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「恣意的な判断」
「選択は恣意に任せる」
このような使い方をする「恣意」という言葉があります。
ビジネスシーンやニュース、本の中などで使われるような、少し難しい言葉ですね。
意味がわからないと話題全体の意味が取りづらくなってしまいますので、困ってしまいます。
ぜひきちんと確認しておきましょう。
今回は、「恣意的」「恣意性」の意味とは?「恣意」の使い方を解説!【類義語・対義語】についてご説明いたします!
「恣意」の意味と使い方
「恣意」は「自分の思うままに振る舞う心。気ままな考え」という意味です。
「しい」と読みます。
「恣」という字は普段あまり使うことがないと思いますが、「ほしいまま」「かってきままにする」という意味を持っています。
「意」は心や気持ち、考えを表す字ですので、「恣意」は「かってきままな考え」というような意味になりますね。
「恣意」は論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさまを指す言葉です。
【例文】
- その判断は恣意に任せる。
- 民衆の恣意に任せる。
「恣意的」とは?
「恣意」は多くの場合、「恣意的」と「的」をつけて使われることが多いです。
「恣意的」は「気ままで自分勝手なさま」という意味になります。
何かを行う時に、論理的な必然性がない、理にかなっていない、という意味を表します。
人が気ままに判断したり、思いつきで行動したりする時に使う言葉で、広く色々な場面で使われます。
かたい響きの言葉なので、日常会話ではあまり使いませんが、ニュースやビジネスシーンではよく使われています。
「恣意的」自体はとくに悪い意味というわけではありませんが、ニュースなどでは「恣意的な判断」「恣意的な人事」などが問題になっているという文脈で、ネガティブな使われ方をすることが多いです。
【例文】
- 彼にはこの件について恣意的な判断を行う権利はない。
- この判断は恣意的であり、法的な根拠を欠いている。
- 恣意的な報道により風評被害を被る。
「恣意性」とは?
「恣意性」は「恣意」的な性質、という意味で一般的に使われています。
本来は「恣意性」というのは言語学の用語で、「言語が指し示すものと、それを示す言語記号の間には必然的な結びつきはないこと」ということです。
これはスイスの言語学者で、「近代言語学の父」とも言われるソシュールによるもので、「言語の恣意性」と言います。
このように、「恣意性」は辞書的には言語の非自然性を指す言語学用語なのですが、一般的に会話やニュースで出てくる「恣意性」は、「恣意的な性質」という意味ですので、どちらも覚えておくとよいでしょう。
【例文】
- 裁判の恣意性が批判されている。
- この判定には恣意性がある。
「恣意性」について、言語学に興味のある人や、学生時代に言語学や論理学といった講義を受けたことがある人は「シニフィアン」「シニフィエ」などという言葉を知っているかもしれませんね。
例えば、犬がいるとします。
対象である動物(=記号内容、シニフィエ)と、それを表す「犬(いぬ)」という言語記号(=シニフィアン)の間には必然的な結びつきはないということです。
このように、記号表現と記号内容の結びつきが恣意的であることを「言語の恣意性」と言います。
「恣意」の類義語
「恣意」の類義語には次のようなものがあります。
- 任意(定められた方法によらず、その人の心のままに、自由な判断に任せること)
- 随意(自分の思うまま)
- 気まま(遠慮や気がねをせずに、自分の思うままに行動すること)
- 心任せ(気の向くままにすること)
「恣意」の対義語
「恣意」の対義語には次のようなものがあります。
- 意図(こうしようと考えていること)
- 故意(わざとすること)
「恣意的」の反対の意味になる言葉としては、
- 規則的(一定のきまりに従っているさま)
- 機械的(機械が動くように、意思をもたずに決まった動作を行うさま)
- 一貫(一つの方針・方法・ 態度で、始めから終わりまでつらぬき通すこと)
などが考えられます。
まとめ
「恣意」は必然性などなくても、思うまま、気ままに振る舞うことを表す言葉でした。
ルールや論理を気にせず、その時々の思いつきで判断するということです。
「恣意的に報道する」とか「恣意的に判断する」など、あまりいい意味で使われないことも多いですが、こうした言葉を知っていると、ニュースなども正確に理解することができますね。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!