悪い意味でも使われることがありますので、前後の文脈にも気をつけて解釈してくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!