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「満を持して」の意味と由来は?漢字は「辞して」とも書く?【類義語・対義語】

「満を持して」の意味と由来は?漢字は「辞して」とも書く?【類義語・対義語】

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「満を持して登場する」

このように使う「満を持して」という言葉があります。

テレビなどでよく耳にしますよね。

ビジネスシーンでも使われているかもしれません。

この「満を持して」、使われている状況から、なんとなく意味は分かりそうな気がしますが、さて「満」を「持して」とはどういうことかと聞かれると、案外わからないのではないでしょうか。

「満」も「持して」も、それだけだと普段使わない言葉ですよね。

ぜひ確認しておきましょう。

今回は、「満を持して」の意味と由来は?漢字は「辞して」とも書く?【類義語・対義語】についてご説明いたします!

「満を持して」の意味と使い方

「満を持して」は「満を持する」に接続助詞「して」をつけた形です。

「満を持する」は「準備を十分にして機会を待つ」という意味です。

ですので、「満を持して」は「準備を十分にして機会を待って」ということですね。

「まんをじして」と読みます。

「満を持して登場する」「満を持して公開する」など、「満を持して○○する」の形で、十分な用意をして待っていた機会がおとずれる、待ち望んだ絶好のタイミングがやってきた、ということを表します。

【例文】

  1. 彼は満を持して登場した。
  2. 話題の映画が満を持して公開された。
  3. アメリカで爆発的な人気となったゲームがが満を持して日本に上陸する。
  4. 試合が終盤に差し掛かるころ、満を持してエースが登場した。
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「満を持して」の由来

「満を持して」の意味や使い方はおわかりいただけたでしょうか。

準備万端でいよいよ絶好の機会が来た、待ちに待った機会が来たというような時に使いますね。

ですが、それをどうして「満を持する」というのでしょうか?

実は、「満を持して」の由来は、中国の歴史書『史記』にさかのぼります。

「持満」という言葉が出てくるのですが、「満」は「満ちる。いっぱいになる」という言葉で、ここでは「弓をいっぱいに引きしぼる」という意味で使われています。

「持す」は「保つ」という意味です。

「持満」は「弓をいっぱいに引きしぼったまま絶好のタイミングを待つ」という意味になるんですね。

そこから、「十分に準備をして機会を待つ」ということを「満を持して」と表すようになったのです。

「辞して」とも書く?

「満を持して」を、「満を辞してと書く人がいます。

パソコンなどの変換でも、「辞して」と出てくることがあるようです。

ですが、「満を辞して」は間違いです。

「じする」には「持する」以外にも「辞する(辞退する、辞任するなどの意)」や「治する(治す、治めるなどの意)」などの漢字があるため、変換候補として出てくることがあります。

ですが、言葉の意味からも、正しくは「持する」ですので「満を持して」の漢字も合わせてしっかり覚えておきましょう。

もちろん「辞して」だけでなく、変換すると「万を」「マンを」など色々な文字が出てくることがありますので、間違えないように気をつけましょう。

「満を持して」の類義語

「満を持して」「満を持する」の類義語、言い換え表現には次のようなものがあります。

  • 頃合いを見て(適当な時機を見計らう)
  • 機が熟す(機会を窺って待った末に絶好の機会が訪れるということ)
  • 時が満ちる(物事をするのによい最高の状態に至るさま)
  • クライマックスに及んで(物事の緊張や精神の高揚が最高に盛り上がった状態になる)

「満を持して」の対義語

「満を持して」の対義語は特に決まっているわけではありません。

「十分準備して機会が来る」というような「満を持して」の意味を考えると、

  • 拙速に(できは良くないが、仕事が早いこと)
  • 性急に(物事の進みかたが急であること)
  • 準備不足(物事を行うにあたっての準備が不足していること)
  • 短慮(考えがあさはかなこと。浅い思慮)

といった言葉を使って、あわてて準備したのでよいタイミングではない、という反対の意味合いを表すことができるでしょう。

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まとめ

「満を持して」は、いよいよ待っていた機会が訪れた、ついにこのタイミングがやって来たと言うような、待ち望まれていたことが実現する時に使う言葉でしたね。

映画の公開やゲームなどの発売時にもよく使われる宣伝文句でもあります。

また、新商品や新事業を発表する時など、ビジネスシーンでも何かと使える言葉ですね。

ぜひ理解して、使ってみてくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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