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「満点とは言い難いが、まあこれだけできていれば御の字だよ」
「たいした利益は出なかったが、損しなかっただけ御の字だ」
このような使い方でよく聞く「御の字」という言葉。
若者が使うにはちょっと古臭いような気もしますが、年配の方などはよく使う言葉ですよね。
仕事をしている上で見聞きすることもあるでしょう。
ですが、このような「御の字」の使い方、実は誤用だということをご存知ですか?
「御の字」という言葉は、過半数の人が間違った使い方をしているんです。
ぜひ正しい意味を知っておきましょう。
今回は、「御の字」の本来の意味と使い方は?由来も確認しよう!についてご説明いたします!
「御の字」の意味
「御の字」は「非常に結構なこと。十分満足できること」「最上のもの」という意味です。
「御」は敬意を表す接頭語ですね。
「御○○」というように言葉の頭につけて、丁寧な言い方にします。
その「御」という字をつけるほどすばらしいもの、ありがたいものであるということで、「御の字」は「非常によい」意味を表すわけです。
「御の字」の誤用
さて、冒頭であげた例文は、「御の字」を「満足ではないが、まあまあ一応納得できる」という意味で使っています。
文化庁が平成20年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、このような「一応満足できる」という意味で「御の字」を理解している人が51.4%、本来の「非常に満足」という意味で理解している人が38.5%でした。
誤用が本来の意味を大きく上回っています。
また、10代から60代の全年代において「満足ではないけれど一応納得できる」という意味で捉えている人の方が多かったのです。
誤解している人が本当に多い言葉なので、ぜひ使い方には気を付けましょう。
「御の字」の使い方
「御の字」は使い方に注意が必要な言葉でした。
例えば、「損失が出なくて御の字だ」という場合、「思っていたような利益は出なかったが、まあ損失が出なかっただけマシなのでそれでよしとしよう」というような、欲求不満な意味を含んだ使い方であれば不適切です。
「損失が出ても仕方ないと覚悟していたが、結果的に損失は出なかったので大いに満足だ」という意味であれば正しい使い方です。
「満足ではないが、納得はできる」という意味ではなく、「とても満足」「非常にありがたい」「すばらしいと思う」というような意味の時に使うようにしましょう。
「御の字」の例文
- こんなにたくさんの注文がもらえるなんて御の字です。(たくさん注文がもらえて大変ありがたい)
- 今月中に仕上げていただけると御の字です。(今月中に仕上げていただけると申し分ない)
- あの低予算でこの出来栄えなら御の字だ。(この出来栄えなら非常にすばらしい)
「御の字」の由来
「御の字」の由来は、先に述べた通り「御」をつけたくなるほどありがたい、というところにあります。
「御の字だ」ということで、「御という字をつけたくなるほどありがたい、すばらしい、満足だ」という意味になるわけです。
この「御の字」という言葉は、江戸時代初期の遊里が発祥です。
遊里の言葉、いわゆる「廓言葉(くるわことば)」には有名なものがいろいろあります。
例えば遊女が自分のことを「わちき」と言ったり、語尾を「~でありんす」と言ったりするのを映画やテレビで聞いたことがあるのではないでしょうか。
「野暮」とか「冷やかし」、「モテる」なども元は廓言葉だそうです。
「御の字」というのも遊女たちが使った隠語、符丁のようなもので、ありがたいお客さんのことを「御の字」と言ったりしていたそうです。
自分を大切にしてくれる客、お金をたくさん払ってくれる客などは「御」の字をつけたいほどありがたいものだ、ということですね。
このような由来を知ると、「御の字」はありがたいことや満足なことに使う、ということがわかりやすいですね。
まとめ
「御の字」は「とても満足」「最上のもの」という意味で使う言葉でした。
半数以上の人が間違った使い方をしているわけですが、「満足ではないがまあまあだ」というようなネガティブな意味は含まないので注意しましょう。
当然だと思って使っている言葉も、改めて調べてみると間違っているということもあるんですね。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!