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「晩冬」という季語をご存じでしょうか。
俳句や連歌を作るうえで欠かすことの出来ない季語。
様々な美しい表現が特徴的ですが今回はその中の1つ「晩冬」について解説していきます。
「晩冬」について基本的な意味や使い方はもちろん、いつの季語なの?といった疑問や「晩冬」を使った俳句もご紹介いたします。
「晩冬」の意味と読み方
「晩冬」とは、冬の終わり頃を表現した言葉です。
旧暦12月の別称でもあり、冬の一番最後の月を指しているんですよ。
読み方は「ばんとう」です。
1月5日前後の「小寒」から2月3日前後の「立春」までの約一か月間を指しています。
大寒も終わり、厳しい寒さに耐えた事への喜びと、冬の中に見え隠れする小さいながらもはっきりとした春の気配を感じる事が出来た喜びを同時に感じることの出来る言葉です。
「晩冬」はいつの季語?
「晩冬」は俳句を作るうえで「冬」の季語となっています。
冬の中でも終わり頃である「晩冬」の季語です。
子季語には「季冬」「下冬」「末の冬」などがあります。
「晩冬」の使い方
「晩冬」という言葉は俳句の季語として使われている他、ビジネス文書などの時候の挨拶の1つとしても使われています。
それが「晩冬の候」です。
この「晩冬の候」も季語同様小寒から立春前日まで使う事が出来ます。
寒さが厳しくなる時期を含んでいるので、受け取る相手の体調などを気遣う言葉とセットで使うと柔らかく優しい印象を与える事が出来ますよ。
例文
- 「もうすぐ晩冬か」
- 拝啓 晩冬の候、貴社におかれましてはますますご多忙の事と拝察いたします。
- 拝啓 晩冬の候、貴社には一段とご多忙の段、何よりと存じます。
「晩冬」の類語
「晩冬」と同じく、冬の終わり頃を表現する言葉には「杪冬(びょうとう)」があります。
「杪」という漢字には「末」や「終わり」という意味があり、冬の終わりを表現している言葉となります。
この「杪冬」も旧暦12月の別称となっているんですよ。
「晩冬」を使った俳句
冬尽きて曠野の月はなほ遠き
(ふゆつきて あらののつきは なおとおき)
飯田蛇笏
青淵に入る泥水冬の果
(せいえんに はいるどろみず ふゆのはて)
辻桃子
長き冬去ると或る朝言ひて起く
(ながきふゆ さるとあるあさ いいておく)
細見綾子
まとめ
季語は俳句だだけではなく、手紙やビジネス文書などの時候の挨拶でも多く使われており数多く覚えて損はありません。
春夏秋冬、日本を美しく彩る四季ならではの情景を繊細かつとても美しく表現した言葉ばかりなので眺めているだけでもとても楽しいんですよ。
季語と実際の景色を見比べる、などという楽しみ方も面白いですね。
日本にしかない「季語」という言葉で季節の移り変わりをより詳しく感じてみてはいかがでしょうか。