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言葉の意味と使い方

「的を射る」の意味とは?「的を得る」は誤用ではなかった!【例文】

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「彼の言葉は的を射ている」

このような使い方をする「的を射る」という言葉があります。

いろいろなシーンで見聞きする言葉ですが、「的を得る」とも言いますよね。

「的を射る」「的を得る」、どちらが正しいのでしょうか?

「的を得る」は誤用であるという人も多いのですが、本当に間違った使い方なのでしょうか?
ぜひ確認しておきましょう。

今回は「的を射る」の意味とは?「的を得る」は誤用ではなかった!【例文】についてご説明いたします!

「的を射る」の意味

「的を射る」は「うまく要点をつかむ」という意味です。

「まとをいる」と読みます。

「的を射る」は文字通りに解釈すると、弓矢で的を射る、つまりうまく的に当てるという意味ですよね。

「うまく目標に当てる」というところから、転じて「うまく要点をつかむ」という意味になりました。

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「的を得る」は誤用ではなかった!

「的を射る」ではなく、「的を得る」という言葉もよく見聞きします。

「当を得る」(道理にかなっている)と混同しているのか、あるいは「的を射る」よりも「的を得る」のほうが発音しやすいからかもしれません。

文化庁が発表した「国語に関する世論調査」でも、平成15年度調査では54.3パーセント、平成24年調査では40.8パーセントの人が「的を得る」を使っているとわかりました。

このように「的を得る」はかなり一般的に使われている言葉なのですが、これは「的を射る」の誤用ではないか?と言われています。

弓矢の「的」は、的に対して「射る」ものであって、的自体を「得る」ものではないので、「的を得る」は誤用である、というわけです。

ですが、「的を得る」は誤用というわけではないのです。

もともと『三省堂国語辞典』で「的を得る」は誤用であり、正しくは「的を射る」であると記載されたことで、「的を得る」は誤用であるという説が広まりました。

しかし、近年発売された『三省堂国語辞典第七版』では「的を得る」が誤用であるとしたことを撤回し、「的を得る」も正しい用法であると認める記述が載りました。

「得る」には「要領を得る」のように「うまく捉える」の意味もあるからだということです。

そういうわけで、近頃では「的を得る」は間違いではないという見方が一般的になりつつあります。

「的を射る」の使い方

「的を射る」(もしくは「的を得る」)は「うまく要点をつかむ」という意味でした。

使う場面としては、会議などで意見がまとまらない中、誰もが納得するようないいアイディアが出された時などが考えられます。

もちろん他にもいろいろな場面で使うことができますが、物事の本質を見抜くような鋭い発言や行動について使うわけです。

例文で使い方を確認しておきましょう。

【例文】

  1. 彼の発言は的を射ていた。
  2. 彼女の的を射た意見にみんなが頷いた。
  3. 先生のおっしゃることはいつも的を射ている。
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「的を射る」の語源

「的を射る」の語源について考えてみたいと思います。

と言っても、普通に考えると「的を射る」は弓矢で的を射るということから「物事の本質を射抜く」というようなイメージで現在の使い方になった、ということになると思います。

ですが、「的を射る」の語源は「正鵠を得る」であるとする説もあります。

「正鵠を得る(せいこくをえる)」とは「物事の要点などをうまく捉える」という意味です。

「正」も「鵠」も的の中心の点という意味があり、的の中心という意味から「正鵠」は物事の要点、核心といった意味になりました。

明治時代頃に「物事の核心を捉える」という意味で「正鵠を得る」という言い回しが生まれ、そこから派生して昭和頃に「正鵠を射る」という言い方が生まれたそうです。

この「正鵠を得る→正鵠を射る」が「的を射る」の元になったという説です。

こう考えると「的を得る」は誤用ではなく、むしろ元の形に近いということになりますよね。

このように「的を射る」の語源についてはいくつかの説があり、どれが正しいとは言い切れません。

いろいろ調べてみても面白いかもしれませんね。

まとめ

「的を射る」は弓矢で的のど真ん中をズバッと打ち抜くような、スカッとわかりやすい言葉……かと思いきや、意外と謎めいた言葉でしたね。

的を「射る」と「得る」どちらが正しいのか?また語源は?など、いろいろな議論がなされている言葉です。

普段よく見聞きする言葉にもこのような謎があるということを知って、日本語の奥の深さを再認識できたかと思います。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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