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「雪辱」はスポーツ関係のニュースなどでよく見聞きする言葉です。
これまで負けていたチームが勝つと「雪辱」と言ったりしますよね。
その時「雪辱を晴らす」とか「雪辱を果たす」と言います。
どちらが正しいのでしょうか?
自信を持って使えるように、きちんと確認しておきましょう。
今回は、雪辱を晴らす?果たす?「雪辱」の意味や語源と正しい使い方!についてご説明いたします!
「雪辱」の意味
「雪辱」は「前に受けた恥をそそぐこと」という意味です。
「せつじょく」と読みます。
「恥をそそぐ」と言っても少しわかりにくいかもしれませんね。
いろいろな恥のかきかたはあると思いますが、「雪辱」は、よくスポーツに関するニュースなどで出てくることがある言葉です。
特に、競技などで以前に負けたことのある相手を破って名誉を取り戻すことを指して使う言葉です。
「雪辱」の語源
「雪辱」は「雪」と「辱め(はずかしめ)」という漢字を書きますね。
「雪」は空から降る雪のことでもありますが、「雪ぐ」と書いて「そそぐ」「すすぐ」とも読みます。
「雪」は「洗い清める。すすぐ。ぬぐう」という意味でもあるのです。
「辱」は「はずかしめる。はじ」などの意味です。
「雪辱」で、「恥を洗い清める」となりますね。
漢文風に訓読すると「辱(はじ)を雪(すす)ぐ」となります。
「雪辱」は恥をそそぐことで、試合などに負けた恥を、次に勝つことによって消し去り名誉を回復するということを意味して使うようになりました。
「雪辱を晴らす」?「雪辱を果たす」?
「雪辱」は、「雪辱を晴らす」とか「雪辱を果たす」といった使い方をされることがありますね。
どちらが正しいのかな?と迷ってしまいがちですが、正解は「雪辱を果たす」です。
「雪辱を晴らす」は間違いなのです。
「雪辱」という言葉の意味を理解していれば納得がいくと思います。
「雪辱」は「恥を拭い去る」ことですね。
ですので、その「雪辱」を果たすということは、恥を拭い去って名誉を取り戻すことを「果たした」ということで、合っています。
ですが、「雪辱」を「晴らす」ということは、「恥を拭い去ること」を「晴らす(取り去る)」ということで、意味が二重になってしまいますよね。
逆の意味になって、恥を受け入れたいのかな?などと誤解されてしまいそうです。
文化庁による平成22年度「国語に関する世論調査」では、本来の言い方である「雪辱を果たす」を使う人が43.3パーセント、本来の言い方ではない「雪辱を晴らす」を使う人が43.9パーセントという結果が出ており、間違った使い方の人が非常に多いことがわかります。
これは、「屈辱を晴らす」との混同や、「恨みを晴らす」「濡れ衣を晴らす」といった「晴らす」言葉がいろいろあることからくる混乱ではないかと思われます。
テレビのインタビューなどでも間違って使われていることがあるようですが、正しくは「雪辱を果たす」ですから、きちんと覚えておきましょう。
「雪辱」の正しい使い方
「雪辱」は試合などで以前負けた相手に勝ち、名誉を取り戻すという意味です。
「雪辱を果たす」の他にも、「雪辱する」「雪辱戦」「雪辱を遂げる」などなどの使い方があり、いずれも「前に負けた相手に勝って恥や不名誉を消し去る」意味で使います。
【例文】
- 明日の試合で必ず雪辱してみせる。
- 厳しい特訓に耐え、ついに雪辱を果たした。
- 次の試合で絶対に勝ってみせる!と雪辱を誓った。
- 相手チームに5年連続で負けていたが、今年こそは雪辱を目指す。
- 前回の選挙では惨敗したが、今回の選挙はその雪辱戦である。
「雪辱」の類義語
「雪辱」の類義語には次のようなものがあります。
- 報復(仕返しをすること)
- 返礼(人から受けた礼に対して礼を返すこと。仕返しをすること)
- 復仇(かたきを討つこと。あだうち)
- 仕返し(仕返すこと。やりなおし)
- 復讐(相手からされた仕打ちを仕返しすること)
- リベンジ(復讐すること)
- リターンマッチ(プロボクシングなどで、タイトルを奪われた前チャンピオンが新チャンピオンに挑戦して行う試合。 また、一般に、雪辱戦)
- 名誉挽回(一度傷ついた名誉を取り戻すこと)
- 汚名返上(着せられた不名誉な評判を覆すこと)
「雪辱」の対義語
「雪辱」の対義語には次のようなものがあります。
- 屈辱(屈服させられ恥ずかしい思いをさせられること)
- 恥辱(体面・名誉などを傷つけること。はずかしめ)
「雪辱」が「恥をそそぐ」という意味なので、「恥をうける」意味の「屈辱」や「恥辱」などは反対の意味ということになるわけです。
「雪辱を晴らす」という使い方をする人が多かったように、「雪辱」と「屈辱」などは間違いやすいですが、意味が違っていますので気をつけましょう。
まとめ
「雪辱」は前に受けた恥をそそぎ、名誉を回復するという意味でしたね。
「屈辱」と混同しやすいですが、意味としては逆になりますので、間違った使い方をしてしまわないよう気をつけましょう。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!