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夏に使いたい「薫風」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「薫風」について解説していきます。
改めて「薫風」について基本的な意味はもちろん、何月頃の季語なの?といった疑問や「薫風」を使った俳句もご紹介いたします。
「薫風」の意味と読み方
「薫風」とは、若葉繁る木々の香りを爽やかに運ぶ初夏の風を意味する言葉です。
読み方は「くんぷう」です。
思わず深呼吸したくなってしまうような香りに満ち満ちた南風、新緑の間を通り抜けて吹く初夏の風の事を「薫風」と呼びます。
ちなみに「薫風」という言葉とセットで使いたくなる「爽やか」という言葉ですが、この「爽やか」は秋の季語ですので一緒に使うのは避けるのがおすすめです。
「薫風」は何月頃の季語?
「薫風」を俳句の季語として使う場合は「夏」の季語なので、暦の上で夏となる「立夏」を過ぎてから使用することが出来ます。
俳句の季語としては「三夏」に使える季語であり、立夏から立秋までの3か月間が三夏にあたります。
時候の挨拶で使う場合は5月からが好ましいと言われていますが、俳句で使用するときほど厳密に時期が定められてはいません。
体感で「夏らしくなってきた」と感じる事が出来れば4月下旬頃から使用しても問題はないと言われています。
>>「薫風の候」の時期はいつからいつまで?結びや使い方と読み方|例文つき
「薫風」の由来
「薫風」は日本で生まれた言葉ではなく、中国から漢語として日本に伝来した言葉です。
「風薫る」という言葉も5月に使われる言葉ですが、この風薫るという言葉も同じく漢語の「薫風」を日本語に変換したものなんですよ。
「薫風」を使った俳句
薫風やともし立てかねついつくしま
(くんぷうや ともしたてかね ついつくしま)
蕪村
薫風と湖を一周して若し
(くんぷうと みずうみをいっしゅうして わかし)
鷹羽狩行
薫風や蔵に風を入れやうか
(くんぷうや くらにかぜを いれようか)
保坂加津夫
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。