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「寡聞にして存じません」
このような言い回しを聞いたことがありますか?
「寡聞」という言葉を知らないと、よくわからないと思います。
「寡聞にして存じません」には、本来の意味と、皮肉としての意味もありますので、聞いた時にわからなくて困ってしまわないよう、ぜひ確認しておきましょう。
今回は、「寡聞にして存じません」の意味とは?皮肉としても使う?「寡聞」の使い方を解説【例文】についてご説明いたします!
「寡聞にして存じません」の意味
「寡聞」は「見聞が狭く浅いこと」と言う意味です。
「かぶん」と読みます。
「寡」は「少ない」などという意味の漢字です。
「聞」は「聞く」「聞いて知る」などの意味があります。
「寡聞」というのは、「聞いて知る」ようなことが「少ない」ということで、見識が乏しい、つまり見たり聞いたりしたことがない、経験や知識がないということを意味する言葉です。
また、「存じません」は「知らない」「思わない」ということの謙譲語です。
「わかりません」「知りません」などと言うことをさらにへりくだって丁寧に表しています。
ですので、「寡聞にして存じません」は「経験や知識が乏しいのでわかりません」という意味になります。
「寡聞」の使い方
「寡聞」はほとんどの場合「寡聞にして」という形で使います。
「寡聞にして知らない」「寡聞にして存じません」といった言い回しで、「見識が浅いため知りません」という意味になります。
また、次のような四字熟語もあります。
- 寡聞少見(かぶんしょうけん)……見識が狭いことや世間知らずなことを謙遜して言う言葉
- 寡聞浅学(かぶんせんがく)……自身の知識や経験が少ないことを謙遜していう言葉
- 浅見寡聞(せんけんかぶん)……浅はかな考えや見識の狭さ。自分の考えを謙遜して言う言葉
【例文】
- 寡聞にしてその作曲家は知りませんでした。
- 彼ほど青の顔料の発色にこだわった画家を、私は寡聞にして知らない。
- 寡聞少見でお恥ずかしい限りです。
- 浅見寡聞の身で差し出がましく口を挟んでしまいました。
「寡聞にして存じません」の使い方
「寡聞にして存じません」は、自分の経験や知識が乏しくて、そのことについて知りませんという意味で、自分を謙遜して使います。
へりくだった言葉ですから、「それは知りませんでした、私の見識が浅いものですから(あなたの見識の広さにはかないません)」という意味で、目上の人に対して使える表現です。
普通に「知りませんでした!」などと言うよりも「寡聞にして存じません」と言ったほうが謙虚で丁寧な印象になります。
【例文】
- 彼の筆名は寡聞にして存じません。
- このような新技術が開発されていたとは、寡聞にして存じませんでした。
- 先生が亡くなられたこと、寡聞にして存じませんでした。この度は御愁傷様でした。
「寡聞にして存じません」は皮肉としても使う?
「寡聞にして存じません」は、自分の見識の狭さを謙遜して「知りません」ということを表す言葉でしたね。
この「寡聞にして存じません」は、皮肉としても使うことがあります。
「私が無知なので知りませんでした」ということですが、それをあえて、ありえないようなことや絶対わからないようなことに対して使います。
例えば、「宇宙人が実際にいたとは、寡聞にして知らなかったよ」とか、「水道水を飲めば癌が治るとは、寡聞にして存じませんでした」など、
ありえないようなことに対して「寡聞にして存じません」と言うことで、「ありえない」「くだらない」「全然信じていない」といった、ちょっとバカにした皮肉の意味になります。
ストレートに「ありえないですよ!」などと言うよりも、かなりひねくれた嫌味な言い方ですから、使う場面や相手には気をつけましょう。
強い皮肉で相手を黙らせたいような時に使います。
「寡聞」の類義語
「寡聞」の類義語には次のようなものがあります。
- 疎い(そのことについての知識や理解が不十分なこと)
- 不案内(その方面の心得があまりないこと)
- 管見(狭い見識。視野の狭い考え方)
- 浅見(さはかな見識や考え。自分の意見をへりくだっていう言葉)
- 無知(知識がないこと)
- 無学(学問や知識が乏しいこと)
- 不勉強(勉強が足りないさま)
- 勉強不足(勉強が足りないさま。知識や理解が不十分なこと)
「寡聞」の対義語
「寡聞」の対義語は「多聞(たぶん)」です。
「多聞」は「多くの物事を聞き知っていること」と言う意味です。
まとめ
「寡聞にして存じません」は、自分の知識や経験などが少ないためわかりません、という意味の言葉でしたね。
自分の知識の無さを反省します、というようなニュアンスもあって、へりくだった礼儀正しい言葉です。
皮肉として言われることもあるかもしれませんから、その場の状況や前後の文脈にも気をつけて受け取りましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!