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暦や季節の言葉を調べていると、「蚕起食桑」という少し難しい表記に出会うことがあります。

漢字だけを見ると読み方がわかりにくい言葉ですが、これは七十二候のひとつで、蚕が目覚めて桑の葉を食べ始める頃を表しています。

今回は、「蚕起食桑」の意味や読み方、由来、時期、使い方についてご説明いたします!

「蚕起食桑」の意味とは?

「蚕起食桑」とは、蚕が起きて桑の葉を食べ始める頃という意味です。

「蚕起食桑」は、「かいこおきてくわをはむ」と読みます。

七十二候では、春から初夏へと移り変わる自然の様子を、動物や植物の変化によって表します。「蚕起食桑」は、桑の葉が育ち、蚕が盛んに葉を食べる時期をとらえた言葉です。

項目 内容
言葉 蚕起食桑
意味 蚕が起きて桑の葉を食べ始める頃
読み方 かいこおきてくわをはむ
分類 七十二候の第二十二候、小満の初候
時期 5月20日頃から5月25日頃

ここでいう「起」は、冬眠から目覚めるというよりも、蚕が活動を始めることを表します。

桑の葉を食べて成長し、やがて繭を作る蚕の姿は、かつての暮らしや産業に深く関わる初夏の風景でした。

「蚕起食桑」の読み方

一文字ずつ読むというよりも、「蚕が起きて、桑を食む」という意味をそのまま古風な言い回しにした読み方です。

表記 読み方 補足
蚕起食桑 かいこおきてくわをはむ 七十二候で用いられる正式な表記
かいこ 桑の葉を食べ、絹糸のもとになる繭を作る虫
食桑 くわをはむ 桑の葉を食べることを表す

「食む(はむ)」は、動物が草や葉などを食べることを表す言葉です。

そのため「桑を食む」とは、蚕が桑の葉を食べる様子を、やわらかく情景的に表した表現といえます。

「蚕起食桑」はいつの季節?

「蚕起食桑」は、二十四節気の「小満」の初候にあたります。

時期は、例年5月20日頃から5月25日頃です。ただし、七十二候の日付は年によって少し前後します。

区分 内容
二十四節気 小満
七十二候 初候・第二十二候
時期 5月20日頃〜5月25日頃
前の七十二候 竹笋生(たけのこしょうず)
次の七十二候 紅花栄(べにばなさかう)

小満は、草木や生き物が次第に成長し、天地に満ち始める頃を表す節気です。

蚕が桑を食べて大きくなる様子は、まさに小満という季節の名にふさわしい、命の成長を感じさせる情景です。

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「蚕起食桑」の由来

「蚕起食桑」は、七十二候という暦に由来します。

七十二候とは、一年を約五日ごとに七十二に分け、気候や動植物の変化を短い言葉で表した暦です。

言葉 由来・意味
絹糸のもとになる繭を作る虫。日本の養蚕文化と深く関わる。
活動を始めること。ここでは蚕が動き出す様子を表す。
食桑 桑の葉を食べること。蚕の成長に欠かせない行動。
七十二候 自然の変化を約5日ごとに表した暦の区分。

江戸時代から近代にかけて、養蚕は日本の重要な産業でした。蚕を育てる農家では、桑の葉を摘み、蚕に与え、繭を作らせる作業が暮らしの大きな部分を占めていました。

蚕が桑の葉を食べる音は「蚕時雨(こしぐれ)」とも呼ばれます。静かな部屋に小雨のように聞こえるその音は、養蚕が盛んだった時代の初夏を象徴する音でもありました。

蚕と桑はなぜ初夏の季節感と結びつく?

蚕と桑が初夏の季節感と結びつくのは、桑の葉が育つ時期と、蚕が盛んに成長する時期が重なるためです。

蚕は桑の葉を食べて成長し、繭を作ります。そのため、桑の葉の状態は養蚕にとってとても重要でした。

季節の要素 蚕・桑との関係
桑の若葉 蚕の大切な餌となり、初夏に青々と茂る。
蚕の成長 桑の葉を盛んに食べ、繭を作る準備をする。
田植えの頃 農家では田植えと養蚕の世話が重なり、忙しい時期となる。
初夏の音 蚕が葉を食べる音は「蚕時雨」と呼ばれ、季節の音として親しまれた。

「蚕起食桑」は、目に見える景色だけでなく、桑の葉を食べる小さな音まで含めて、初夏の暮らしを映し出す言葉です。

「蚕起食桑」の使い方・例文

「蚕起食桑」は、日常会話で頻繁に使う言葉ではありません。

ですが、季節の挨拶、暦の説明、手紙、俳句、エッセイなどでは、初夏の農村風景や養蚕文化を表す言葉として使うことができます。

場面 使い方の例
手紙・挨拶文 蚕起食桑の候、若葉の緑が日に日に濃くなってまいりました。
季節の文章 蚕起食桑の季節、桑の葉は青々と茂り、初夏の気配が深まります。
暦の説明 小満の初候は「蚕起食桑」といい、蚕が桑の葉を食べ始める頃を表します。
日記・短文 古い養蚕の話を聞き、蚕起食桑という暦の言葉を思い出しました。

一般向けの文章では、漢字だけだと読みづらいため、「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」と読み方を添えると親切です。

「蚕起食桑」と小満の七十二候

「蚕起食桑」は、小満の三つの七十二候のうち、最初にあたります。

小満の七十二候は、蚕、紅花、麦というように、人の暮らしや農作業と関わりの深い自然の変化を表しています。

小満の七十二候 読み方 意味
蚕起食桑 かいこおきてくわをはむ 蚕が桑の葉を食べ始める頃
紅花栄 べにばなさかう 紅花が盛んに咲く頃
麦秋至 むぎのときいたる 麦が熟し、収穫期を迎える頃

桑を食む蚕、色づく紅花、黄金色に実る麦。

この流れを見ると、小満がただ気温の上昇を表すだけでなく、暮らしを支える植物や作物が力強く育つ時期であることがわかります。

まとめ

「蚕起食桑」は、蚕が起きて桑の葉を食べ始める頃を表す七十二候の言葉です。

読み方は「かいこおきてくわをはむ」で、二十四節気では小満の初候にあたります。

時期は例年5月20日頃から5月25日頃で、桑の葉が茂り、蚕が成長していく初夏の情景を表しています。

養蚕が身近だった時代には、蚕が桑を食べる音や、桑の葉を摘む作業も季節の一部でした。

暦の言葉は、昔の暮らしと自然の関係を知る手がかりになります。小満の頃には、ぜひ「蚕起食桑」という美しい季節の言葉を思い出してみてくださいね。

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