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「抄録」という言葉をご存知でしょうか。
論文を投稿・発表する人にはお馴染みの言葉でしょう。
ですが、聞いたことがない、知っているけれど意味はわからない、そんな人も多いのではないでしょうか。
「抄録」は「要旨」や「概要」などとも似ていますので、違いもあわせて調べてみました。
今回は、「抄録」の意味とは?使い方や要旨・概要との違いは?|例文についてご説明いたします!
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「抄録」の意味
「抄録」は「原文から必要な部分だけを書き抜くこと」です。
「しょうろく」と読みます。
「抄」は「うつす。抜き書きする」などの意味がある漢字です。
「録」は「しるす。写しとる」「書き記したもの」などの意味があります。
「抄録」は元の文章から必要な部分を抜き書きしたもの、という意味になります。
全体像がわかるような形で必要な部分を書き抜くことで、場合によっては要点をまとめて全体がわかるようにしたものを指すこともあります。
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「抄録」の使い方
「抄録」は原文から必要な部分を抜き書きしたものです。
日常的には、他の本などから文章を抜いて書き記すということは「抜粋」「一部転載」などと言うことが多く、「抄録」という言葉はあまり使わないのではないでしょうか。
「抄録」は、主に「論文を端的にまとめたもの」という意味で、学術論文に関して使われています。
例えば、学会を開催するにあたり、発表者に論文の「抄録」を提出してもらい、事前に内容を確認するということが多いです。
「抄録」を前もって要旨集などに載せて参加者に配って内容を把握しておいてもらう、後日報告書に掲載するなどの使い方をします。
学会の抄録の場合、その研究発表について以下のようなことを決められた長さにまとめます。
- 論文執筆のきっかけ
- 研究の目的
- 具体的な方法
- 結果
- 考察
これを読めば発表内容がだいたいわかり、参加者が「この発表を聴きに行こう」「このような質問をしたい」などと事前に心づもりすることができるわけです。
「要旨・概要」との違いは?
「抄録」は主に論文などで、必要な部分を書き抜いたもの、端的にまとめたもの、ということです。
論文では「要旨」や「概要」を書くということもありますが、いずれも元の長い論文を短くまとめて紹介するものなので、違いがないように思えます。
ですが、「抄録」「要旨」「概要」には、意味の違いがあります。
- 「抄録」は「原文から必要な部分を書き抜いたもの」
- 「要旨」は「述べられたことの主要な点」
- 「概要」は「物事の大体の内容」
「抄録」は「抜き書き」です。
もとの文章の必要部分を抜いてきて書き写すことです。
「要旨」は、元の文章などの大事なところという意味です。
>>「要約・要旨・要点」の違いは?意味や使い分け方を解説!【類義語・例文つき】
「抄録」も要点をまとめたものという意味で使われることもあるので、「要旨」と同じ意味になることもあります。
そして、「概要」は全体の内容をまとめたものです。
>>「概要」の意味と使い方!「内容」との違いや書き方のルールはあるの?【類義語・対義語】
「抄録」は文章の抜き書きまたは要点をまとめたものですが、「概要」は文章だけでなく「話の概要」「事件の概要」など広く使えます。
「抄録」の例文
- 学会の抄録集を読み、どの発表を聞きに行くか検討する。
- 学会発表は初めてなので、先輩に抄録の作成の仕方を教えてもらう。
- 資料を抄録して簡潔にまとめる。
- 「文芸○○」の今月号には○○文学賞の受賞作の抄録と選評が掲載されている。
- 今朝の新聞に、知事会見の抄録が載っている。
「抄録」の類義語
「抄録」の類義語には次のようなものがあります。
- 抜き書き(必要な部分を抜き出して書くこと)
- 抜粋(要所を抜き出すこと)
- 抄出(必要なところを抜き出して書くこと)
- 概要(ものごとのあらまし)
- 大略(おおよそ。あらまし)
- 摘要(要点を抜き書きしたもの)
- レジュメ(要約。研究発表などの要旨を印刷したもの)
「抄録」の対義語
「抄録」の対義語には次のようなものがあります。
- 全文(文章の全体)
まとめ
「抄録」は「原文から必要な部分だけを書き抜くこと」です。
論文などに関しては、「要旨」や「概要」と同じように「研究論文を端的にまとめたもの」という意味で用いられています。
学会や論文に関する文脈で用いられることが多いので、あまり身近ではないかもしれません。
しかし、新聞や雑誌の記事などにも使われていることがある言葉なので、知っておくと理解しやすくなるでしょう。
ぜひ参考になさってくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!