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言葉の意味と使い方

「~ください」は命令に聞こえる?~してほしい時の敬語表現は?【例文つき】

「~ください」は命令に聞こえる?~してほしい時の敬語表現は?【例文つき】

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相手に何かして欲しい時、なんと言いますか?

「~してください」

単純に考えるとこうですよね。

ですが、この「~ください」という形、「命令に聞こえる」と言われることも多いのです。

「~ください」という側の気持ちとしては、もちろん命令ではなくお願いしているわけです。

「~してね!」などと言うよりも丁寧に、「ください」と敬語を使っているつもりです。

でも、それが上から目線の命令に聞こえてしまっては逆効果ですよね。

本当に「~ください」は命令の言い方なのか、代わりになんと言えばいいのか、よく確認しておきましょう。

今回は、「~ください」は命令に聞こえる?~してほしい時の敬語表現は?【例文つき】についてご説明いたします!

「~ください」は命令形?

結論から言うと、「~ください」は命令形です。

動詞「くださる」の命令形となります。

驚いた人もいるかもしれませんね。

命令形というのは、普通は「~しろ!」とか「~しなさい!」、あるいは「行け!」「書け!」「見ろ!」みたいな、いわゆる命令ですよね(笑)。

ですが、「~ください」は命令ではなく、お願いする、依頼する意味で敬語のつもりで使っていると思います。

なぜ命令形を敬語として使うのか?

実は、「~ください」は「くれ」の尊敬語なのです。

そのため、「~(して)くれ」というよりも「~ください」と言ったほうが尊敬の意を表すだろうということで、多くの人が使っていると思います。

「電話してください」「添付してください」「送ってください」「教えてください」などなど、「~ください」はビジネスシーンでも頻繁に使う機会のある言葉ですよね。

「~ください」は依頼や要望を表す言葉なので、同僚や親しい先輩などに対してはこれで十分かもしれません。

ですが、社外の人や目上の方に対してこのように言うと、命令口調のように受け取られるかもしれませんよね。

あとで述べますが、他のもっと丁寧な言い方にかえたほうがよいでしょう。

「~ください」は「くださる」の命令形「くだされ」の音変化であると言われています。

また、「くださいませ」の略であるとも言われています。

「~してください」「来て下さい」「見てください」などという使い方は、「ください」を使っていて丁寧語ではありますが、敬語とは言えません。

親しい関係の人や、買い物の時の店員さんとのちょっとしたやりとりなどにはこれで十分ではあります。

ですが、ビジネスシーンで仕事相手に使うには不十分です。

そのような時は、「~なさってください」「お越しください」「ご覧ください」、あるいは「お電話ください」「ご検討ください」のように、

「~ください」の前にも尊敬語を使うことで「~ください」も敬語として使うことができます。

例文

  1. (買い物で)ショートケーキを三つ、持ち帰り用にしてください。
  2. (恋人に)結婚してください。
  3. (ビジネスシーンで)お手元の資料をご覧ください。
  4. こちらまでお電話ください。
  5. どうかお許しください。
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「~ください」と「~下さい」の違い

「~ください」と「下さい」

「~ください」を「~下さい」と書くことがありますよね。

この「ください」と「下さい」には実は違いがあります。

  • 「ください」は相手に何かの行動を促す、依頼するとき
  • 「下さい」は相手から何か物をもらいたいとき

に使うと言う点です。

つまり何かをしてほしい時は「~ください」とひらがなで、「水を下さい」「メモ帳を下さい」など、実際に物がある時には「下さい」と漢字で書くのです。

じゃあ「時間をください」「思い出をください」というような形のないものが欲しい時はどうするのか?という話になりそうですね(笑)。

ちょっと使い分けがややこしいせいか、最近ではどちらもひらがなで書くように統一されてきているようです。

本来はこのような違いがあると、知識として知っておきたいですね。

~してほしい時の敬語表現は?

「~ください」は、使い方によっては、また相手の受け取り方によっては命令的になってしまうので注意が必要な言葉でしたね。

では、相手に何かしてほしいとき、「~ください」をどのように言いかえればよいのでしょうか。

いくつかあげてみましたので、例文で使い方を確認してくださいね。

「~いただけますか」

「~ください」の代わりに「~いただけますか」と相手の意向を尋ねる形にすることで、より丁寧な敬語とすることができます。

「~ください」と言い切りの形にするとどうしても命令口調に聞こえてしまいますが、「~いただけますか」と尋ねることで婉曲に依頼ができるわけです。

疑問形で丁寧な依頼を表す言い方には

  • いただけますか
  • くださいますか
  • よろしいでしょうか

などの形があります。

【例文】

  1. お手元の資料をご覧いただけますか?
  2. 恐れ入りますが、品番を教えてくださいますか?
  3. ご連絡先を伺ってもよろしいでしょうか?

ただし、相手にたずねる形で依頼する、とは言っても

  • ~してもらってもいいですか

というのは間違いです。

自分が何かをしてもらう、ということを依頼しているということになりますのでおかしいですね。

若い人がよく使いがちな間違った敬語ですので気をつけましょう。

「~をお願いいたします」

「~ください」の代わりに「~をお願いいたします」とすると、相手に願い出るという形になります。

これも「~ください」よりも婉曲で丁寧な敬語になります。

  • お願いいたします
  • お願い申し上げます
  • 願います

などの形があります。

【例文】

  1. ご確認をお願いいたします。
  2. こちらにご記入願います。
  3. ご指示いただきますようお願い申し上げます。

まとめ

「~ください」はビジネスシーンでも頻繁に使う言葉です。

「ご覧ください」「お電話ください」などの形では、そうそう失礼に思われる心配もありません。

例えばメールでは、「ご覧いただけますか?」と書くよりも「ご覧ください。」と書いた方が簡潔で読みやすいでしょう。

ですが、改まった場で、また目上の方やお客様に対して使えるように、他のさらに丁寧な言い方も覚えておくと良いと思います。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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