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「満を持して登場する」
このように使う「満を持して」という言葉があります。
テレビなどでよく耳にしますよね。
ビジネスシーンでも使われているかもしれません。
この「満を持して」、使われている状況から、なんとなく意味は分かりそうな気がしますが、さて「満」を「持して」とはどういうことかと聞かれると、案外わからないのではないでしょうか。
「満」も「持して」も、それだけだと普段使わない言葉ですよね。
ぜひ確認しておきましょう。
今回は、「満を持して」の意味と由来は?漢字は「辞して」とも書く?【類義語・対義語】についてご説明いたします!
「満を持して」の意味と使い方
「満を持して」は「満を持する」に接続助詞「して」をつけた形です。
「満を持する」は「準備を十分にして機会を待つ」という意味です。
ですので、「満を持して」は「準備を十分にして機会を待って」ということですね。
「まんをじして」と読みます。
「満を持して登場する」「満を持して公開する」など、「満を持して○○する」の形で、十分な用意をして待っていた機会がおとずれる、待ち望んだ絶好のタイミングがやってきた、ということを表します。
【例文】
- 彼は満を持して登場した。
- 話題の映画が満を持して公開された。
- アメリカで爆発的な人気となったゲームがが満を持して日本に上陸する。
- 試合が終盤に差し掛かるころ、満を持してエースが登場した。
「満を持して」の由来
「満を持して」の意味や使い方はおわかりいただけたでしょうか。
準備万端でいよいよ絶好の機会が来た、待ちに待った機会が来たというような時に使いますね。
ですが、それをどうして「満を持する」というのでしょうか?
実は、「満を持して」の由来は、中国の歴史書『史記』にさかのぼります。
「持満」という言葉が出てくるのですが、「満」は「満ちる。いっぱいになる」という言葉で、ここでは「弓をいっぱいに引きしぼる」という意味で使われています。
「持す」は「保つ」という意味です。
「持満」は「弓をいっぱいに引きしぼったまま絶好のタイミングを待つ」という意味になるんですね。
そこから、「十分に準備をして機会を待つ」ということを「満を持して」と表すようになったのです。
「辞して」とも書く?
「満を持して」を、「満を辞して」と書く人がいます。
パソコンなどの変換でも、「辞して」と出てくることがあるようです。
ですが、「満を辞して」は間違いです。
「じする」には「持する」以外にも「辞する(辞退する、辞任するなどの意)」や「治する(治す、治めるなどの意)」などの漢字があるため、変換候補として出てくることがあります。
ですが、言葉の意味からも、正しくは「持する」ですので「満を持して」の漢字も合わせてしっかり覚えておきましょう。
もちろん「辞して」だけでなく、変換すると「万を」「マンを」など色々な文字が出てくることがありますので、間違えないように気をつけましょう。
「満を持して」の類義語
「満を持して」「満を持する」の類義語、言い換え表現には次のようなものがあります。
- 頃合いを見て(適当な時機を見計らう)
- 機が熟す(機会を窺って待った末に絶好の機会が訪れるということ)
- 時が満ちる(物事をするのによい最高の状態に至るさま)
- クライマックスに及んで(物事の緊張や精神の高揚が最高に盛り上がった状態になる)
「満を持して」の対義語
「満を持して」の対義語は特に決まっているわけではありません。
「十分準備して機会が来る」というような「満を持して」の意味を考えると、
- 拙速に(できは良くないが、仕事が早いこと)
- 性急に(物事の進みかたが急であること)
- 準備不足(物事を行うにあたっての準備が不足していること)
- 短慮(考えがあさはかなこと。浅い思慮)
といった言葉を使って、あわてて準備したのでよいタイミングではない、という反対の意味合いを表すことができるでしょう。
まとめ
「満を持して」は、いよいよ待っていた機会が訪れた、ついにこのタイミングがやって来たと言うような、待ち望まれていたことが実現する時に使う言葉でしたね。
映画の公開やゲームなどの発売時にもよく使われる宣伝文句でもあります。
また、新商品や新事業を発表する時など、ビジネスシーンでも何かと使える言葉ですね。
ぜひ理解して、使ってみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!