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「そうぶんぜ」という怖い話をご存知でしょうか?
そうぶんぜは何パターンかあり、地域などによって話の内容が変わることが多い怖い話です。
今回は「そうぶんぜ」の怖い話をご紹介します。
「そうぶんぜ」怖い話
夏休みの合宿の夜、消灯時間も過ぎて、皆が布団の中でひそひそと話していたとき。
突然、クラスのムードメーカーのユウキが言い出した。
「なあ、『そうぶんぜ』やってみない?」
「そうぶんぜ?」
聞いたことのない言葉に、みんなキョトンとした。
「知らないの? 面白いんだよ、ちょっと怖いやつでさ。…でも、本気でやらなきゃダメだよ?」
そう言って、ユウキは小さな声で“遊び方”を語り始めた。
「やる人は円になって、隣同士の手をしっかり握って。俺が司会者をやるから、みんな目をつぶって、言うことをよく聞いて。」
「目を閉じると、目の前にドアが二つあるのが見えるよ。まず、右のドアに入って。中にはちょうちんがひとつ、それから――人の小指が、ぽつんと落ちてる。」
「ちょうちんを右手に。小指は、左手で持ってね。」
そこまで聞いて、私は冗談じゃないと思った。頭の中で妙にリアルに情景が浮かんでしまって、気持ちが悪かった。
でも、みんなが「やろうやろう」って乗り気で、私も仕方なく目を閉じた。
「次のドアを開けると、野原が広がっている。そのまま前を見て歩いて。振り返っちゃいけない。……もし途中でお婆さんがいたとしても、絶対に触れちゃダメ。声をかけられても無視して。」
「野原の向こうに、お坊さんが見えたら、それがゴール。見えたら、ゆっくり目を開けて。」
しんと静まり返る部屋の中で、みんな目を閉じたまま、手をつないでじっとしていた。
私は頭の中に広がる野原をぼんやり想像していた。風が吹いていて、草が揺れていて、なぜか遠くにりんごの木が何本も立っていた。
でも――
「……さむい……」
右手を握っていた友達、ミナミの手が震えていた。
手が汗ばんで、指先がひくひくと動いている。
「……さむい……つめたい……だれ……?」
ぞわっと鳥肌が立った瞬間、ユウキの声が急に響いた。
「おい、みんな、ちょっと待って……! これ、やばいかも……!」
その声があまりにも真剣だったから、誰も冗談だとは思わなかった。
「やばいって、どういうこと!?」「ミナミが……動かない……!」
ミナミは目を閉じたまま、口をわずかに開けてぐったりしていた。
その場の空気が凍りついた。
「先生呼んでこようか!?」「救急車?」「……ねぇ、マジで呪いとかあるの!?」
パニック寸前だったそのとき――
ユウキとミナミが、顔を見合わせて、
「うっそ〜〜〜〜〜♪」
と、声をそろえて笑い出した。
……あまりにも突然すぎて、数秒間誰も反応できなかった。
「だから言ったじゃん。そうぶんぜって遊びは、そういうやつなんだよ!」
「逆から読んでごらん? ぜんぶうそ。全部ウソなの!」
なんてことないドッキリ。仕掛け人は最初から決まっていて、みんなを怖がらせるための遊び。
……ただの冗談。ほんの悪ふざけ。
ここからはパターン2のオチ
……なのに、その夜。
みんなが眠りについてから、私はふと目を覚ました。
布団の横で、誰かの声がした。
「さむい……つめたい……だれ……?」
握っていたはずのミナミの手が、まだ、私の手を強く握りしめていた。
……でも。
起きたとき、私の隣の布団は、空っぽだった。
違う「そうぶんぜ」のパターン
こちらのそうぶんぜは話していたことが本人の記憶と違うパターンです。
まとめ
「そうぶんぜ」は言葉遊びのような怖い話となっていますが、中には「シャレにならなかった」というそうぶんぜのお話もあります。
他にも似たような怖い話もあるのでぜひ見ていってくださいね。
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