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「疎か」という言葉は、「おろそか」と読むことが多いと思います。
ですが、辞書などには「おろか」という読み方も載っています。
同じ「おろか」という読みの、「愚か」と、どのような使い分けをすればよいのでしょうか。
今回は、「疎か」と「愚か」の意味と違いは?例文つきで解説!【類義語・対義語】についてご説明いたします!
「疎か」の意味と使い方
「疎か」は「言うまでもないことである。もちろん」「いい加減なこと。なおざり」という二つの意味があります。
「言うまでもないことである」の場合は「おろか」、「いい加減なこと」という意味では「おろそか」と読みます。
「おろか」なのか「おろそか」なのかは文脈から判断します。
「……は疎か」「……も疎か」などの形で使う場合は「おろか」と読み、「言うまでもないことである、もちろん」「前者は言うまでもなくそうであり、後者ですらそうである」の意味になります。
「おろそか」の場合は「疎かになる」「疎かだ」といった使い方で、やるべきことがいい加減になっているという時に使います。
【「おろか」の例文】
- 勉強は疎か、机の前に十分と座っていたことがない。
- 街は閑散として、人は疎か犬一匹見当たらない。
【「おろそか」の例文】
- ゲームに夢中で勉強が疎かになっている。
- システムの使い勝手を優先して、情報漏洩対策が疎かになってはいけない。
「愚か」の意味と使い方
「愚か」は「働きが鈍いさま。考えが足りないさま」「ばかげているさま」「未熟なさま」と言う意味です。
「おろか」と読みます。
「愚かだ」「愚かな○○」「愚かにも」などの形で使います。
考えが足りず失敗するようなことや、普通なら選ばないような馬鹿げた選択をした時など、「ばかなことだ」「間違ったことだ」といった悪い意味合いで使います。
【例文】
- 戦争など、愚かなことだ。
- 君は愚か者だ。
- これ以上愚かな失敗を繰り返してはいけない。
「疎か」と「愚か」の違いは?
「疎か」と「愚か」は、どちらも「おろか」と読めますね。
似ていますので、混同してしまうこともあるかもしれません。
「疎か」と「愚か」の違いは、
- 「疎か」は「おろそか」と読み、「いい加減にあつかうさま」「言うまでもないこと」
- 「愚か」は「おろか」と読み、「考えが足りないさま。ばかげているさま」
とするとわかりやすいでしょう。
「疎か」を「おろか」と読むのは、「言うまでもない」という意味の「……はおろか」という時にほとんど限られます。
もともと、「疎か」と「愚か」の語源は同じで、「不完全な」という意味の「おろ」という古語からきています。
それが、物事に対して不完全な態度=いいかげん、という意味では「疎か」という言葉になっていきました。
昔は「おろか」と読んでいましたが、現代では「おろそか」と読んでこのような意味を表します。
そして、頭の働きが不完全=ばか、という方の意味では「愚か」となりました。
「愚」は心の働きが鈍いということを表す漢字です。
このように、語源は同じですが今では
- 「疎か(おろそか)」は「いい加減にあつかうさま」
- 「愚か(おろか)」は「ばかげているさま」
という使い分けがされるようになりました。
「疎か」の類義語と対義語
「疎か(おろそか)」の類義語と対義語は次のようになります。
【類義語】
- いい加減(仕事を最後までやり遂げずに途中で投げ出すさま。投げやり)
- 粗略(その物事に対して、おろそかなこと)
- 粗雑(細かい点までは行き届かず、あらっぽくて、いい加減なこと)
- ぞんざい(いいかげんに物事をするさま。投げやり)
- なおざり(余り注意を向けず、いい加減にするさま)
- ゆるがせ(物事をいいかげんにしておくさま)
【対義語】
- 丁寧(ぞんざいでなく礼儀正しいこと。仕事のやりかたが雑でなく、念入りなこと)
- 慎重(大事をとって、軽々しくは行動・断定しないこと)
- 綿密(やりかたが細かくて落ちのないこと)
「愚か」の類義語と対義語
「愚か」の類義語と対義語にはつぎのようなものがあります。
【類義語】
- 愚かしい(ばかだ。考えがたりない)
- 馬鹿馬鹿しい(非常にばかげている。何ともばからしい)
- 愚鈍(頭が悪く、する事もまぬけなこと)
- とんま(間が抜けていること)
- 阿呆(愚かなこと。愚かな人)
- 愚劣(ばからしく何の価値もないこと。また、ばかで劣っているさま)
【対義語】
- 賢い(頭の働きが良く利口であること)
- 聡い(さとることが早い。かしこい)
- 利口(頭がいいこと)
まとめ
「疎か」と「愚か」は、もともとは同じ語源からできた言葉ですが、今では意味や使い方に違いがありましたね。
「疎か」は「おろそか」と読むことが多く、いい加減に物事を行うさまを指して使うことがほとんどです。
「愚か」は「馬鹿げている」ということですから、「おろそかだ」と言われるのと「おろかだ」と言われるのとではかなり受け取り方が違いますよね。
どちらもいい意味の言葉ではないので、間違って使うとトラブルの元にもなりかねません。
気をつけて使い分けていきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!