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「このままでは共倒れだ」とか、「共倒れにならないようにしよう」といった言い回しを見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
「共倒れ」とはどのようなことを表すのか、意味や使い方を確認しておきましょう。
今回は、「共倒れ」の意味や使い方と言い換え表現は?「総倒れ」は?|例文についてご説明いたします!
「共倒れ」の意味
「共倒れ」は「互いに競争し合ったり助け合ったりした結果、両者が共に成り立たなくなること」です。
「ともだおれ」と読みます。
「共に倒れる」と書きますね。
「共倒れ」は相手と共に立ちいかなくなるさまを表す言葉で、競争や相互補助を行った結果、かえって互いにダメになってしまったという状況を表します。
「共倒れ」の使い方
「共倒れ」は、競争や助け合いの結果、両者がともに成り立たなくなるという意味で使います。
ビジネスシーンであれば、同業者が増えて客の取り合いになる、値下げ競争をするなどの結果、どちらの会社も経営が成り立たなくなってしまったというような場合によく用いられます。
ビジネス以外にも、家族の介護で介護者の方も体調を崩してしまうなど、個人と個人がお互いに倒れてしまうという意味で使うこともあります。
また、選挙の時に同じ選挙区で複数の候補が競合して票の取り合いになり「共倒れ」になる、などの使い方もします。
個人同士でも、組織や会社同士でも、「競争や助け合いの結果、どちらもダメになる」という意味で広く使える言葉です。
「総倒れ」は?
「共倒れ」に似た言葉の「総倒れ」という言葉が使われていることがあります。
家族全員がコロナやインフルで「一家総倒れ」になるとか、ある業界全体が「総倒れ」になるといった、「みんながだめになる」という文脈で日常やネット記事などでもよく使われています。
ですが、この「総倒れ」自体は、辞書などに載っている言葉ではありません。
「総崩れ(全体が崩れること。隊形や陣形が完全に崩れること。また試合などで全員が敗れること)」と「共倒れ」が合わさったような造語だと思われます。
しかしながら、「総」は「すべて」という意味がありますので、「総倒れ」で「すべて倒れる」「全員倒れる」という意味で通ります。
「総倒れ」は正式な言葉ではありませんが、「全員が倒れる」「すべてが立ち行かなくなる」という意味の俗語として定着しています。
オフィシャルな場では「共倒れ」や「総崩れ」といった言葉を使う方がよいですが、普段の会話などでは「総倒れ」も使うことができるでしょう。
【例文】
- 子供が学校でインフルエンザに感染して、あっという間に家族総倒れになってしまった。
- 一家総倒れを防ぐため感染症対策は完璧に行っている。
- 原料費の高騰でこの業界も総倒れになってしまう。
「共倒れ」の例文
- 老老介護は共倒れになってしまうリスクが高い。
- 人助けはいいことだが、無理をすると共倒れになってしまう。
- 同業者同士で客を取り合って共倒れになってしまった。
- この選挙区では野党広報が乱立し、共倒れの懸念がある。
- このまま競合店と価格競争を続けていては共倒れになる。
「共倒れ」の言い換え表現
- 相打ち(双方が同時に相手をうつこと。勝ち負けのないこと)
- 道連れ(一緒に行動させること。同じ道を取らせること)
- 心中(男女などが一緒に死ぬこと。ある仕事や団体などと運命を共にすること)
- 刺し違える(互いに刃物で差し合う。自分を犠牲にして相手に損害を与えること)
- 一蓮托生(結果の良し悪しにかかわらず行動・運命を共にすること)
まとめ
「共倒れ」は「互いに競争し合ったり助け合ったりした結果、両者が共に成り立たなくなること」です。
複数の存在が競争し合い、または相互に助け合い、その結果双方が望ましくない状況に陥ってしまうということです。
介護などでどちらの人も体調が悪くなって「共倒れ」になる、同業他社間で競争しあった結果どちらも経営難に陥って「共倒れ」になるといった使い方をします。
日常からビジネスシーン、ニュースなどさまざまな場面で使う言葉ですので、ぜひ覚えておいてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!