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「あの人は反骨精神を持つ人だ」
この「反骨精神」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ビジネスシーンでも使うことがある言葉です。
「反骨」という字面からは、荒々しそうな印象を受けるかもしれません。
「反骨精神」とはどんな精神なのか、詳しく調べてみました。
今回は、「反骨精神」の意味とは?悪い意味なの?ビジネスでの使い方も解説!【類義語・例文】についてご説明いたします!
「反骨精神」の意味は?
「反骨精神」は「世の中の不正や因習などに、果敢に立ち向かって行こうとする気概や心持のこと」という意味です。
「はんこつせいしん」と読みます。
「骨」はもちろん体にあるホネのことですが、「人柄」「気質」という意味もあります。
「反骨」の他にも「気骨(自分の信念を曲げない強い気質)」などの熟語があります。
「反骨」は「反抗するような気質」ということですね。
「反骨精神」は世の中の権勢や因習などに従ってしまわずに、反抗を示すような心意気のことを表す言葉です。
「反骨精神」は悪い意味なの?
「反骨精神」は反抗するような精神ということですから、反抗的で悪そうなイメージがあります。
ですが、「反骨精神」は悪い意味の言葉ではありません。
「反骨」というのは元は骨相学の用語で、後頭部に突き出た骨のことだそうです。
そして、『三国志』にもこの「反骨」という言葉が出てきます。
蜀の猛将・「魏延(ぎえん)」に「反骨の相」があると諸葛亮が言ったというエピソードがあります。
この場合の「反骨の相」は、裏切りの象徴であるとされています。
ですので、ここだけ聞くと、「反骨」はかなり悪い意味ということになりますよね。
ですが、今では「反骨」は「裏切り」ということではなく、古い体制や不正などに反抗する、立ち向かうということで、むしろいい意味で使われています。
もちろん世の中のすべてに反抗してやる!などという極端な反抗心のようなことであれば、悪い意味になってしまいます(笑)。
ですが、普通は「反骨精神」というのは自分の信念など、強い意志があって世の権勢などに抗うということですので、いい意味であると解釈してよいでしょう。
「反骨精神」の使い方
「反骨精神」は世の中の不正や因習に立ち向かう心のことですね。
「反骨精神を持つ」などの使い方で、いろいろな場面で使用されます。
旧弊にとらわれた社会に立ち向かう。
正しいことは正しいと言う。
そんな気骨のある態度のことを指して使います。
【例文】
- ロックの本質は反骨精神である。
- 近頃、若者たちの反骨精神がなくなってきている。
- 岡本太郎は自由を抑圧するものや権威に対して反骨精神を持ち続けた芸術家である。
- 彼は反骨精神を持ったジャーナリストである。
- スティーブ・ジョブスは反抗精神に富んだ人物だった。
「反骨精神」のビジネスでの使い方
「反骨精神」はビジネスシーンでもしばしば使われます。
この場合は、会社の古い体制に反抗するとか、上司が間違っているときにはっきり間違いだと指摘する、といったことを指して使われていることが多いです。
また、世の中の古い考えなどを打ち壊して自分の仕事をするという意味で、上司などに「反骨精神を持て」と言われることもあるかもしれません。
ビジネスシーンをリードするような起業家や経営者などにも(もちろん時流を読むのに長けていて世渡りが上手なタイプの人もいるでしょうが)、「反骨精神」に溢れていて自分の信念を貫くカリスマタイプというのもしばしば見られます。
【例文】
- 彼は反骨精神の塊のような人で、世の中を変えようと起業した。
- 権威を確立していた東部への反骨精神がシリコンバレー発展の原動力だった。
- 彼は上司に媚びず、時には歯向かうような反骨精神を持っている。
- 新入社員にはぜひ反骨精神を持って欲しい。
「反骨精神」の類義語
「反骨精神」の類義語には次のようなものがあります。
- 気骨(自分の信念を守って、どんな障害にも屈服しない強い意気)
- 気概(困難にくじけない強い意志・気性)
- 根性(物事をあくまでやりとおす、たくましい精神)
- ハングリー精神(物事を強く求め、達成への強い意志を持ってことに当たる気持ちや心意気)
- 不屈の精神(困難に直面しても決して挫けたりあきらめたりしない心意気)
「反骨精神」の対義語
「反骨精神」の決まった対義語は特にありません。
「反抗する、立ち向かう」という意味の反対になる言葉を考えると、
- 臆病(ちょっとしたことにも怖がったりしりごみしたりすること)
- 追従(人の意見に従うこと)
- 従順(性質・態度などがすなおで、人に逆らわないこと)
- 付和雷同(確固とした自分の意見が無く、人の言動に軽々しく調子を合わせること)
- 唯々諾々(何事にもはいはいと従うさま。他人の言いなりになるさま)
などが考えられます。
まとめ
「反骨精神」は世の中の不正や因習に立ち向かう強い心のことでしたね。
単にいろいろなものに反抗する頑固者という意味ではなく、信念や根性のあるいい精神を指す言葉でした。
ぜひ適切な場面で使ってみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!