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「あらかた出来上がった」
このように使う「あらかた」という言葉があります。
「おおかた出来上がった」
このように「おおかた」という言葉を使うこともあり、意味は同じように思えます。
この「あらかた」と「おおかた」にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、「あらかた」と「おおかた」の意味の違いは?方言なの?使い方を解説!についてご説明いたします!
「あらかた」の意味と使い方
「あらかた」は「ほぼ全部。大部分」「おおよそ」という意味です。
漢字では「粗方」と書きます。
「粗」は「粗い」とか「粗品」の「粗」ですが、「ほぼ」という意味もある漢字です。
「方」は色々な意味を持っていますが、この場合は「やりかた」といった意味になります。
「粗方」というのは、大体のやり方ということで、ものごとのほぼ全部・大部分という意味、もしくは大体の数量を表します。
【例文】
- 社員のあらかたが賛成している。
- 部屋はあらかた片付いた。
- 応募者はあらかた100人だ。
「おおかた」の意味と使い方
「おおかた」は「物事の大体。大部分」「普通の物事。世間一般の人」という意味です。
漢字では「大方」と書きます。
「大」はもちろん「大きい」という字ですが、「だいたい。おおよそ」という意味もあります。
「方」にも「むき」「やりかた」「分野」といった色々な意味があります。
「大方」は「だいたいのやりかた」とか「おおよその分野」といった意味になりますので、「物事の大部分」「普通の物事」といった意味になります。
【例文】
- 社員の大方が賛成している。
- 部屋はおおかた片付いた。
- 大方の予想通りの展開だ。
「あらかた」と「おおかた」の違いは?
「あらかた」も「おおかた」も、物事の大部分のことですから、同じ意味に思えますよね。
それぞれの意味を比べてみましょう。
- 「あらかた」は「ほぼ全部」
- 「おおかた」は「ほぼ全部」「普通の物事」
どちらも、物事の大部分、ほぼ全部という意味では同じなので、「あらかた」を「おおかた」と言い換えるなどしても意味は変わりません。
ただ、「おおかた」にはそのほかの意味があります。
まず、半分以上の可能性があると推量する意味です。
「締め切りまでにこの実験はおおかた成功するだろう」という場合、成功か成功しないかの二択ですが、その確率が半分以上で全部に近いという意味になります。
さらに、「大方の予想通り……」などの使い方で、「世間一般の人」「普通の物」という意味でも使えます。
「あらかた」と「おおかた」はどちらも物事の大部分という意味でほぼ同じ意味ですが、「おおかた」の方にこうした使い方もあるという違いです。
方言なの?
「あらかた」「おおかた」は方言というわけではありません。
方言としても使われてはいますが、辞書にも載っており、ニュースなどでも使われていますので全国的な言葉と考えてよいでしょう。
「あらかた」は、地方により方言として「あらがた」とか「あらかだ」などとなまって使われることもあります。
「おおかた」は近畿、中国、四国地方など西日本の一部で方言としても使われるようですが、これも古くからある言葉で、特に方言というわけではありません。
古語でも「おほかた」として、源氏物語や徒然草といった有名な古典文学にも使われています。
「あらかた」も「おおかた」も、標準語としてビジネスシーンなどで使っても問題ありません。
「あらかた」と「おおかた」の類義語
「あらかた」と「おおかた」の類義語には次のようなものがあります。
- 大抵(大体の様子。全体のうちの大部分)
- ほぼ(全部ではないが、それに近い状態であるさま)
- ほとんど(全部ではないがそれに近い程度)
- 大部分は(半分より多くの部分。おおかた)
- 総じて(全部で。一般に)
- 主として(主に。もっぱら)
- 概して(大まかにいって。大体)
- 主に(大部分は)
- 大体(ほとんど全部。あらまし)
- 大概(ほとんど)
さらに、「おおかた」は
- 多分(おそらく、たいてい)
- おそらく(推し量って考えると。きっと)
- 蓋し(まさしく、確かに。もしかすると)
といった言葉も類義語であると言えます。
まとめ
「あらかた」と「おおかた」は、どちらも物事の大部分という意味で使うことができます。
さらに「おおかた」には「多分」という想定する意味もあります。
非常に似ている言葉で、どちらも普段の会話やビジネスシーンにもしばしば登場する言葉ですね。
ぜひこの機会にどちらも理解して覚えておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!