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「漠然」という言葉は、「漠然とした不安」「漠然とした話」などといった使い方をします。
ビジネスシーンに限らず、会話の中やテレビ、文章中など、いろいろなところで見聞きしたり使ったりする機会があるのではないでしょうか。
なんとなく使い方はわかるかもしれませんが、「漠然」とはどういう意味なのか、きちんと調べたことのある人は少ないと思います。
この機会に確認しておきましょう。
今回は、「漠然」の意味と使い方!「漫然」との違いは?【類義語・対義語】についてご説明いたします!
「漠然」の意味
「漠然」は「ぼんやりとして、はっきりしないさま」という意味です。
「ばくぜん」と読みます。
「漠」は「すなはら。荒野」「果てしないさま」「はっきりしない」「ものさびしい」という意味の漢字です。
「砂漠」「茫漠」「索漠」などの熟語があります。
「然」は「しかり。そのとおり」「しかし」などの意味のある漢字ですが、この場合は状態を表す語の後に添える助字として使われています。
「唖然」とか「突然」、「平然」などと同じ「然」で、前の文字のような状態、という意味になります。
つまり「漠然」は「はっきりしない状態」ということで、文字通りの意味ですね。
「漠然」は考えや気持ちなどがとりとめなく、内容などがぼんやりしていることを表す言葉です。
「漠然」の使い方
「漠然」は「ぼんやりとして、はっきりしない」状態を表す言葉です。
「ぼんやり」といってもすりガラス越しに何かを見るなどというような、色や形がはっきりしないということではなくて、この場合は事柄の内容などがはっきりしないという意味で使います。
考えや気持ち、話の内容などがはっきりしないということですね。
形容動詞で、「漠然とした」「漠然としている」「漠然たる」といった使い方をします。
「漠然」の例文
- 彼の話の内容が漠然としていていまいちわからない。
- 彼女は将来に漠然とした不安を抱いている。
- 今まで、結婚について漠然としか考えてこなかった。
- 漠然とした質問をされ、答えに困る。
「漫然」との違いは?
同じように使う言葉に「漫然」があり、こちらもぼんやり、はっきりしないというような意味合いの言葉です。
この二つの違いは、
- 「漠然(ぼうぜん)」は「気持ちや内容がはっきりしていないさま」
- 「漫然(まんぜん)」は「目的や意識がはっきりしていないさま」
となります。
「漫然(まんぜん)」は「特別の目的もなく事をなすさま」という意味です。
「まんぜん」と読みます。
「漫」は漫画や漫才の「漫」ですが、「みだりに」「なんとなく」「ひろい」「みなぎる」「こっけいな」といった意味を持つ漢字です。
「漫然」はなんとなく、そぞろな状態ということで、これという目的やはっきりした意識を持たず、とりとめのないさまということになります。
「漠然」は考えや気持ち、話の内容などがぼんやりとしていてはっきりしないことを指します。
それに対して、「漫然」は「目的や意識がはっきりしない状態で事を行う」という意味になります。
本来ははっきりした目的や意識を持ってするようなことなのに、ぼんやりとした状態で行なっている。
そのような状態のことを「漫然」と言います。
まとめると、
- 「気持ちや話などがぼんやりしていてはっきりしない」のが「漠然」
- 「目的や意識をしっかり持たずにぼんやりしている」のが「漫然」
ということになります。
【例文】
- 漠然とした不安を抱く。
- 漠然とした質問ばかりで答えようがない。
- 漫然と勉強していても、何も身につかない。
- 交通事故の原因で、多いのは漫然運転である。(漫然運転=ぼんやり考え事をしながら運転すること)
「漠然」の類義語
「漠然」の類義語には次のようなものがあります。
- 不確か(たしかでないさま)
- 曖昧(態度や物事がはっきりしないこと)
- うやむや(物事がはっきりしないままであるさま)
- あやふや(物事がはっきりしないさま。あてにならないさま)
「漠然」の対義語
「漠然」の対義語には次のようなものがあります。
- 判然(はっきりとしているさま。はっきりとよくわかること)
- 鮮明(はっきりしていて(他とまぎれず)、あざやかなさま)
- 歴然(はっきりしていて疑う余地のないさま)
- 瞭然(はっきりしていて疑いないさま)
- 明白(はっきりとよくわかること。疑う余地がないこと)
- 鮮烈(印象などが強烈ではっきりしているさま)
まとめ
「漠然」は考えや気持ち、話の内容などがぼんやりとしていてはっきりしないことを指す言葉でしたね。
「漠然」の意味について、それこそ漠然としたイメージしかなかった人も多いかもしれませんね(笑)。
「漫然」の意味や使い方も合わせて、ぜひしっかり理解して使ってみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!