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ビジネスシーンではよく耳にするけれど、普段の会話で使わない言葉ってたくさんありますよね。
「ご尽力」「お力添え」なんていう言葉もそうではないでしょうか。
なんとなく「力になってもらう」みたいな意味?と想像して、深く考えずに使っているかもしれませんね。
実は同じ意味に思える「ご尽力」と「お力添え」ですが、その意味合いや使い方には違いがあるんです!
それぞれの意味や使い方をきちんと知って、仕事をしていく上で正しい表現を使いこなしたいものですよね。
そこで、今回はこの「ご尽力」と「お力添え」についてご説明いたします!
「ご尽力」と「お力添え」の意味
「ご尽力」の「尽力」は、「力を尽くす」と書きます。
文字通り、「力を尽くすこと」「骨折り」という意味の言葉です。
精一杯努力して力を尽くす、ということですね。
「ご尽力」は、そこに丁寧な「ご」がついていますので、目上の人に対して、努力して助けていただいた感謝の気持ちを込めた言葉ということになります。
一方、「お力添え」の方はどうかというと、「力添え」は「力を添える」ですから、そのまま「援助」「助力」という意味です。
これも「お」がついていますので、「お力添え」は目上の人に対して、協力していただいた感謝の気持ちを込めた言葉ということになります。
「ご尽力」が「努力して助けていただくこと」であるのに対し、「お力添え」は「力を貸していただくこと」ですから、「努力して」という意味は含みません。
同じ「助けていただくこと」という意味でも、「ご尽力」と「お力添え」ではニュアンスが異なるんですね。
「ご尽力」と「お力添え」の使い方
上で述べたように、「ご尽力」と「お力添え」では少し意味合いが違ってきます。
しかし、どちらも「助けていただいてありがとうございます」というような意味合いではあるので、一般的に助けてもらったお礼を述べる際には使えます。
【例文】
- ご尽力いただきありがとうございます
- ご尽力を賜り、感謝申し上げます
- 日頃よりお力添えを賜り、まことにありがとうございます
これらの文のような場合は、「ご尽力」と「お力添え」を入れ替えても大丈夫です。
「ご尽力」「お力添え」は、相手を敬う敬語表現です。
どちらも社外の人や上司など、目上の人に対して使うようにしましょう。
部下など目下の人に対して「お力添えありがとう」などと使うのは不自然です。
「尽力」の使い方
「ご尽力」と「お力添え」には、先に述べたようなニュアンスの違いがありますので、必ずしも常に同じように使えるというわけではありません。
例えば、「ご尽力」の「尽力」は、「力を尽くす」「努力して力になる」というような意味合いですので、自分に対して使うことができます。
目上の人に対して「努力します」「頑張ります」と伝えるときに、尊敬(丁寧)語の「ご」を取って、「尽力いたします」のように使えます。
「お力添え」は、自分が主体となっていることに相手が協力してくれる、という意味ですから、「力添えいたします」とは使いません。
「お力添え」が適切な場合
逆に、「ご尽力」は不適切だけれど「お力添え」は使える、という場合もあります。
それは、相手に協力をお願いするときです。
「ご尽力」は「努力して助ける」意味なので、「ご尽力おねがいします」などと言ってしまうと、目上の人に努力することをお願いすることになってしまい、失礼に当たるからです。
【例文】
- お力添えを賜りますようお願い申しあげます。
- 今後ともお力添えのほどよろしくお願いいたします。
類語
「ご尽力」「お力添え」に似ている表現としては、「ご協力」「ご支援」「お手伝い」などがあります。
いずれも力を貸してもらうことを丁寧に表していますので、目上の人に対してお礼やお願いをするときに使うことができます。
【例文】
- ご協力賜り、まことにありがとうございます
- ご支援のほどよろしくお願いいたします
- お手伝いくださいましてありがとうございました
「ご尽力」「お力添え」に比べると、普段から使う言葉ですよね。
メールや書面ではなく、口頭で挨拶する場合にはこちらの方が言いやすいかもしれません。
ただし、これらは決して失礼な表現ではありませんが、耳慣れた言葉なので、どうしても丁寧さの度合いが低く感じられてしまいます。
「ご尽力」「お力添え」の方が書き言葉的で、かしこまった印象になります。
どのような内容の書面か、相手がどのぐらい目上の立場かなど、時と場合によって「ご尽力」「お力添え」を選ぶと良いのではないでしょうか。
まとめ
「ご尽力」と「お力添え」についてご説明してまいりました。
二つの言葉の意味や使い方をお分かりいただけましたでしょうか。
決して普段の会話の中で気軽に使う言葉ではありません。
だからこそ、使い方をきちんと理解して使うことができると、相手に自分の感謝や尊敬の気持ちを伝えることができますよね。
「ご尽力」と「お力添え」の使い方をしっかりマスターして、ぜひ使ってみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました!