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言葉の意味と使い方

「多寡」の意味と使い方!「たかをくくる」の漢字の誤用に注意!【類義語・例文】

「多寡」の意味と使い方!「たかをくくる」の漢字の誤用に注意!【類義語・例文】

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「金額の多寡に関わらず~」

「人員の多寡に従って~」

この「多寡」という言葉、ビジネスシーンではよく使われます。

前後の文脈からも、数量などに関わる言葉であるとわかると思いますが、少し難しい言葉なので正確な意味は知らないという人も多いかもしれませんね。

間違った使われ方をしていることも多い言葉なので、きちんと確認しておきましょう。

今回は、「多寡」の意味と使い方!「たかをくくる」の漢字の誤用に注意!【類義語・例文】についてご説明いたします!

「多寡」の意味

「多寡」は「多いことと少ないこと」という意味です。

「たか」と読みます。

「多」は「多い」ということですね。

「寡」は「少ない」「ひとりもの。やもめ」「力や徳が少ない」という意味の漢字です。

この場合は「少ない」という意味で解釈できます。

「多寡」は「多い」+「少ない」という意味になりますね。

「多寡」は量や額が「多いか少ないか」ということです。

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「多寡」の使い方

「多寡」は、多いか少ないかの、その量や額を指します。

「多いか少ないか」という意味で、色々な使い方をします。

例えば、「多寡によらない」「多寡にかかわらず」などの使い方で、「多いか少ないかに関係ない」という意味になります。

「多寡による」「多寡に従って」などという場合は、「多いか少ないかに関係があり、それによって」ということです。

「○○の多寡」という形で、「金額の多寡」「人数の多寡」「経験の多寡」など、数えられるものや数えられないもの、お金や人数、ものの数など、さまざまなものについて「多いか少ないか」という意味で使える言葉です。

【例文】

  1. 報酬の多寡によって仕事への力の入れ具合が変わるのは仕方のないことだ。
  2. 金額の多寡は問わないのでぜひ支援をお願いします。
  3. 劇での出番の多寡に関わらず、全員一生懸命練習をした。
  4. 人間の価値は財産の多寡によって変わるわけではない。
  5. 経験や技術の多寡を問わず、誰でも同じように作業ができるようマニュアルを整備する。

「たかをくくる」の漢字の誤用に注意!?

「多寡」のよく見かける使い方に、「多寡をくくる」があります。

この「多寡をくくる」は誤用とされていますので気をつけましょう。

「たかをくくる」は「その程度を予測する。大したことはないと見くびる」という意味で、「たかをくくっていたら○○してしまった」「たかをくくっていたら○○だった」などと使います。

この「たかをくくる」の漢字表記は「高を括る」です。

ただし、「多寡をくくる」は、古い文学作品などでも使われていることがあり、絶対に間違っているとは言い切れません。

「高」は「生産高」「出来高」などの「高」と同じで、数量の程度のことを表します。

「括る」は「まとめる」「予想する」という意味です。

つまり、「これぐらいの量だろう、と予想してまとめる」ということで「高」を「括る」なのです。

「多寡」を「くくる」だと、「多いか少ないか」を予想するということになり、見くびる意味がなくなってしまいます。

言葉の意味からも、「多寡をくくる」ではなく「高を括る」です。

「多寡をくくる」は、古い文学作品などでも使われていることがあり、絶対に間違っているとは言い切れません。

ですが、上で述べたように、語源や漢字の意味からして「多寡をくくる」は正しいとは言えませんので、新聞やニュースでは使われません。

ネットニュースや軽い内容の記事では使われていることもありますが、一般的には誤用とされていますので「多寡をくくる」は使わないようにしましょう。

同じように「たかが○○のくせに」などという場合も「多寡」ではなく「高が」、またはひらがなで書きます。

「多寡」の類義語

「多寡」の類義語は「多少」です。

「多少」は「多いことと、少ないこと」です。

どちらも「多いか少ないか」という意味で。「多寡」を「多少」と言い換えて使うことができますが、違いは、

  • 「多少」の方が一般的、日常的に使われる
  • 「多少」は「多少○○です」のように、「いくらか」という意味で使うことができる

という点になります。

他に、比べるもの、指している数量の種類によっては

  • 強弱
  • 高低
  • 軽重

などがあります。

また、「有無」は「あるか、ないか」という意味になります。

「多寡」「多少」とは少し違いますが、これも「○○の有無にかかわらず……」などと似たような使い方をします。

まとめ

「多寡」は「多いことと少ないこと」、人数や金額、何かの数などが「多いか少ないか」という意味で使う言葉でした。

多いか少ないかによって変わってくることや、多いか少ないかには関係なく決まることなど、いろいろなパターンで使うことができる便利な言葉です。

ぜひ覚えておきましょう。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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