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「迎え火」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「迎え火」について解説していきます。
「迎え火」について基本的な意味や由来はもちろん、いつの季語なの?「送り火」との違いは?といった疑問にもお答えしていきます。
「迎え火」を使った俳句もご紹介いたします。
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「迎え火」の意味と読み方
「迎え火」とは、7月または8月の16日に行われる行事で、お盆で帰ってきたご先祖様をお迎えするために焚かれる火を指す言葉です。
読み方は「むかえび」です。
迎え火を焚くのは7月及び8月の13日の夕方が一般的です。
ご先祖様が帰ってくる場所に迷わないように「目印」として焚くのが「迎え火」なんですよ。
昔は豆殻や芋殻などを使い火を焚いていましたが、現代ではなかなか実際に火を焚くのは難しいというご家庭も多いですよね。
そのような理由から現在は電球を使用した「盆提灯」を室内で炊き、迎え火とする事も多くなっています。
「迎え火」の由来
日本では古来から行われている風習であり、あの世から戻ってくるご先祖様が迷われることのないよう、導くための火が「迎え火」と呼ばれています。
引っ越しや建て替えなどで故人の家がもう既に無くなっている、などという事も現代では珍しくありません。
家が無いとどこに向かえばいいのかご先祖さまも迷ってしまいますよね。
そんな時に「あなたの子孫はここですよ」というメッセージを込めて昔から行われていたのが由来なんですよ。
「迎え火」はいつの季語?
「迎え火」は俳句を作るうえで「初秋」の季語となっています。
秋の最初の頃である「初秋」を俳句上で表現する場合に使われている季語なんですね。
「迎え火」と「送り火」の違い
「送り火」が来てくれたご先祖様をお見送りするという意味を持つのに対し、「迎え火」はご先祖様が帰ってくる際の「目印」という意味を持っています。
お盆の最初に焚くのが「迎え火」で、お盆の最後に焚くのが「送り火」なんですね。
昔から伝わっている手順は、お墓参りをした際にろうそくから盆提灯へと火をもらい、帰宅後にその火を使って迎え火を焚くというものです。
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「迎え火」を使った俳句
迎へ火や道の向こふの真暗がり
(むかえのや みちのむこうの まくらがり)
清水保
迎へ火や余生定まらぬものなりき
(むかえびや よせいさだまらぬ ものなりき)
久保田一豊
迎火やをりから絶えし人通り
(むかえびや おりからたえし ひとどおり)
久保田万太郎
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。