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「念頭に置く」という言葉はビジネスシーンでもよく使われる言葉です。
「常に心がける」というような意味で使う言葉ですが、詳しい意味やニュアンスまで調べて理解して使っているという人は少ないかもしれません。
また、「念頭に置く」は使う際に注意が必要な言葉です。
改まった場でも使う言葉なので、目上の人に失礼になったり、間違った使い方になったりしないように気をつけましょう。
今回は、「念頭に置く」の意味とは?目上の人には失礼になる?言い換え表現も解説についてご説明いたします!
「念頭に置く」の意味
「念頭に置く」は「常に心にかける。 いつも忘れないでいる」という意味です。
「ねんとうにおく」と読みます。
「念頭」というのは、「心」「胸の内」「心の中の思い」といった意味の言葉です。
それを「置く」ということで、常に「念頭」に配置してとどめておくということから、「念頭に置く」はあることを、覚えていて、さらにいつも意識して忘れないでいるという意味になります。
他にも「念頭」を使った言い回しには
- 念頭にある(考えが頭の中にある)
- 念頭にない(特にそのことを考えていない)
- 念頭に浮かぶ(心に思い浮かべる)
などがあります。
「念頭に置く」の使い方
「念頭」は多く「念頭に置く」の形で使われます。
いつも心がける、忘れないでおくといった意味ですね。
「私は念頭に置いている」「彼は念頭に置いた」などとだけ言っても意味がわかりません。
「念頭に置く」は、何を心がけているのか、何を常に意識しているのかという内容とともに使います。
「常に心がけています」などと言うよりも完結ですし、改まった言葉遣いの中にも馴染みますのでビジネスシーンなどでも頻繁に使われます。
【例文】
- 彼女の生い立ちを念頭に置いてアドバイスする。
- 過去に起きた問題を念頭に置いて行動する。
- 海外の取引先と商談をする際は、文化の違いを念頭に置いてやりとりしている。
- 先ほどの社長のお言葉を念頭に置いて行動するように。
- スキー場の気温は麓の街に比べてかなり低いことを念頭に置いて準備をしよう。
目上の人には失礼になる?
「念頭に置く」はビジネスシーンなどでも使いやすい言葉ですが、目上の人に使うには注意が必要です。
なぜなら、「念頭に置く」は、自分か、目下の人に対して使う言葉です。
目上の人に対して「念頭においてください」などとするのは失礼になります。
「心に常に置いておいてくださいね」と言っているような感じで、やや押し付けがましい印象になってしまいます。
目上の人に「念頭に置いてください」と言いたい時は
- お含みおきください
- ご承知おきください
などの言い回しで、心に留めておいて欲しいということを柔らかく表すことができます。
「念頭に置く」の誤用に注意!
「念頭に置く」は使いやすい言葉で、他にも「念頭に」を使って色々な言い回しがあります。
ですが、中でも「念頭に入れる」は誤用であるとされています。
「念頭に置く」が正しく、「念頭に入れる」という表現は本来ありませんでした。
おそらく「考えに入れる」とか「頭に入れる」といった言葉と混同されてできたのではないかとされています。
実際には「念頭に入れる」も、最近ではよく使われるようになっており、一般的になっていますので誤用とは言い切れなくなってきています。
ですが、本来は「念頭に入れる」は誤用であり、新聞やニュースなどでは「念頭に置く」が使われていますので、「念頭に置く」を使った方がよいでしょう。
他にも
- 常に念頭に置く
- いつも念頭に置く
などの言い回しも、重言(意味が重複している)であるということで、誤用であるとされることもあります。
「念頭に置く」が、「いつも心にかける」という意味なので「常に」が重複するということです。
意味を強調しているだけなので問題ないという意見もあり、これも誤用とは言い切れません。
ですが、誤用であると感じる人もいる表現ですので、ビジネスシーンではこれも避けた方がよいでしょう。
「念頭に置く」の言い換え表現
「念頭に置く」の言い換え表現には次のようなものがあります。
- 肝に銘じる(強く心に留め、けっして忘れないようにすること)
- 心に留める(常に意識し、忘れずにおくこと)
- 考慮に入れる(様々な要素に思い巡らせて考える際に、その要素のひとつとして含める)
- 頭に入れる(しっかりと記憶にとどめる)
- 配慮する(事情をふまえて、気遣いのこもった取り計らいをする)
など、他にも状況に応じて色々な言葉で表せます。
中でも「肝に銘じる」は「絶対忘れないでいつも心がける!」という強い気持ちを表す言葉です。
強い決意を表すときなどに使うことができますね。
場面に応じて色々な言葉を使い分けてみてください。
まとめ
「念頭に置く」の正しい使い方はおわかりいただけたでしょうか。
自分や部下など、同等か目下の人が「常に心がける」「いつも忘れないでいる」ということを表すのに適した言葉ですね。
目上の人に対して「念頭に置いてください」など、間違ってしまいがちな使い方もありますから、気をつけて使ってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!