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社会に出て様々な人と関わるようになると、今まで使う機会のなかったような言葉を色々と使いますよね。
言葉は、使い方を間違ってしまうと相手からの信頼を失ったり、誤解されたりといったトラブルを招きます。
例えば「お気遣い」と「お心遣い」は、一文字しか違いませんよね。
「お気遣いありがとうございます」「お心遣いありがとうございます」などと使いますね。
しかし、この二つの言葉、意味や使い方に違いがあるんです。
今回は、この「お心遣い」と「お気遣い」の意味や使い方についてご説明いたします!
「お気遣い」の意味と使い方
まずは「お気遣い」の意味を考えてみましょう。
「気遣い」とは、辞書を引くと「①あれこれと気を使うこと。②よくないことが起こる恐れ。」と二つの意味があります。
ここでの「お気遣い」は、相手にお礼を言ったり、遠慮をしたりする時に使う言葉ですので、①の意味になります。
「お気遣い」は、それに尊敬(丁寧)語の「お」がついたものです。
つまり、「お気遣い」とは、相手が自分に対して気を使ってくださること、配慮してくださることという意味です。
相手が気を使ってくださったことを感謝する時に「お気遣い(いただき)ありがとうございます」などと使います。
もしくは、「どうぞお気遣いなく」と、相手に気を使っていただかなくても結構ですよ、と伝える時にも使います。
「お心遣い」の意味と使い方
「心遣い」は「①あれこれと気を配ること。心配り。②祝儀。心付け。」とあります。
「お心遣い」はもちろん①の意味ですね。
「お心遣い」とは、相手が自分に対して気を配ってくださること」という意味です。
相手の心遣いに感謝する時に「お心遣い(いただき)ありがとうございます」などと使います。
「お気遣い」と「お心遣い」の違い
あれ?
「お気遣い」と「お心遣い」はやっぱり同じじゃないの?と思われたかもしれませんね(笑)。
確かに、辞書の定義ではとても似ているように思えますが、二つの言葉にはニュアンスの違いがあります。
お気遣い
「お気遣い」は、「気を使う」ですから、神経を使って相手のために行為をしたり言葉をかけたりすること、を意味します。
例えば、相手がお茶を出してくれたとか、こちらの体調を心配して声をかけてくれたとか、そういった時に使います。
なので、相手がお茶を出そうとした時に「どうぞお気遣いなく」と使えるわけですね。
お心遣い
一方「お心遣い」のほうは、「心をつかう」わけですから、真心や思いやりを示してくれること、という意味合いが強いのです。
相手が思いやりを示してくれた時に「温かいお心遣いありがとうございます」とは言いますが、「暖かいお気遣い」とは言いません。
また、先ほどのようにお茶を出してもらった時に「お気遣いなく」とは言っても「お心遣いなく」とは言いません。
「神経を使わないでください」という意味はあっても、「思いやりを示さないでください」ではおかしいですからね。
分かりやすいようにまとめてみましょう。
- 「お気遣い」は、「気を使うこと」
- 「お心遣い」は、「思いやりを示すこと」
となるわけですね。
「お気遣い」と「お心遣い」の例文
「お気遣い」と「お心遣い」の違い、まだ少しわかりにくいかもしれませんね。
例文をあげて説明してみましょう。
【例文】
- (体調を心配されて)お気遣いくださいましてありがとうございます。
- (お茶やお菓子を用意されて)どうぞお気遣いなく。
- (入院時に見舞いの品を贈られ)お心遣いいただきありがとうございます。
- (いつも親切にしてくれる人に)いつもながらの温かいお心遣いに感謝しております。
上司や目上の人に使う時は?
「お気遣い」、「お心遣い」、いずれも「お」がついており、目上の人など敬意を払うべき相手からの気配りなどを表す言葉です。
なので、上司に対して「お気遣いありがとうございます」「お心遣いありがとうございます」などと使う分には問題ありません。
どんどん使って、社内の人間関係を円滑にしたいものですね(笑)。
ただし、ビジネスシーンでは「お気遣い」「お心遣い」の使い方には気をつけましょう。
書状やメールのうち、手紙のようなものや挨拶状などには使えますが、報告書、企画書、レポート等の中で使うのはふさわしくありません。
そうした堅いビジネス文書では、「こころ」「つかう」といった訓読みをする和語は、基本的には不適切であるとされているからです。
音読みの言葉である「ご配慮」などがほぼ同じ意味で使われることになります。
まとめ
「お気遣い」と「お心遣い」の違いや使い方について、お分りいただけましたでしょうか。
日本語にはこのように相手に敬意と感謝を伝えるような言い回しがたくさんあります。
直接的に「◯◯をしてくれてありがとうございます」と言うよりも、「お気遣い」「お心遣い」を使うことで相手の気遣いや真心に感謝していることを伝えられますよね。
ビジネスに、プライベートに、とても使える美しい表現です。
ぜひ活用してくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!
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