「東風凍を解く」の意味や読み方と由来
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暦や季節の言葉を見ていると、「東風凍を解く」という表現に出会うことがあります。
漢字だけを見ると、「とうふう?」「こち?」と読み方に迷う方も多いのではないでしょうか。
「東風凍を解く」は、七十二候の一つで、春の風が吹き始め、冬の氷を少しずつ解かしていく頃を表す言葉です。
今回は、「東風凍を解く」の意味や読み方、由来、時期、使い方についてご説明いたします!
目次
「東風凍を解く」の意味とは?
「東風凍を解く」は、春先に吹く風が、川や湖などに張った氷を解かし始める頃という意味です。
冬の厳しい寒さが少しずつゆるみ、自然の中に春の気配が表れ始める様子を表しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 言葉 | 東風凍を解く |
| 読み方 | はるかぜこおりをとく |
| 意味 | 春風が吹き、川や湖の氷を解かし始める頃 |
| 分類 | 七十二候の第一候、立春の初候 |
| 時期 | 2月4日頃から2月8日頃 |
「東風凍を解く」は、自然の変化をそのまま言葉にした表現です。
冬の氷が一気に溶けるというよりも、春の気配を含んだ風によって、少しずつ氷がゆるみ始めるようなイメージですね。
「東風凍を解く」の読み方
「東風凍を解く」は、「はるかぜこおりをとく」と読みます。
表記としては「東風解凍」と書かれることも多く、この場合も読み方は「はるかぜこおりをとく」です。
また、「東風凍解」と表記されることもあります。いずれも、七十二候の同じ季節を指す言葉として使われます。
| 表記 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 東風凍を解く | はるかぜこおりをとく | 春風が氷を解かし始める頃 |
| 東風解凍 | はるかぜこおりをとく | 七十二候でよく使われる表記 |
| 東風凍解 | はるかぜこおりをとく | 同じ意味で用いられる表記 |
「東風」は一般的には「こち」と読みます。
「こち」は、春先に吹く東寄りの風のことです。
ただし、七十二候の「東風解凍」では、読み下しとして「はるかぜ」と読ませます。
そのため、漢字をそのまま「とうふうこおりをとく」と読んでも意味は想像できますが、暦の言葉としては「はるかぜこおりをとく」と覚えておくとよいでしょう。
「東風凍を解く」はいつの季節?
「東風凍を解く」は、二十四節気の「立春」の初候にあたります。
七十二候では第一候にあたり、暦の上で春が始まる最初の候です。
時期は、例年2月4日頃から2月8日頃です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 二十四節気 | 立春 |
| 七十二候 | 初候・第一候 |
| 時期 | 2月4日頃〜2月8日頃 |
| 季節感 | 寒さの中に春の気配が見え始める頃 |
| 次の七十二候 | 黄鶯睍睆(うぐいすなく) |
2月上旬というと、実際にはまだ寒さが厳しい地域も多いでしょう。
ですが、暦の上ではこの頃から春が始まります。日差しが少し明るくなったり、梅のつぼみがふくらんだり、自然の中には小さな春の兆しが見え始めます。
「東風凍を解く」は、そのような冬から春へ移り変わる一瞬をとらえた言葉なのです。
「東風凍を解く」の由来
「東風凍を解く」は、七十二候に由来する言葉です。
七十二候とは、一年を約五日ごとに七十二に分け、気候や動植物の変化を短い言葉で表したものです。
「東風凍を解く」は、その七十二候の第一候です。
つまり、一年の季節の巡りを細かく見る暦の中で、最初に置かれている候ということになります。
では、なぜ「春風」ではなく「東風」と書くのでしょうか。
これは、七十二候がもともと中国から伝わった暦であり、陰陽五行の考え方では春は東に対応するとされたことに由来します。
そのため、春をもたらす風を「東風」と表したのです。
| 言葉 | 由来・考え方 |
|---|---|
| 東風 | 春を表す方角である「東」から吹く風。春風の意味を持つ。 |
| 凍を解く | 冬の間に張った氷が、暖かさによって解け始める様子。 |
| 七十二候 | 自然の変化を約5日ごとに表した暦の区分。 |
| 第一候 | 立春のはじめにあたり、暦の上で春の始まりを告げる。 |
「東風凍を解く」は、単に気温が上がることを表しているだけではありません。
冬の間、かたく閉ざされていたものが、春の風によって少しずつほどけていく。そのような情景や気持ちの変化まで感じさせる言葉です。
「東風」とはどんな風?
「東風」は、一般的には「こち」と読みます。
春先に吹く東寄りの風を指し、古くから春を告げる風として親しまれてきました。
東風は春の季語でもあり、和歌や俳句にもよく登場します。
特に有名なのが、菅原道真の次の和歌です。
東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花
主なしとて 春を忘るな
これは、菅原道真が太宰府へ左遷される際、自宅の梅に向けて詠んだとされる歌です。
「春になって東風が吹いたら、その風に乗せて梅の香りを私のもとへ届けておくれ。主人がいないからといって、春を忘れないでおくれ」という意味です。
この歌からもわかるように、東風は梅の香りや春の訪れと深く結びついた言葉です。
東風を使った季節の言葉
「東風」は、ほかの言葉と組み合わせて使われることもあります。
たとえば、梅の咲く頃に吹く東風を「梅東風」、桜の頃に吹く東風を「桜東風」といいます。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 梅東風 | うめごち | 梅の咲く頃に吹く東風 |
| 桜東風 | さくらごち | 桜の咲く頃に吹く東風 |
| 雲雀東風 | ひばりごち | ひばりが鳴く頃に吹く東風 |
| 朝東風 | あさごち | 朝に吹く東風 |
| 夕東風 | ゆうごち | 夕方に吹く東風 |
| 雨東風 | あめごち | 雨をともなって吹く東風 |
このように、東風はただの風向きではなく、季節の情景を細やかに表す言葉として使われてきました。
同じ春の風でも、梅の頃、桜の頃、朝、夕方、雨の日など、場面によって呼び名が変わるのは美しいですね。
「東風凍を解く」の使い方・例文
「東風凍を解く」は、日常会話で頻繁に使う言葉ではありません。
ですが、季節の挨拶、手紙、俳句、エッセイ、カレンダーの文章などでは、春の始まりを表す表現として使うことができます。
| 場面 | 使い方の例 |
|---|---|
| 手紙・挨拶文 | 東風凍を解く頃となり、少しずつ春の気配が感じられるようになりました。 |
| 季節の文章 | 東風凍を解く季節、川面の氷もゆるみ始めます。 |
| 俳句・短文 | 東風凍を解く朝、梅のつぼみがふくらんでいた。 |
| 暦の説明 | 立春の初候は「東風凍を解く」といい、春風が氷を解かし始める頃を表します。 |
少しかしこまった表現ですので、ビジネスメールなどで使う場合は、相手との関係や文章全体の雰囲気に合わせるとよいでしょう。
たとえば季節の挨拶として使うなら、次のような形が自然です。
東風凍を解く頃となりましたが、まだ寒い日が続いております。どうぞご自愛ください。
難しい言葉ではありますが、意味を添えて使えば、季節感のある上品な挨拶になります。
「東風凍を解く」と「立春」の関係
「東風凍を解く」は、立春と深い関係があります。
立春は、二十四節気の一つで、暦の上で春が始まる日です。
七十二候では、一つの二十四節気をさらに三つに分けます。立春の場合は、次の三つの候があります。
| 立春の七十二候 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 東風解凍 | はるかぜこおりをとく | 春風が氷を解かし始める頃 |
| 黄鶯睍睆 | うぐいすなく | うぐいすが鳴き始める頃 |
| 魚上氷 | うおこおりをいずる | 割れた氷の間から魚が跳ね上がる頃 |
この流れを見ると、立春の中でも少しずつ春が進んでいく様子がわかります。
最初に春風が氷を解かし、次にうぐいすが鳴き、やがて魚が氷の間から動き出す。
七十二候は、季節の変化をとても細やかに表しているのです。
まとめ
「東風凍を解く」は、「はるかぜこおりをとく」と読みます。
意味は、春の風が吹き、冬の間に張った川や湖の氷を少しずつ解かし始める頃ということです。
七十二候の第一候であり、二十四節気では立春の初候にあたります。時期は、例年2月4日頃から2月8日頃です。
「東風」は一般的には「こち」と読み、春先に吹く東寄りの風を表します。七十二候では「はるかぜ」と読ませ、春の訪れを告げる言葉として使われています。
まだ寒い時期ではありますが、「東風凍を解く」という言葉を知ると、冬の中にも春の兆しを見つけやすくなりますね。
暦の言葉は、季節を少し丁寧に感じるための手がかりになります。
ぜひ、立春の頃には「東風凍を解く」という美しい表現を思い出してみてくださいね。
