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「舌を巻く」という言葉を聞いたことがありますか?
ビジネスシーンでも、テレビでも使われることがあります。
また小説などでもしばしば使われる表現です。
文字通りに解釈すると、舌をクルッと巻いている(笑)ということですから、前後の文脈と繋がらなくて全然意味がわかりませんね。
このような慣用句は、知っていると会話や文章の意味がよくわかりますし、自分の表現も広げることができます。
ぜひ「舌を巻く」について知っておきましょう。
今回は、「舌を巻く」の意味や使い方と由来!目上の人にも使ってもOK?【類義語・例文】についてご説明いたします!
「舌を巻く」の意味
「舌を巻く」は「あまりにもすぐれていてひどく驚く様子」という意味です。
「したをまく」と読みます。
ただびっくりするということではなく、相手に圧倒されて驚くとか、とてもすぐれていて感心するといった驚きを指します。
「舌を巻く」は、非常に驚き感心すること、感嘆することを表す言葉です。
「舌を巻く」の由来
「舌を巻く」はあまりにもすぐれていてひどく驚くという意味でしたね。
普通に「舌を巻く」といえば、いわゆる巻き舌で喋るとか、ふざけて舌をクルッと丸めているのかな?と思ってしまいますよね。
なぜ「舌を巻く」ことがこのような意味になったかというと、それは中国の歴史書に由来します。
『漢書揚雄伝』に「礼官博士巻其舌而不談」という記述があり、この「舌巻」が語源とされています。
「舌巻」は、舌を巻くように折り曲げた状態のことです。
これでは話すことができません。
驚き感心した時には声も出ない状態になってしまうので、この舌を巻いて話せない状態に例えたということです。
他にも、「舌」は言葉のことで、「巻く」は「おさめる」ということなので、「舌を巻く」で「言葉が出ないほど驚く」という意味になったという説などもあります。
「舌を巻く」の使い方
「舌を巻く」は驚き感心して声が出ないぐらいであるということを指して使います。
「驚く」といっても悪い意味で驚き呆れるのではなく、感嘆するといういい意味を表します。
たまに、わざと悪い状態に対して皮肉で「舌を巻くよ」などと使われることもあります。
「あんな言葉遣いがゆるされるなんて、あの会社の社員教育には舌を巻くよ」
この場合は、「社員教育ができていなくて驚き呆れるよ」ということを、わざと「舌を巻く」ということで、「スゴイですね~」と皮肉っているわけです。
まれにこうした使い方もありますが、基本的には「舌を巻く」はいい意味での驚きに対して使う言葉ですので、例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- 彼の営業トークのうまさには先輩たちも舌を巻く。
- これは子供向けのミステリーだが、大人も舌を巻くほどのみストーリー展開だ。
- 彼女の文章のうまさには舌を巻いてしまった。
- 厳しいトレーニングにも弱音の一つも吐かない彼のタフさには監督も舌を巻いた。
目上の人に使ってもOK?
「舌を巻く」は、見事な出来事などに驚く様子を表す言葉ですね。
いい意味なので、ビジネスシーンや社交の場で目上の人にも使えそうですね。
ですが、「舌を巻く」は目上の人にはあまり使わない方がいい言葉です。
理由はいくつかあります。
まず、「舌を巻く」はくだけた印象の言葉なので、目上の人に対しては不適切であるということです。
「感銘を受けました」とか「大変勉強になりました」など、他の言葉に変えた方が無難です。
また、「舌を巻く」は相手のやったことが上手だったり、物がすぐれていたりすることに対して「感心した」ということです。
「感心しました」というのは、こちらが相手を評価しているという意味がありますので、目上の人に対しては失礼になります。
「舌を巻きました!」などというと、「上手ですね」と上から褒めているように取られてしまうかもしれません。
さらに、「舌を巻く」はわざと悪い意味で使って、皮肉を表すこともあります。
せっかくいい意味で使っても、相手の人が皮肉じゃないかと誤解してしまうといけませんね。
これらの理由から、「舌を巻く」は目上の人に向かっては使わず、同等や目下、親しい先輩あたりまでにとどめておくとよいでしょう。
「舌を巻く」の類義語
「舌を巻く」の類義語には次のようなものがあります。
- 感心する(立派な行為やすぐれたものに心を動かされる)
- 感服する(深く感心して尊敬・尊重の気持ちを抱く)
- 驚嘆する(素晴らしい出来事や思いもよらぬことに驚き感心する)
- 脱帽する(相手に敬意を示す。感服する)
- 瞠目する(驚き感心して目をみはること)
- 目をみはる(すぐれたものなどを目の当たりにして驚き感動する)
- 目を丸くする(驚いて目をみはる)
「舌を巻く」の対義語
「舌を巻く」の対義語には次のようなものがあります。
- あきれ返る(途方もないことに出会って非常に驚く)
- 開いた口が塞がらない(呆れ果て、呆然とする)
まとめ
「舌を巻く」は、感心したり圧倒されたりして言葉が出ないほど驚くさまを表す言葉でした。
「舌を巻く」のような、比喩的な表現をいくつも知って使いこなせると、非常に表現の幅が広がります。
簡単な言葉を何度も繰り返すよりも、複雑なニュアンスを表すことができますね。
ぜひ参考になさってください。
最後までお読みくださりありがとうございました!