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「大臣の発言が物議を醸した」
このように使う「物議を醸す」は、ニュースなどでよく使われている言葉です。
ニュース、ビジネスシーンなど、かしこまった言葉遣いをする場で使うような言葉ですが、「物議を醸す」には簡単に言うとどのような意味があるのでしょうか。
また「物議を呼ぶ」という形で使われることもありますが、これは間違いなのか?
今回は、「物議を醸す」の意味と使い方!「物議を呼ぶ」は間違い?【例文つき】についてご説明いたします!
「物議を醸す」の意味
「物議を醸す」は「世間の論議を引き起こす」という意味です。
「ぶつぎをかもす」と読みます。
「物議」というのが「世の人々の議論」という意味です。
「醸す」は、「麹を発酵させて酒や醤油などを作る」という意味の言葉です。
そこから、「ある状態・雰囲気などを生み出す」という意味になり、酒や醤油の製造に関係のない一般的な意味ではこちらが使われます。
つまり「物議を醸す」は、「世の人々の議論を生み出す」という意味になります。
「物議を醸す」というワンセットで一つの慣用句として覚えておくとよいでしょう。
>>「波紋」の意味と使い方!「波紋を呼ぶ・波紋が広がる」とは?【例文つき】
「物議を醸す」の使い方
「物議を醸す」は、「世間の論議を引き起こす」という意味で使います。
「論議をする」ということは、必ずしも悪いことではないのですが、「物議を醸す」をニュースなどで使うときは、
「問題視されている」「批判が集まっている」「疑問の声が高まっている」というような、悪いことに対するネガティブな意味で使われることがほとんどです。
また、「物議を醸す」はかしこまった言葉なので、日常の気軽な会話では使うことはあまりなく、政治経済などのニュースや、ビジネスシーンなどで使うような言葉です。
例文で使い方を確認しておきましょう。
【例文】
- 大臣の発言が物議を醸している。
- 先日の試合のA選手へのレッドカードの判定がファンの間で物議を醸している。
- あのアニメはショッキングなシーンが多く、物議を醸している。
- 最近、広告が物議を醸す事態が増えている。
- 彼女がツイッターで連投したつぶやきが物議を醸している。
「物議を呼ぶ」は間違い?
「物議を醸す」と同じように使われる言い方に「物議を呼ぶ」があります。
なんとなく「物議を呼ぶ」でも意味が通じそうな気がしますよね。
ですが、「物議を呼ぶ」は間違いです。
おそらく、「議論を呼ぶ」との混同からできた言い方ではないかと言われていますが、本来の使い方ではありません。
文化庁による平成23年度「国語に関する世論調査」では、「物議を醸す」を使う人が58.0パーセント、本来の使い方ではない「物議を呼ぶ」を使う人が21.7パーセントという結果が出ています。
20パーセント以上の人が使っているということで、しばしば見聞きすることもあるかもしれませんが、「物議を呼ぶ」は間違いですので気をつけましょう。
他にも間違いやすい「物議」の使い方に
- 物議を交わす
- 物議になる
- 物議を醸し出す
などがあります。
「物議を交わす」は「言葉を交わす」や「議論を交わす」などとの混同でしょう。
これらを誤用だと断定する根拠があるわけではなく、例えば「物議になる」でも文法的には間違いではありません。
ですが、慣用句として「物議」とセットになるのは「醸す」なので、これはこのまま覚えてしまいましょう。
「物議を醸す」の言い換え表現
「物議を醸す」を他の表現で言い換えるなら、次のようなものがあります。
- 論争が起きる(意見の違っている人が、互いに自分の説を主張して争うようになる)
- 論議を引きおこす(互いに意見を述べて理非を論じ合うようになる)
- 波紋を呼ぶ(周囲の変化や動揺を招く)
- 一石を投じる(反響を呼ぶような問題を投げかける)
- 議論を巻き起こす(世間に論争を引き起こす)
- 賑わせる(にぎやかにする。活気のある状態にする)
- 騒動になる(多人数が騒ぎたてて秩序が乱れること)
- 世間を騒がせる(一般庶民の間で話題になること)
まとめ
「物議を醸す」は、世間の議論を引き起こすというような意味の言葉でした。
議論を引き起こすこと自体は悪いことではないですが、「物議を醸す」が使われるのは大抵問題になるようなネガティブなことについてです。
「物議を呼ぶ」や「物議を交わす」といった使い方が増えてきていますが、これらは御用とされていますので、正しい形で覚えておきましょう。
最後までお読みくださりありがとうございました!