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「どうぞご放念ください」
このような言葉を見聞きすることがあります。
ビジネスシーンでの電話やメール、また日常でも手紙などで使われることがある言葉です。
ですが、意味を知らないと、「ご放念ください」と言われても何をしていいのかわかりませんよね(笑)。
困ってしまわないよう、「ご放念ください」の意味や具体的な使い方を知っておきましょう。
今回は、「ご放念ください」の意味とは?ビジネスや年賀状、お歳暮などでの返信はどうする?についてご説明いたします!
目次
「ご放念ください」の意味
「ご放念ください」は「気にしないでください」という意味です。
「ごほうねんください」と読みます。
「放念」は「気にかけないこと。心配しないこと」という意味です。
「ご放念ください」はそれを人に向けて丁寧に言った表現です。
「ご放念ください」の使い方
「ご放念ください」は「気にしないでください」ということを丁寧に言っていますので、ビジネスシーンでや、目上の方に向けても使える言葉です。
何かを気にしないでほしい、忘れていただいてOKですよ、ということを丁寧に表し、また「放念」というややかたい響きの言葉ですのでビジネスシーンでは特に使いやすいと言えるでしょう。
目上の方には「ください」という表現がやや強制的な印象になってしまうかもしれませんので、「ご放念いただけますでしょうか」などとさらに婉曲にするのもよいでしょう。
また、「ご放念ください」は人に向かって使う言葉です。
自分のことについて「放念いたします」「放念しておりました」などとは使いませんので気を付けましょう。
「放念」は「気にかけない」「心配しない」といった意味ですので、自分に対して使うと「気にしていません」という意味になってしまい、少し失礼なんですね。
ビジネスや年賀状、お歳暮などでの使い方は?
「ご放念ください」を使う場面は、ビジネスシーンや、また年賀状の文面、お歳暮などの贈り物をもらった時などが考えられます。
「ご放念ください」を使った具体的な例文をシーン別に見ていきましょう。
ビジネスシーンの「ご放念ください」
ビジネスシーンでは、直接の会話はもちろん電話やメール、手紙などいろいろな形で「ご放念ください」を使うことがあります。
「忘れてくださいね」という気遣いや、また謝罪の時にも使えます。
敬語表現ですから、使う相手は取引先やお客様、社外の目上の人などになります。
同僚や後輩、親しい仕事仲間にはもちろん使いませんし、上司(社内の目上の人)に対して使うのもやや堅苦しすぎるでしょう。
【例文】
- お会いしてご相談したいことがありますので、本日お時間をいただけますでしょうか。ご都合が悪い時はご放念ください。
- 先ほどのメールは誤って送ってしまったものです。大変申し訳ございません。どうぞご放念ください。
年賀状での「ご放念ください」
年賀状などの挨拶の手紙で、こちらは元気にやっているのでご心配なく、ということを伝えるために「ご放念ください」を使うことがあります。
また、最近増えてきているようですが、高齢で年賀状を送るのが困難になったとか、手間がかかるので新年の挨拶はメールやSNSで済ませたいなどの理由で、最後の年賀状に「今年で年賀状は終わりにします」という挨拶を書くことがあります。
この時にも「ご放念ください」を使うことで、「来年からは気にしないで、うちに年賀状を送ってこなくていいですよ」ということを表します。
【例文】
- こちらは皆元気に過ごしております。どうぞご放念ください。
- 高齢のため年賀状をしたためることも難しくなってまいりました。本年をもちまして年始のご挨拶状をご遠慮させていただきます。当方についてはご放念くださいますようお願い申しあげます。
お歳暮などでの「ご放念ください」
お歳暮やお中元、そのほかのいただき物をした時に、「これからはもう結構ですよ」と遠慮する返事を書く時に「ご放念ください」を使うことがあります。
贈り物をもらって、それにお返しをしてまた来年ももらって返して……という付き合いが続くのが心苦しい時など、「ご放念ください」を使って丁寧に断ることができるわけです。
【例文】
- 何卒、そのようなお気遣いはご放念くださいませ。
- どうぞ、今後はそのようなご心配はご放念くださいますようお願い申しあげます。
「ご放念ください」と言われた場合の返信・対応は?
ビジネスシーンで、また年賀状やお歳暮で「ご放念ください」を相手から言われた(書かれた)場合、どのように返信すればよいのでしょうか。
そもそも、「気にしないで」と言われているのに返事は必要なのでしょうか?
結論としては、返信するかどうかは場合によります。
相手がマナーとして「ご放念ください」と言っている場合は、こちらからも「承知しました」「かしこまりました」など、わかりましたよという返事を返すのがマナーです。
ですが、ビジネスシーンの「ご放念ください」であっても、例えば相手が複数の人にメールを一斉に誤送信してしまったおわびで「ご放念ください」と書いているなら、それぞれからいちいち「承知しました!」などと返信が来たらわずらわしいですよね。
また、年賀状やお歳暮などは、相手がそのような虚礼を取りやめたくて「ご放念ください」としているわけですから、改めて返事の手紙などを書くのは余計に相手に気を使わせてしまいますし、かえって失礼であるともいえるかもしれません。
「ご放念ください」への返信は
- 基本的には「承知いたしました」などと返信する
- 返信が不要な場合は返信しない
ということです。
どのような状況なのか、どのような相手なのか、どのような関係なのか、など場合によりけりなので判断基準は一概には言えません。
「ご放念ください」と言われて返信をするかどうかは、相手の立場に立って返事がほしいかどうか、ということを考えて決めたほうがよいでしょう。
「ご放念ください」の言い換え表現
「ご放念ください」の代わりに使える言葉には次のようなものがあります。
- お忘れください
- 気にしないでください
- ご容赦ください(許してください)
- お見捨ておきください(気にかけないでください)
「お忘れください」は「お忘れいただけると幸いです」、「気にしないでください」は「どうぞお気になさらないでください」など、さらに丁寧にいうこともできます。
謝罪の意味なら「ご容赦ください」、「気にしないでね」という意味なら「お見捨ておきください」など、意味合いに合わせて言い換えが可能ですね。
「ご放念」が頭に浮かばない時や、もう少しくだけた言い方にしたい時など、言い換え表現をいくつか覚えておくとよいでしょう。
「ご放念ください」の対義語
「ご放念ください」とは逆に、「覚えておいてください」「気にしてください」という意味の言葉には次のようなものがあります。
なお、「放念」の対義語は「懸念」(気にかかって不安がること)となります。
まとめ
「ご放念ください」は「忘れてください」「気にしないでください」という意味でしたね。
謝罪とともにも使えますし、「気を使わなくていいですよ」と相手を気遣う時にも使えます。
社会人らしい言葉ですので、ぜひ覚えて使いこなしてみましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!