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「包括的」という言葉を使ったことがありますか?
あまり日常会話の中では出てきませんので、知らない、聞いたことがあるけれど意味がわからないという人もいるかもしれませんね。
この「包括的」は何かをまとめるような意味の言葉なのですが、似たような言葉に「総合的」などもあり、意味の違いはなかなか分かりにくいと思います。
今回は、「包括的 」の意味と使い方!「総合的」との違いは?例文つきで解説!についてご説明いたします!
「包括的」の意味
「包括的」は「すべてをひっくるめているさま」という意味です。
「ほうかつてき」と読みます。
「包括」というのは「全体をひっくるめてまとめる」という意味で、例えば地域の総合支援窓口を「包括支援センター」などと言ったりしますので、日常の中でも何かと目にしたり聞いたりする言葉ではないでしょうか。
「包」は「包む」「くるむ」という意味の漢字です。
「括」は「まとめる」という意味がある漢字で、「括弧」「一括」といった熟語もあります。
「包括的」は「全てをひっくるめてまとめる」という「包括」に、性質を表す「的」がついたもので、「全てをひっくるめているさま」という意味になります。
「包括的」の使い方
「包括的」は全てをひっくるめてまとめているさまを表す言葉です。
普段の気軽な会話の中ではあまり使うことはないと思いますが、ニュースや新聞、本、またビジネスシーンなどで固い言い回しをするときには使われる言葉です。
「包括的」はその言葉の意味からも、一つ一つのものではなく全体を捉える時に使います。
例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- A社とB社が包括的事業提携を締結した。
- 国連本部において、包括的核実験禁止条約に関する会議が行われた。
- 彼は問題を包括的に捉え取り組んでいる。
- A製品市場についての包括的なレポートを作成する。
「包括的に捉える」や「包括的に見る」「包括的に考える」などということは、その物事について一部分だけではなく全体をまとめて見るということを表します。
「包括的核実験禁止条約」とはあらゆる空間での核実験による爆発、その他の核爆発を禁止する条約のことです。
このように「包括的事業提携」「包括的支援」など、「包括的○○」とすることで、○○の全体的なことを行うという意味になります。
「総合的」との違いは?
「包括的」に似た言葉に「総合的」があります。
どちらも「まとめ」という感じの語句ですね。
「包括的」と「総合的」の違いは、
- 「包括的」は「その物事に関する全てをまとめる」
- 「総合的」は「個々の物事をひとつにまとめる」
となります。
「包括」は「ひっくるめてひとつにまとめる」という意味なのに対し、
「総合」は「ばらばらのものをひとつにまとめる」という意味です。
つまり、「総合的」は全く別々のものを一つにまとめることですが、「包括的」は別々のものでなくてもよいということです。
「包括的」の例
例えば先ほど挙げた「包括的核実験禁止条約」なら、「宇宙空間での核実験」「大気圏内での核実験」「水中での核実験」「地下での核実験」といった、いろいろな空間での核実験を禁止するものです。
どれも同じ「核実験」について、それをまとめるということを言っていますので、
「総合的核実験禁止条約」とは言わないわけです。
「総合的」の例
「総合的」を使う言葉には、例えば「総合的な学習の時間」というのがあります。
これは最近の小中高などの学校で行われている学習で、国際理解、情報、環境、福祉・健康など内容は多岐にわたります。
この場合は国語や社会、理科、道徳などいろいろな教科に含まれるようなことを合わせて学びますので、「総合的」と言います。
- 全体をまとめるという意味のときは「包括的」
- 別々のものを一つにまとめるときは「総合的」
という風に、表したい意味によって使い分けができるということです。
「包括的」の類義語
「包括的」の類義語には次のようなものがあります。
- 総括的(全体を一つにまとめるさま。個別にではなく、全般にわたるさま)
- 全般的(物事の全体に及んでいるさま)
- 全体的(物事の一部分ではなく、それ全体を対象として捉えているさま)
「包括的」と「総括的」もかなり似ていますが、「包括的」が「すべてをひっくるめているさま」であるのに対し、「総括的」は「全体をひっくるめて締めくくる、結論を出す」という点で違いがあります。
「包括的」の対義語
「包括的」の対義語には次のようなものがあります。
- 個別的(幾つかあるものがそれぞれ他と関係なく別に存在しているさま)
- 排他的(自分や仲間以外の者を排斥する傾向のあるさま)
- 特定的(特にそれと定まっているさま)
- 限定的(限定されていること、限られていること)
- 集中的(1か所に集まっているさま)
まとめ
「包括的」はすべてをひっくるめているという意味でしたね。
具体的なものをまとめて整頓するというようなことではなく、「包括的に見る」「包括的に捉える」といったように、全体をまとめて捉え考えるというときに使われます。
少し難しい言葉ではありますが、ビジネスシーンでは何かと使う機会もあると思いますので、ぜひ参考になさってください。
最後までお読みくださりありがとうございました!