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「あらわになる」という言葉があります。
何かがむき出しになって見えるときにも使いますし、「怒りがあらわになる」のような形のないものにも使いますよね。
この「あらわになる」には「露わになる/顕になる」という二つの漢字があります。
どういう場合にどちらの字を使うのか、使い分けに悩んでしまいますね。
この機会に確認しておきましょう。
今回は、「露わになる/顕になる」の意味と違いは?「怒りがあらわになる」はどっち?【例文つき】についてご説明いたします!
目次
「あらわになる」の意味
まず「あらわになる」は、
「平常では外から見えないものが表面にあらわれる」「今まで覆い隠されていたものがはっきりそれと知れるようになる」と言う意味です。
「露」も「顕」も、どちらも「あらわ」と読みます。
「露/顕」の意味は
- むき出しであるさま。はっきり見えるさま。
- 物事がおおやけになるさま。
- 気持ちなどを隠さずに公然と示すさま。
- はっきりしているさま。明白だ。
というものです。
つまり、「あらわになる」というのは隠れていたものがむき出しになって姿がはっきり見えるという意味でも使いますし、隠していた気持ちがみんなに知れるようになる、という形のないものについても使う言葉なのです。
「露わになる/顕になる」の違いは?
「あらわになる」には「露/顕」という二つの漢字があります。
それぞれはどう違うのでしょうか。
辞書では「露/顕」はひとくくりにされ、「あらわ」という項目で載っていると思います。
つまり「露わになる」と「顕になる」はどちらを使ってもよい、使い分けの決まりはないと言うことでよいでしょう。
また、「露わになる」は「露になる」とも表記されます。
同じ言葉としてのっているわけですが、「露/顕」の漢字の意味は違いますので、確認しておきましょう。
「露」の漢字の意味
「露」は「つゆ」という意味もありますが、「あらわす」「さらけだす」という意味もあります。
「露出」とか「露呈」「暴露」などの「露」ですね。
「顕」の漢字の意味
「顕」は「あきらか」「あらわれる」「あらわす」といった意味があります。
漢字の意味から言うと、
- 「露」は隠されていたものがさらけ出されること
- 「顕」ははっきりとあきらかになること
となります。
ここから考えて、
- 「露わになる」は隠されていたものがあらわれること
- 「顕になる」ははっきりあらわれること
と言う意味になります。
つまり、「露わになる」は平常は隠れているものが、それを覆っていたものがとりはらわれて表立って出てくるということを表します。
隠蔽された事実や抑えていた感情、地下の遺跡といった、普段は覆われているものがあらわれることを指すのです。
そして「顕になる」は今まではっきりしなかったことがはっきりとあきらかになったということを表します。
「はっきりわかるようになる」「明白になる」というニュアンスが強い言葉です。
細かくて見えにくい、暗くて見えにくいようなものがはっきり見えるようになった、というようなときにも使います。
このように、漢字の意味から考えるとニュアンスの違いがあることがわかりますね。
辞書では「露わ/顕」は同じ項目になっているわけで、「あらわになる」は「隠されていたものがはっきりする」という、「露/顕」の意味を合わせたような、両方の意味で使われているわけです。
例文
- 彼女は肌を露わにしたドレス姿で登場した。
- 彼が追求すると、次々に矛盾が露わになった。
- 彼女は今までおとなしくしていたが、ついに本性が露わになった。
- 調査の結果、問題点が顕になった。
- 今回の事件では、彼への批判が顕になることはなかった。
「怒りがあらわになる」はどっち?
「あらわになる」は、よく「怒りがあらわになる」のような使い方をします。
「怒りがあらわになる」とは「怒りの感情を隠さず外面に表れる」という意味です。
「怒りをあらわにする」という形になることが多いでしょう。
それまでは抑えていた怒りを、外から見てわかるほどあきらかに表に出すということです。
この場合の「あらわになる」は、「露わ」です。
それまで隠されていた怒りという感情が、さらけ出されるということなので、「露呈」の「露」の方を使います。
もちろん、前述したように「露わになる/顕になる」は同じ意味として辞書に載っているわけですから、「怒りを顕にする」が間違っているとする根拠はありません。
さらに、「怒りをあらわにする」とひらがなで表記されることが多いです。
ですが、漢字の意味からは「露」であること、一般的にこちらの方が使われていることを踏まえて「怒り」は漢字で書くなら「露わになる」であると覚えておくとよいでしょう。
【例文】
- あまりの不平等な対応に怒りを露わにする者もいた。
- 彼はついに怒りを露わにした。
- 彼女はでたらめな報道に対して怒りを露わにした。
他にも「敵意を露わにする」「感情を露わにする」など、「怒り」以外にも感情を「あらわにする」という使い方をします。
ですが、「感動を露わにする」「喜びを露わにする」といったいい意味ではあまり使われません。
どちらかというとその感情を「露骨に」「無遠慮に」表に出す、というニュアンスがあるので、「怒り」や「敵意」といったネガティブな感情について使われることが多い言葉です。
「露わになる/顕になる」の類義語
「露わになる/顕になる」の類義語には次のようなものがあります。
- 露出される
- 公然となる
- 顕在化する
- 暴露される
- 表面化する
- 鮮明になる
- 浮き彫りになる
- 公表される
- 出現する
- 噴出する
などなど、隠れていた事物が表に出てくる、あらわれると言う意味でたくさんの言葉がありますね。
「露わになる/顕になる」の対義語
「あらわ」の対義語は「密か」です。
「露わになる/顕になる」の反対の意味を表す言葉は
- 密かに行う
- こっそり行う
- 隠れて~する
- 秘密裏に
- ひた隠しにする
- 隠す
などが考えられます。
まとめ
「露わになる/顕になる」の意味と違いについておわかりいただけてでしょうか。
辞書を読むだけでは違いはわかりませんが、漢字の意味を考えるとニュアンスの違いが見えてきますね。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!