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「鑑みる」という言葉を聞いた事はありますか?
「状況を鑑みて」「先例に鑑みて」という風に使われる事が多いですよね。
でも、実は「状況を鑑みて」というのは、間違った使い方なんですよ。
ご存知でしたか?
また、「鑑みる」と似ている言葉で、「考慮する」があります。
この二つの違いをご存知でしょうか?
ほとんど同じ意味で使われている場合もありますよね。
しかし、正しくはどうやって使い分ければ良いのか、気になりますよね?
今回は「鑑みる」の意味と使い方!「考慮する」との違いについてご説明致します!
「鑑みる」の意味
「鑑みる(かんがみる)」の意味を調べてみました。
「鑑みる」とは、「先例や規範に照らし合わせる。他を参考にして考える。」という意味です。
手本や先例といった、何か比べられるものを引き合いに出して考えるという意味で、他の物を参考にしたうえで判断する事を言います。
「鑑」という漢字の意味をご存知でしょうか?
「鑑」という字の意味は、基本的には「鏡」と同じです。
「あの人は、教師のかがみだ」などと言いますよね。
この際、「手本・模範」という意味の「鑑(かがみ)」という漢字を用います。
そこから転じて「照らす」「参考にする」「手本にする」「比較して考える」といった意味が出てきたと言えます。
「鑑みる」の使い方
「鑑みる」の使い方で注意する点があります。
「鑑みる」という言葉を使う際、「黒字になる事を鑑みると」のように、「~を鑑みる」と使う事が多いと思います。
しかし、「鑑みる」の元々の意味は、「~に照らして考える」という意味ですよね。
なので、この場合「に」を使う方が正しい使い方となり、「を」を使うのは間違いになります。
「~を鑑みて」というのは、「~を考慮して」と混同して使われるようになったようです。
ただし、現在では「~を鑑みる」という使い方もかなり使われていますよね。
ですが、やはり正しい日本語を知って応用していきたいですよね。
会社などでは、間違いを指摘される可能性もあるかもしれないので、気を付けましょう。
【例文】
- 本件がもたらした社会的影響に鑑みると、情状酌量の余地は無いと判断せざるを得ない。
- 欧米の取り組みに鑑みると、まだまだ改善の必要性があると言える。
- 昨今の情報社会の発展に鑑みると、決して実現不可能な計画だとは言い切れない。
- 内外の諸情勢に鑑みると、日本国内における不景気はいよいよ転換点を迎えたと言える。
【類語】
- 振り返る
- 回顧
- 顧みる
- 念頭に置く
- 参考にする
- 踏まえる
「考慮する」との違いは?
混同されがちな、「鑑みる」と「考慮する」。
この二つの違いは何でしょうか?
まず、「考慮する」の意味を調べてみました。
「考慮する」の意味は「物事を、いろいろの要素を含めてよく考えること」という意味です。
難しく書かれていますが、要は「考える」という意味ですよね。
既に述べたように、「鑑みる」は「何か比べられるものを引き合いに出して考える」という意味です。
この二つの言葉の大きな違いは、「比較対象があるかどうか」です。
比較対象がない場合、それは単に「考える」に過ぎません。
もう少し詳しく説明すると、「先例に鑑み」という意味は、「先例に照らして(先例以外のことを)考える」という事になります。
それに対して、「先例を考慮して」は、先例そのものを考えている事になりますよね。
「鑑みる」と「考慮する」を使い分ける際は、「比較対象があるかどうか」を考えて使ってみましょう。
細かい違いになりますが、覚えておいて、上手く使い分けていきましょう!
まとめ
いかがでしたか?
「鑑みる」の語源が、人を映す「鏡」だとは知りませんでした!
確かに、読みが似ていますよね。
語源を覚えておけば、「照らし合わせる」という本来の意味も忘れにくいですね。
また、「考慮する」との違いも見ていきました。
あくまでも「比較対象があるかどうか」という点を忘れない事が大切ですね!
宜しければ参考にしてみてください。