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「蟄虫啓戸」は、春先の暦に出てくる七十二候の一つです。

漢字だけを見ると少し難しく感じますが、意味を知ると、冬から春へ移り変わる様子がとてもよく表された言葉だとわかります。

今回は、「蟄虫啓戸」の読み方や意味、いつ頃の季節を表す言葉なのか、漢字の由来や使い方までわかりやすく解説します。

「蟄虫啓戸」の意味と読み方

「蟄虫啓戸」とは、冬ごもりをしていた虫や生き物が、春の暖かさを感じて外へ出始める頃という意味です。

「蟄虫啓戸」は、「すごもりむしとをひらく」と読みます。

ここでいう「虫」は、現在の意味での昆虫だけを指すわけではありません。

昔の暦における「虫」は、ヘビ、カエル、トカゲなど、地中や穴で冬を越す生き物も広く含んでいました。

「蟄虫」は、土の中や穴の中で冬ごもりをしている虫や生き物のことです。

二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」は、土の中で冬を越していた生き物たちが動き出す頃を表します。

「啓戸」は、戸を開くという意味で、冬の間閉じていた場所から外へ出てくる様子を表しています。

資料によっては、読み方を区切って「すごもりむし とをひらく」と示すこともあります。

また、音読みをもとに「ちっちゅうけいこ」と読む場合もありますが、七十二候としては「すごもりむしとをひらく」と読むのが一般的です。

表記 蟄虫啓戸
読み方 すごもりむしとをひらく
分類 七十二候・啓蟄の初候
時期 3月5日頃から3月9日頃

 

漢字から見る「蟄虫啓戸」

「蟄虫啓戸」は、漢字の意味を分けて考えると理解しやすくなります。

漢字 意味
土の中にこもる、隠れている
虫や小さな生き物、地中で冬を越す生き物
開く、開き始める
戸、入口、閉じていた場所

これらを合わせると、「冬ごもりしていた生き物が、戸を開いて外へ出始める」という意味になります。

実際に生き物が戸を開けるわけではありませんが、長い冬の眠りから目覚め、地上へ姿を現す様子を、戸を開く動作にたとえた表現です。

「蟄虫啓戸」はいつの七十二候?

「蟄虫啓戸」は、二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」に含まれる七十二候です。

啓蟄は、春の気配が濃くなり、土の中の生き物が動き始める頃を表します。

その中で「蟄虫啓戸」は初候にあたり、おおむね3月5日頃から3月9日頃にあたります。

啓蟄の七十二候 読み方 意味
蟄虫啓戸 すごもりむしとをひらく 冬ごもりの虫が外へ出始める頃
桃始笑 ももはじめてさく 桃の花が咲き始める頃
菜虫化蝶 なむしちょうとなる 青虫が羽化して蝶になる頃

啓蟄の三候は、土の中の生き物、桃の花、蝶へと、春の生命の動きが少しずつ目に見える形で広がっていく流れになっています。

「蟄虫啓戸」の由来

「蟄虫啓戸」は、七十二候という暦に由来します。

七十二候は、二十四節気をさらに約五日ごとに分け、自然界の細かな変化を短い言葉で表したものです。

古代中国から伝わった考え方をもとに、日本の気候や暮らしに合うように整えられてきました。

昔の人々にとって、虫や小動物が姿を見せることは、春が本格的に近づいているしるしでした。

農作業を始める時期を知る手がかりにもなり、自然の変化を読むうえで大切な季節の合図だったのです。

「蟄虫啓戸」には、閉ざされていた冬が開き、眠っていた命が動き出すという、春らしい明るい意味が込められています。

「蟄虫啓戸」の使い方と例文

「蟄虫啓戸」は日常会話で頻繁に使う言葉ではありませんが、季節の挨拶文、手紙、俳句や随筆、暦に関する文章などで使うと、春先の雰囲気を上品に表すことができます。

場面 例文
季節の挨拶 蟄虫啓戸の候、春の気配が日に日に濃くなってまいりました。
日記・随筆 庭先で小さな虫を見つけ、蟄虫啓戸の季節を実感しました。
季節の説明 蟄虫啓戸は、冬ごもりをしていた生き物が外へ出始める頃を表す七十二候です。

まとめ

「蟄虫啓戸」は、「すごもりむしとをひらく」と読み、冬ごもりをしていた虫や生き物が、春の暖かさに誘われて外へ出始める頃を表す七十二候です。

二十四節気「啓蟄」の初候にあたり、時期は3月5日頃から3月9日頃です。漢字には、土の中にこもっていた生き物が戸を開いて出てくるような、春の目覚めのイメージが込められています。

まだ寒さが残る時期でも、足元の小さな生き物に目を向けると、春が確かに近づいていることを感じられます。「蟄虫啓戸」は、そうした自然の変化を美しく言い表した言葉です。

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