言葉の意味と使い方

「撤回」と「取り消し」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・例文】

「撤回」と「取り消し」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・例文】

「撤回する」

「取り消しする」

どちらも、何かをなかったことにする、やめるというような時に使う言葉ですよね。

ビジネスシーンでも日常でも、何かとよく使う言葉です。

ですが、この「撤回」と「取り消し」はどう違うのかということについてはあまり考えたことがないのではないでしょうか。

ほぼ同じように使われている「撤回」と「取り消し」ですが、詳しく見てみると意味の違いがありました。

今回は、「撤回」と「取り消し」の違いは?意味と使い方を解説!【類義語・例文】についてご説明いたします!

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「撤回」の意味と使い方

「撤回」は「いったん提出・公示したものを取り下げること」です。

「てっかい」と読みます。

法律用語としては、「民法上、意思表示をしたものが、その行為を将来に向かって無効とさせること」という意味になります。

ちょっと難しく感じますが、どちらの意味でも要するに、一旦意思表示して成立したことを、後になって無効にするということです。

「前言撤回」という四字熟語がよく使われますが、これは「前に言った言葉を取り消すこと。すでにした発言を打ち消すこと」という意味です。

前に、その時はこうだと思って発言したことを、後になってやっぱり意見が変わったとか不都合が生じたとかで、やっぱりその発言を取り消します、という時に使います。

政治家や文化人などが「前言撤回」した、などとニュースでもよく聞きますよね。

「撤回」は、このように一度提出したり、公に述べたりした物事の効果を、当の人が将来に向けて消滅させるということを表します。

【例文】

  1. すぐに前言撤回するような人は信用されない。
  2. 周りの人の意見を聞き、一度決めた処分を撤回することにした。
  3. 今年、この祭りの昔からのきまりである「女人禁制」が撤回された。
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「取り消し」の意味と使い方

取り消し

「取り消し」は「取り消すこと。撤回・解消すること」という意味です。

「とりけし」と読みます。

こちらも法律用語としての意味もあり、「公法上・私法上の意思表示または法律行為に瑕疵のある場合に、当事者の意思表示によりその効力を無効にすること」となります。

やはり難しい言い回しですが、要するに、「取り消し」はある行為について、そのなされた過程に問題があるということで、それを遡って無効にするということです。

【例文】

  1. 都合が悪くなって、歯医者の予約の取り消しをする。
  2. 彼は交通違反を繰り返し、とうとう免許取り消しになった。
  3. ウィンドウズの場合、Ctrlキーを押しながらZキーを押すと直前の操作を取り消すことができます。

「撤回」と「取り消し」の違いは?

「撤回」も「取り消し」も、いわゆる「取り消すこと」ですよね(笑)。

同じように使われる「撤回」と「取り消し」ですが、その違いは

  • 「撤回」は「その時点から取り消すこと」
  • 「取り消し」は「遡って最初から取り消すこと」

となります。

例えば、「撤回」と「取り消し」はどちらも法律関係の用語としても使います。

行政行為における「撤回」と「取り消し」の意味を比べてみましょう。

  • 「撤回」は「成立当時は瑕疵はなく、そのあとに問題が生じたためにその行政行為の効力を将来に向けて失わせること」
  • 「取り消し」は、「成立当初から瑕疵のある行政行為について、その効力を遡って当初から失わせること」

と区別されています。

「撤回」は、あとから不都合があったり意見が変わったりしたために、途中で「これ以降はやめます」「これからはなかったことにします」と、一度出した発言や文書などをひっこめるということです。

「取り消し」は、一度発言や記載したことを、あとから「やっぱりなかったことにする」「はじめからなかったことに」と、成立当初に遡って打ち消すということです。

「前言を撤回する」なら、「前はこう言っていたけれど、考えが変わったのでこれからはこういう意見です」と、「その時点から前言を無効にする」ということになります。

「予約を取り消しする」なら、「やっぱり予約をなかったことに」「そもそもの予約をする前の白紙に戻します」という、「遡って成立当初から無効にする」ということになりますね。

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「撤回」と「取り消し」の類義語

「撤回」と「取り消し」の類義語には次のようなものがあります。

  • 撤去(取り払うこと)
  • 撤退(軍隊などが陣地や拠点を引き払って退くこと)
  • 廃止(やめて行わなくすること)
  • 破棄(破り捨てること。取り決めなどを一方的に取り消すこと)
  • 廃棄(やめて不要にすること)
  • 取りやめ(予定していたことをやめること)
  • キャンセル(契約や予約を解除すること)
  • 解約(一旦結んだ契約を解消させること)
  • 中止(中途でやめること)

「撤回」と「取り消し」の対義語

「撤回」と「取り消し」の対義語には次のようなものがあります。

  • 提出(書類や資料などをある場所に差し出すこと)
  • 決定(決めること)
  • 適用(法律や規則などを事例に当てはめて用いること)
  • 決定(決めること)

まとめ

「撤回」と「取り消し」は、どちらも発言や行為、文書などを取り消すことなので、同じように使われています。

ですが、厳密には「これ以降取り消し」なのが「撤回」で、「初めから取り消し」なのが「取り消し」という意味の違いがありました。

ぜひ区別して使ってみてはいかがでしょうか。

最後までお読みくださりありがとうございました!

ABOUT ME
三角 彩子
大学卒業後、出版社にて秘書・経理補助などの職種を経験。 退職後は塾講師、高校国語(現代文、古文、漢文) の添削指導員などを経て、長女を出産後は在宅でライターをしています。 社会人経験や国語の知識を活かし、秘書検定やビジネスマナー、国語などに関するライティングを主に行なっています。