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「直ちに・速やかに・遅滞なく」日数の目安は?一番すぐにしなくてはいけないのはどれ?

「直ちに・速やかに・遅滞なく」日数の目安は?一番すぐにしなくてはいけないのはどれ?

「直ちに・速やかに・遅滞なく」は、いずれも「すぐに」「早く」といった意味合いの言葉ですよね。

ビジネスシーンでも使いますし、法律や条例の条文にもよく用いられる言葉です。

この「直ちに・速やかに・遅滞なく」の違いや、どれぐらい急いでやったほうがいいのかということはあまり知られていないかもしれません。

「直ちに・速やかに・遅滞なく」には違いがありますので、しっかり理解しておきましょう。

今回は、「直ちに・速やかに・遅滞なく」日数の目安は?一番すぐにしなくてはいけないのはどれ?についてご説明いたします!

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「直ちに」の意味

「直ちに」は「時間を少しも置かず。すぐ」「直接。じかに」という意味です。

「ただちに」と読みます。

「すぐ」という意味で使うことが多く、今回もこちらの意味を見ていきたいと思います。

「直ちに」は極めて短い間にことを行うという意味で使う言葉です。

【例文】

  1. メンバーは直ちに集合してください。
  2. 直ちに仕事に取り掛かります。
  3. 荷物が届いたら直ちに中を確認してください。
  4. 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。(憲法34条前段)

 

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「速やかに」の意味

「速やか」は「物事の進行がはやいさま。時間をおかずにすぐ行うさま」という意味です。

「速やかに」で「すみやかに」と読みます。

これも簡単な言葉で言うと「すぐに」ということですね。

「速やかに」は「できるだけ早く」ということで、時間をおかずにすぐに行うときに使う言葉です。

【例文】

  1. 該当者は速やかに名乗り出てください。
  2. 今後の対応を速やかに決断しなくてはいけない。
  3. 設備に故障が見つかった場合は速やかに修理を行う。
  4. 弁護士会は、前項の弁護人となろうとする者がないときは、当該申出をした者に対し、速やかに、その旨を通知しなければならない。同項の規定により紹介した弁護士が被告人又は被疑者がした弁護人の選任の申込みを拒んだときも、同様とする。(刑事訴訟法31条より)

「遅滞なく」の意味

「遅滞なく」は「遅れを生じさせず、期限の範囲内で行うさま」と言う意味です。

「ちたいなく」と読みます。

「遅滞」とは「物事の進行がとどこおること」という意味ですので、「遅滞なく」は物事がとどこおることなく、遅れることなく」となります。

【例文】

  1. 業務を遅滞なくとり行う。
  2. 大切なイベントの準備を遅滞なく進める。
  3. この書類の提出を求められたときは遅滞なく応じなくてはいけない。
  4. 国又は地方公共団体が登記権利者となって権利に関する登記をするときは、官庁又は公署は、遅滞なく、登記義務者の承諾を得て、当該登記を登記所に嘱託しなければならない。(不動産登記法第116条より)

 

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「直ちに・速やかに・遅滞なく」の日数の目安

「直ちに」も「速やかに」も「遅滞なく」も、いずれの言葉も遅くならないように、早くするという意味では共通していますね。

それぞれ「早く」といっても、どれぐらいの日数で行えばよいのでしょうか。

結論から言うと、「直ちに・速やかに・遅滞なく」の日数の目安は決まっていません。

  • 「直ちに」は「少しも時間をおかずすぐに」
  • 「速やかに」は「できるだけ早く」
  • 「遅滞なく」は「とどこおることなく」

という意味になりますから、正確に○日以内とか○週間以内といった決まりはないのです。

ですので、重要な契約書などでは「直ちに・速やかに・遅滞なく」という表現は避けたほうがよいでしょう。

日数の解釈の違いがトラブルの原因になることもありますので、「○○の時点から起算して○日以内に」などの記載にして、期間を明記した方がよいでしょう。

一番すぐにしなくてはいけないのはどれ?

「直ちに・速やかに・遅滞なく」はいずれも遅くならないように早くするという意味では同じですね。

これらを「すぐにしなくてはいけない順」、つまり即時性が高い方から順に並べると、

直ちに→速やかに→遅滞なく

となります。

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「直ちに」はもっとも即時性が強い

「直ちに」はこの中でもっとも即時性が高く、強制力の強い言葉になります。

「今すぐに!」「即時に!」という感じで、どんな理由があっても遅らせてはいけないという意味です。

強い意味の言葉ですので、重要な条文(人命に影響するようなものなど)や重要な契約書に書かれることも多いです。

「速やかに」は「できるだけ早く」

二番目は「速やかに」です。

「直ちに」ほど「今すぐ!」と緊急性、即時性を要求するものではありませんが、できるだけ早く、という意味になります。

条文などで「速やかに」が用いられる場合は、罰則が設けられていないようなものに対して使います。

できるだけ早く行うように、という努力義務の意味です。

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「遅滞なく」は最も即時性が弱い

この中で一番即時性が弱いのは「遅滞なく」です。

「滞ることなく」という意味なので、期限の範囲内で、合理的な期間内に、ということです。

事情の許す限り早く、というニュアンスで、つまり正当な理由があれば少し遅れても許されるという意味を含んでいます。

ですので、この中では一番急がないということになります。

ですが、正当な理由がない場合は遅らせてはいけないという義務の意味も含まれていますので、大幅に遅れた場合は罰則があるというような条文に使われることもあります。

「直ちに」→「速やかに」→「遅滞なく」の順で早くしなくてはいけないという解釈が一般的です。

ですが、「直ちに」→「遅滞なく」→「速やかに」の順とされることもあります。

「速やかに」はできるだけ早くという努力義務の意味の言葉ですので、「速やかに」のついた条文には罰則がないことが多いことが理由です。

このように、即時性の強さの順は、言葉の意味の解釈の仕方によって違ってくることがありますので、「直ちに・速やかに・遅滞なく」といった言葉を使う際にはお互いの認識が共通しているかどうか気をつけたほうがよさそうです。

まとめ

「直ちに・速やかに・遅滞なく」は、それぞれ意味の違いがありましたね。

○日以内に、などというのと比べると、日数がはっきり決まっているわけではないので曖昧さはあります。

重要な契約などでは避けたほうがよい表現かもしれませんが、何かとよく使われる言葉ではあります。

出てきたときには時間的な緊急度などにも気をつけて解釈したいですね。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。
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