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「○○の二の舞になるなよ」
「それじゃ二の舞だ」
このように、ビジネスシーンやテレビなどでも聞くことのある「二の舞」と言う言葉。
会話の中では「二の舞」とだけ言うことも多いですが、本来は慣用句として使います。
中でも、「二の舞を踏む」という使い方をされることも多いのですが、実はこの「二の舞を踏む」は誤用であると言われているんです。
正しくは「二の足を踏む」、もしくは「二の舞を演じる」と言います。
それぞれどのような意味の言葉なのか、しっかり確認して区別しましょう。
今回は、「二の舞を踏む」が誤用って本当?「二の足を踏む・二の舞を演じる」についてご説明いたします!
「二の舞を踏む」が誤用って本当?
「二の舞」について、「二の舞を踏む」というのは本来は誤用です。
正しくは「二の足を踏む」、もしくは「二の舞を演じる」です。
「二の」の部分が同じなので、この二つの慣用句が混同され、混ざってしまったのが「二の舞を踏む」だと思われます。
ただし、「二の舞を踏む」はかなり一般的に使われるようになってきています。
また、もともと舞の動きのことを「踏む」と言うこともあります。
他の慣用句でも「初舞台を踏む」「場数を踏む」などと言います。
このことから、国語辞典によっては「二の舞を踏む」を「二の舞を演じる」と同じ意味であるとして載せているものもありますので、一概に「誤用である」とは言い切れません。
ですが、「二の足を踏む」「二の舞を演じる」であれば間違いなく正しい使い方ですので、混同しないためにも、こちらの方をぜひ覚えておくとよいのではないでしょうか。
「二の足を踏む」の意味と使い方
「二の足を踏む」は「躊躇すること。尻込みすること」という意味です。
「二の足」は二歩目のことです。
一歩目を踏み出して、さて二歩目を踏み出すと言う時に思い悩んでためらい、足踏みをしてしまいます。
そのような様子を、思い切って物事を進められないことのたとえとして言うようになったのです。
【例文】
- 道で偶然彼女を見かけたが、緊張してしまい話しかけるのに二の足を踏んでしまった。
- 加盟店手数料や設備の導入を敬遠し、キャッシュレス決済に二の足を踏む店舗も多い。
- そろそろマイホームが欲しいのだが、ローンのことを考えると二の足を踏んでしまう。
- 彼は守備力に不安があり、監督も彼の起用には二の足を踏んでいる。
「二の舞を演じる」の意味と使い方
「二の舞を演じる」は「人の後に出てきてその真似をすること、特に人と同じ失敗を繰り返すこと」という意味で使われています。
もともとは「二の舞」は、雅楽の演目を指す言葉です。
「安摩」の舞に続いて「咲面」「腫面」という面をつけた二人が安摩の舞を真似てわざと失敗しながら演じる滑稽な舞のことを「二の舞」と言いました。
そこから転じて「二の舞」は人の真似をする、人と同じ失敗を繰り返す意味になったのです。
「二の舞」は「二の舞を演じる」という使い方をします。
「二の舞を踏む」は誤用である(とされることが多い)と述べましたが、他に「二の舞を繰り返す」「二の舞を舞う」などというのは間違いです。
「二の舞を繰り返す」だと「繰り返す」の意味が、「二の舞を舞う」だと「舞う」の意味が重複してしまいますよね。
「馬から落馬する」「頭痛が痛い」のような重言になるわけです。
また、「二の舞を演じる」は「二の舞を演ずる」とも言います。
正しい使い方として「二の舞を演じる」を覚えておきましょう。
【例文】
- 彼の二の舞を演じることがないように気をつけなくては。
- 前回の試験の二の舞を演じるようなことはしたくないので、一生懸命勉強した。
- あんなに集中して試合に挑んだのに、結局彼女の二の舞を演じることになってしまった。
- 彼は真面目に努力しているので、前任者の二の舞を演じることにはならないはずだ。
「二の足を踏む」の類義語
「二の足を踏む」の類義語、言い換え表現には次のようなものがあります。
「二の舞を演じる」の類義語
「二の舞を演じる」の類義語や言い換え表現には次のようなものがあります。
- 轍を踏む
- 過ちを繰り返す
- 同じ失敗を繰り返す
「轍を踏む」は「前人と同じ失敗をすることのたとえ」という意味です。
「二の舞を演じる」と同じ意味の慣用句ですね。
「轍を踏む」にも「踏む」が使われているので、ますます「二の舞を演じる」と「二の足を踏む」が混ざりやすくなってしまったのだと思われます。
「二の舞を演じる」「轍を踏む」は同義、「二の足を踏む」はまた違う意味であるということで、違いをしっかり覚えておきましょう。
まとめ
「二の舞」は「演じる」と使うのが正しいということでした。
「二の舞を踏む」も間違いとは言い切れないですが、「二の舞を演じる」でぜひ覚えておきたいところです。
会話の中では「○○の二の舞だ!」などと後半を略して使うことも多いかもしれませんが、「二の舞を演じる」ときちんと使うことができればしっかりした印象になりますね。
ぜひ使ってみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!