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「やぶさかではない」という言葉を知っていますか?
使ったことがないと言う人も多いかもしれませんね。
古めかしい言葉なので、年配の方が使うことが多いかもしれません。
でも、いざ会話の中や文書中で「やぶさかではない」と使われたときに、意味がわからないと困ってしまいますよね。
今回は、「やぶさかではない」の意味と使い方!言葉の由来は?についてご説明いたします!
「やぶさかではない」の意味
「やぶさかではない」の意味を調べてみましょう。
「やぶさかではない」は、「やってもよい」「どちらかといえばやりたい」「むしろやりたい」といったおおむね肯定的、積極的な意思を表す表現です。
「やぶさか」は漢字で「吝か」と書きます。
手紙などで、漢字で「吝かではない」と書かれていても読めるように覚えておきましょう。
「やぶさかではない」の誤用に注意!
「やぶさか」というのが「気が進まない」「気乗りしない」といった気持ちを表す言葉なので、それを否定系にすることで「気が進まないの反対=結構やりたい」という意味になるんですね。
ちなみに、「ではない」という否定的な表現が使われているので、後ろ向きな意味に誤解されて使われることも多いです。
「あまりやりたくないがやってもいい」「いやだけれど仕方なくやる」というような意味ではありませんので注意しましょう。
「やぶさかではない」の使い方
「やぶさかではない」は「(積極的に)やってもよい」というような意味です。
ですので、普通に何かして欲しいと言われたときに「やぶさかではありません」などと使うことができます。
ただし、普段の日常会話の中では、年配の方を除いてはあまり使わない言葉だと思います。
少し仰々しい感じがしますよね。
正しい意味を知らない人も多いので、伝わりにくいかもしれません。
わざと仰々しくしたいような、政治家の答弁や、堅苦しい内容の仕事のときなどに使われることが多いです。
普段の仕事のやり取りの中では「喜んでさせていただきます」「やりたいです」などと平易な表現で表した方が伝わりやすいのではないでしょうか。
また、「やぶさかではない」は、「条件付きでやってもよい」というときに使われることもあります。
「こうしてくださったら、やってもいいと思っていますよ」というような気持ちを表すときに、「やぶさかではない」という否定形を用いた婉曲な肯定表現がちょうどよいのです。
「やぶさかではない」は遠回しな表現なので、昔よりストレートな表現が好まれるようになってきた現代ではあまり使われることがなくなっています。
しかし、遠回しなゆえに、物事を荒立てずに円滑に進めていきたいときには適した表現なんですね。
【例文】
- 彼の業績を認めることにやぶさかではない。
- 協力させていただくことにやぶさかではありません。
- 参加させていただくことにやぶさかではありませんが、都合で午後からしか伺えません、よろしいでしょうか?
- 私もそれをすることにやぶさかではなかったが、年のせいか少し疲れてしまった。
「やぶさか」の語源は?
もともと「やぶさか」とは、平安時代の古語「やふさし」「やふさがる」から来ていると言われています。
「やふさし」はけちであるという意味の形容詞です。
確かに、「吝か」の「吝」という字は「吝嗇」(りんしょく=けちの意)という熟語でよく目にしますよね。
「やふさがる」は動詞で、物惜しみするという意味です。
鎌倉時代の中期になると「やふさし」「やふさがる」が変化して「やふさか」という語になり、やがて濁音化されて「やぶさか」となったそうです。
物惜しみする、けちであるという言葉を「ではない」と打ち消すことで「物惜しみをしないで、ケチケチしないでやる」という意味の「やぶさかではない」が使われるようになり、現代まで残っているというわけです。
今では使われない古語に由来するということもあって、「やぶさかではない」は少し堅苦しいイメージがあるのでしょう。
また、今では使われない古語に由来しているので、意味がわかりづらく、間違った使い方をされることがあるのでしょう。
まとめ
「やぶさかではない」は「やぶさか」という言葉を打ち消すことで肯定的な気持ちを表す表現でした。
やはり、現代人の我々にとっては少し回りくどい感じがしますよね。
しかし、あえて婉曲的な表現をすることで、角をたてないように条件をつけたり、もったいぶった感じを出したりといった微妙な表現をすることができます。
これも日本語ならではのテクニックなのではないでしょうか。
よろしかったら参考になさってみてくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!