言葉の意味と使い方

「労う」と「労わる」の違い!目上の人に使うのはNG?意味と使い方【例文】

「労う」と「労わる」の違い!目上の人に使うのはNG?意味と使い方【例文】

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「労う」と「労わる」は、どちらもビジネスシーンに限らず色々なところで見聞きする言葉ですね。

同じ漢字を使いますので、同じ意味だろうと思われることも多いかもしれません。

ですが、「労う」と「労わる」には意味の違いがあります。

ぜひ確認しておきましょう。

今回は、「労う」と「労わる」の違い!目上の人に使うのはNG?意味と使い方【例文】についてご説明いたします!

「労う」の意味と使い方

「労う」は「苦労や骨折りに対し、感謝して何らかの行為をすること」という意味です。

「ねぎらう」と読みます。

相手が苦労したり奮闘したりしたことに対して、感謝の気持ちを何らかの方法で表すということを意味します。

力を尽くして何かをしてくれたという時に使います。

ですので、近くにあるボールペンを取って渡してくれたとか、電話を取り次いでくれたとか、体力や時間、能力などを使うわけでもないちょっとしたことに対して「労う」というのは不適切です。

「よくやってくれたね」「頑張ったね、ありがとう」という気持ちで、言葉をかけたり食事をご馳走したりといった行為をすることを「労う」と言います。

【例文】

  1. 毎日頑張っている部下に労いの言葉をかける。
  2. 大きなイベントを終え、スタッフの労をねぎらう。
  3. 退職する県職員への辞令交付式で、知事が彼らの長年の貢献を労った。
  4. 友人が志望校に合格したので、これまでの努力を労いたい。
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「労わる」の意味と使い方

「労わる」は「弱い立場にある人などに親切にする」「労をねぎらう」「手当を加える。養生する」という意味です。

「いたわる」と読みます。

本来は「労る」と書きます。

ですが、「労る」だと「労う」と混同しやすく、読み間違えやすいため「労わる」という表記も認められています。

「労わる(労る)」は、人に同情の気持ちで優しくすることや、ものを大切に扱うことなどを表す言葉です。

【例文】

  1. 闘病生活を送る父を労わる。
  2. 以前過労で倒れたことがあり、それ以来体を労わる事を心がけている。
  3. 毎日仕事を頑張っている自分を労わるためにアクセサリーを買った。
  4. いつもお世話になっているスタッフを労わるための食事会を開く。
  5. 愛車を労わり長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスを行っている。

「労う」と「労わる」の違いは?

「労う」と「労わる」は、どちらも苦労した相手に優しくするような意味の言葉ですね。

字も同じなので、どう違うのかわからないという人も多そうです。

これらの違いは、

  • 「労う」は「相手の苦労や骨折りに対して感謝の気持ちを表すこと」
  • 「労わる」は「優しく接すること。相手の苦労を慰めること」

となります。

「労う」というのは、目下の人などが一生懸命働いてくれたり、苦労してくれたということに感謝の気持ちを示すことです。

感謝して、お礼の言葉を述べるとか、品物を贈る、食事をご馳走するなどの行動をすることです。

一方、「労わる」の方は、弱い立場の人に同情して優しく扱うということです。

「労う」のように具体的な行動というわけではなく、優しく扱うという広い意味です。

また、相手の頑張りや苦労に対して慰めて感謝する、という意味では「労う」も「労わる」も同じように使えます。

ですが、「労わる」には「親切にする」「ものを大切に扱う」などの意味もあります。

目上の人に使うのはNG?

「労う」と「労わる」は、ビジネスシーンなどでも耳にしますが、これは目上の人に使えるのでしょうか。

結論から言うと、

  • 「労う(ねぎらう)」は目上の人には使えない
  • 「労わる(いたわる)」は目上の人にも使える

となります。

「労う」自分と同等か、目下の人に対して使います。

「よくやったな」「ご苦労様」といった風に、骨折りしてくれたことに感謝して慰労するという意味なので、目上の人には失礼になります。

一方、「労わる」の方は、弱い立場の人を慰めて優しくするという意味です。

目上の人であっても、例えばお年寄りや病人であれば、「母を労わる」とか「お体を労ってください」などと使うことができます。

目上の人に「労う」を使うと失礼になります。

目上の人が一生懸命何かをしたり、苦労したりしたときに労いたいという時は、別の言い回しに変えるとよいでしょう。

  • ご尽力いただきまして誠にありがとうございます。
  • お力添えいただき感謝しております。

など、「感謝している」という言い方にすると謙虚な印象になり、目上の人にも使いやすいですね。

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「労う」と「労わる」の類義語

「労う」と「労わる」の類義語には次のようなものがあります。

  • 慰める(何かをして、一時の悲しみや苦しみをまぎらせる)
  • 慰労する(苦労をねぎらう)
  • 感謝する(ありがたいと言う気持ちを表す)

「労わる」は、使い方によって「大事にする」などと言い換えることもできます。

まとめ

「労う」と「労わる」には意味の違いがありましたね。

「労う」は目下の人の頑張りなどを評価して感謝すること。

「労わる」は弱い立場の人に同情し優しく慰めること。

字も同じで混同しやすい言葉ですが、しっかり区別してその場に適した方を使うようにしましょう。

ぜひ参考になさってくださいね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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